CALENDAR
S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    
<< June 2020 >>
SPONSORED LINKS
ARCHIVES
CATEGORIES
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
MOBILE
qrcode
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
あらためて はじまり ( 吉川の古民家 premdan 6 )


気持ちよく清々しく晴れた朝です。

節分が開けた今日、
工事を始めるにあたってのおはらいを行いました。

ちょうど、敷地のお隣の空き地では
集落の人たちが集まって、
旧暦の新年を祝う村の催しが行われていました。




お施主さんのご希望もあって、
神社から神主さんに来ていただきました。

江戸時代からの長い年月、
この場所に建って、
多くの様々な人が関わり、様々なことやおもいを
受け入れ、見聞きしてきたであろう
この大きな家を
直して変えようというのですから
気持ちと決意をきちんと土地にも家にもお伝えして、
ことをはじめたいという、
あらたまったお気持ちゆえ、でしょう。




土間に祭壇が組まれると
場の雰囲気が変わってきます。




神様にこの家を直すことのご報告、
そして工事の無事を祈ります。




順番に榊をお供えしていきます。



主に改修されて変わっていくところに
小さな紙片(切麻きりぬさ)をまいていき、
そこについている前の住人の方のおもいなどもろもろを
祓い清めていきます。

家の周りにはご家族の方に
お米とお塩を、
水周りにはお酒とお水をまいていただいて、
万事滞りなく無事に式は終わりました。

どうもありがとうございました。


工事の始まるのを待つばかりに
準備の整った家。

明日から
茅葺屋根の葺き替えに備えて
解体工事が始まっていきます。




茅葺屋根と平屋の瓦屋根の接する箇所。

形状的にどうしても雨が漏る形になっていて、
伝った水で母屋の隅柱が傷んできていますが、
今回の改修でそれもあらたまって、
柱が守られる形に変わります。

・・家も一安心ではないでしょうか。
実測調査中に、
ここを直してほしい、と家から頼まれた様な気がします。




上記のような想定外の補修も多々あったため
予算に合わせていくために、
改修内容を現場でもう一度見直していきます。




与えられた条件が、
無理のない、今ここにふさわしい姿を
導き出してくれているはずです。
私たちももう一度現場を
あらためて見直して、
坂口さん、あかい工房さんと一緒に
適切な改修箇所と相応しい形を探し、検討していきました。




いくつかの修正案が見つかったので
再見積をお願いしました。
どうなっていくのか、楽しみです。

 

 

 

 つづく

 

 

 前回

 

 

 

⇒ premdan

 

 












































 

| 『 吉川の古民家 premdan  』 | 18:13 | - | - |
茅葺屋根とその下(吉川の古民家 5)


設計が ほぼ まとまり、
工事見積を地元のあかい工房さんに依頼。

『ほぼ』というのは
改修工事にはある程度つきものなのですが、
解体してみないと状態がわからないところがあるからで、
実際の状況によっては
検討の上、変更しなければならないところも
出てくることが予想されるからです。

そういうやりとりも今まで何度か仕事をしてきた
あかい工房さんとなら協働でいい形を見つけて
クリアーできるでしょう。
( →『猪名川の民家』 ・ →『にろうの家』 )

又、あかい工房さんは
古い茅葺民家を自社の事務所として改修していて、
茅葺民家を直したり移築したりということもされているので
その経験も活かしてもらえそうです。


改修の方針などを現場にて説明しました。




まず大きいのは茅葺屋根の葺き替えです。
葦やすすき、稲わらを使って
厚さ60〜70cm程度に葺かれています。

前回の葺き替えから約30年。
その際は琵琶湖の葦を主材として葺いたようで、
途中の補修や手入れがどの程度されていたかわかりませんが、
今回葺きかえる予定の北面屋根は
腐葉土化して半ば土に戻っており、
草や苔が生えて、
それはそれでなかなか美しい姿なのですが・・・

近くで見てみると、




こんな感じ。
中にはきっとたくさんのカブトムシの幼虫なんかもいるでしょう。
屋根というよりはもはや生態系となっています。

生態系になる屋根、
なんて現代の屋根葺き材ではちょっと考えられません・・。
しかも下におろせば腐葉土として植物や畑の作物なんかを育てた上に、
そのまま土に戻って・・・
(またわらになるものもあり、それはまた屋根になって)
自然の循環の中にかえっていきます。
下地も含めて産業廃棄物にならない屋根も
現代の工業製品ではまだ実現できていないと思います。

姿から感じるおおらかさややわらかさ、
和やかさのような印象には、
勿論、素材の特性から生じる形態的なこともありますが、
自然のわらでできている、ということから
派生するそのような諸々も含めて、
無意識で感じ取っている
いのちの深いところからの安心感のようなもの、
があるような気がします。

風景の中での周囲の自然との馴染み具合も、
自然のいのちの循環から外れていないがゆえに、
見ていて何の違和感をも感じないところから生じてくる印象、
と見ることもできるのではないでしょうか。

そういったことの総体として
私たちは茅葺屋根を
意識と無意識で体験しているとも言えます。

その懐深い奥行の気配を
茅葺屋根の下に入ったときにある、
前回ここに来たときにその存在の大きさに気がついた−
暗闇の中に
人は感じているのかもしれません。

その闇を生かすような光や灯りが
とても重要になりそうです。




坂口さんが見つけてこられた
手吹きガラスの美しいシェード。
おおやぶ みよさん という作家さんの作品。

ここで望むものにこたえてくれそうな
何かを秘めた感じがあって、
ほのかな光が見えたようでした。


改修に関しては
今回補修しておくほうがよい箇所を直しつつも、
新しい場として再編する為に改修の必要な箇所があり、
そのバランスをどのようにとるか。

まず工事見積を出してもらって、
それによって方針が決まっていくことになります。
あかい工房さん()、よろしくお願いいたします。


年明けからの工事に向かって
いよいよ始動し始めた感じです。





森田建築設計事務所
森田 徹
























 

| 『 吉川の古民家 premdan  』 | 10:44 | - | - |
気配(吉川の古民家 4)




秋雨にけむる茅葺屋根。
奥に山側の隣家の茅葺屋根、そして山。

周りの山の木立の気配と相まって、
草で出来た、小山のような屋根は
雨にしっとりと濡れそぼちながら
なんだか息をしているような気配を漂わせています。

その草屋根の大きな懐の内には
野太い梁組の上に
底知れぬような 淡くて深い闇が潜んでいて、
光と音を吸い込んで
沈黙へと変えていきます。

それは
豊かで 
なにもかもをも分け隔てることなく 抱きまいらせるような 
静けさです。

呼吸が自然に深くなっていくような・・


この場所が訪れる人に与えてくれるであろう、
多くのもののうちの一つ・・・


これを活かすように
場を整え形づくることに意をもちいるようにと
あらためてこの場所が教えてくれた
秋の雨の日でした。






























 

| 『 吉川の古民家 premdan  』 | 23:46 | - | - |
動いてくるもの ( 吉川の古民家 3 )


兵庫県の茅葺屋根補修の補助金申請を行って
それを待つあいだ、
どうなおすか検討思案・・。




古民家の骨太な架構と大きな空間を
より力強く見せようとした
30年前の改装時のベクトルからの転換。




この場所でのいとなみが
気持ちよく、自然にいとなまれるように。

風が抜け、場が息づけるように、
無理のある部分を取り払い、
新しく窓を開ける・・・。

つまっているところをつまらないように・・
・・・おもしろいことに、設計のときに
格好良く見せようとして、無理をしたところは
(いろいろな意味で)つまっていることが多いのです。
ー自分自身の経験でもそうです・・。
そこをつまら(せ)なくする、と
大体は流れがよくなってくるのですが・・・。

しかし、
つまっていなくてきもちのいいかたちは
あるだろうと思います。




内側から動いてくるもの が かたち になるように。
外から決めていかない こと・・。
ながれているものが 感じられるように
かたち を与えられると、
違和感を感じることなく しっくりします。
そのとき、場との関わり も又 新たなものになる ような気がします。

まだ図面の上でのことですが、
ここでの いとなみ にそったかたちが
息づくように、新しいすがた が次第に見えてきました。
内側から動いてくるもの が
それをみちびいてゆきます。
いろいろな可能性があらわれながら、
一番気持ちのよい、無理のないありよう がどれなのか、
この場がすこしずつあたたかくなっていく熱のような、
息遣いのようなもの を感じつつ、
それをみつけて図面の上に定着させているところです。

なんだかどきどきしてきます。
面白い時間です。





































 

| 『 吉川の古民家 premdan  』 | 16:29 | - | - |
茅葺古民家を見る・茅葺屋根を診る 2 ( 吉川の古民家 2 )


そんなわけで
茅葺職人くさかんむりの相良さんと
あかい工房棟梁に現況を一緒に見てもらいました。

面白い家やね〜と盛り上がりながら、
あちこち見て廻ります。




山側になる北面屋根。
小屋裏の窓も付いていて面白い部分ですが
草も生えて屋根としてはかなり傷んできています。
表面から少し奥まで、腐葉土と化しつつある状態、
でこれも茅葺屋根ならではの循環。
『屋根の上で堆肥を作っているんです。
土に返ってまた生えてきて・・』
もともと農業を志していたという相良さんの視点には
いとなみ全体を見ようとする広さと柔軟さを感じます。

30年前の改修では
この屋根は滋賀から来た職人さんたちが
琵琶湖の葦を使って葺いていました。
この辺りは山里なので
伝統的にはすすきを主に使って葺いてきました。
茎の太さも違うのでその経年変化や屋根のやせ方も違い、
屋根としての補修方法も少し違います。
ここではすすきと葦を混ぜて葺いてある所もあり、
葺きなおさずに補修するにはちょっと工夫が要りそうです。
と、相良さん曰く。




後ろの山側のお宅も茅葺屋根で
そちらは地元の職人さんが葺いたそうです。
山に沿って二つ並んだたたずまいはなんともいい雰囲気。
ぜひ残したい眺めですが・・・

こちらの家は
離れと繋ぐために先の改修時に設けた、
左手の瓦屋根と母屋の茅葺屋根との
接続部分が位置・形状的にうまく納まっておらず、
雨水が中に入る弱点になってしまっていました。
その下にある母屋の隅柱がそのためずいぶん傷んできており、
今回の改修ではここはなんとか改善したいところ。
予定外のところですが、
家が直してほしいと言って知らせてきたような気がします。




相良さん、屋根の上に上がって大きさを実測。
表面の傷み具合や材料なども合わせて診てもらいます。
茅葺屋根内部の小屋組みは
このあたりの伝統的な形式のままだったようでした。



この場所にねざしたお店を、
という想いの坂口さんには
お店をつくることだけを優先して、
安価に補修するために茅葺屋根をトタンで覆うという選択は
できれば避けたいところがあるのですが・・・。

そのために
どんな方法で茅葺屋根を直すことが出来るか。
例えば、四面の屋根の一面ずつを葺き替えていく、
それまで残りの面をどうもたせることが出来るか、
どれくらいの期間可能か・・・その費用、方法は・・。


他の部分をどういう形に直すことが可能か、
新しく何が出来るか
といったことを見出していくための、
それが大きな条件になっていきます。


























 

| 『 吉川の古民家 premdan  』 | 21:46 | - | - |
茅葺古民家を見る・茅葺屋根を診る 1 ( 吉川の古民家 1 )


三木の吉川。
鳥の鳴く声だけが響くような、
穏やかで閑雅な風情の山里で
築200年の茅葺古民家に出逢った坂口さんが
そこで地元の野菜や食材での料理を供するお店をしようと決められて
改装の設計を依頼してこられました。
この土地から産まれる、
一見なにげないようなものことの
美しさや魅力を開いてくれる場所になりそうです。

周囲には茅葺民家がいくつか残っています。
この家もその中にあって
草屋根が周囲の環境と調和した景観をつくっています。




この家自体は
30年ほど前に購入した先の持ち主の方が
かなり手を加えて改修している様子がうかがえます。
元の姿からは大分変わっているような印象も受けます。

それは一つには
古民家の力強い部分を前面に引き出す改修で、
目に付く主要な部材を大きな寸法のものに差し替えたり、
あるいは付け加えたり、
又その材には、例えばケヤキを多用して、
古民家独特の木組みの空間を、
逞しく豪勢な印象にしようという意図に基づいた
操作があったように見えます。
中には鉄のフードが鎖で吊り下げられた囲炉裏があり、
男たちが火を囲んで酒を酌み交わしている光景がすぐに思い浮かびます。
一方では一間を改装した茶室もあります。
荒々しい野趣とある種の風雅さ、高貴さ。とても男性的。
歌舞伎の見得を切ったような空間。
そしてどこか、日常を離れるような、
アソビの場としての古民家。

初めてこの家に伺ったときに、
その場の雰囲気を、どこか懐かしさと
そして又どこか違和感とともに感じました。

というのは、かつて、
若かりし頃に勤めていた設計事務所の所長が
同じくらいの古さの茅葺民家を山の中に持っていて、
そこに1年半くらい住む機会があったのですが、
そこを所長や事務所関係で使うときの意識や気分に
先述のものと通底するところがあったからです。
力強い架構や材、場の印象にもどこか共通するものがありました。
勿論、別邸だったので、
街中での場との対比としてそのような部分が
浮かび上がってくるのもわかります。
ただ、古民家の中に見出して引き出しそうとした部分は
どこか共通していて、
そこから日常を離れた、ある種の精神的な飛翔を
求めようとしていたような気がします。

確かに面白い取り組みであり、
方向性だったとは思うのですが、
今私が感じ求めているものとは差異があるのを感じます。

数少ない例から
一般化は出来ないかもしれませんが、
当時、古民家の改修に関わった人たちは、
古民家的な日常の生活が経験としてそれほど遠いものではなく、
そのために何か特別な印象や強さのようなものを魅力として
引き出そうと、あるいは付け加えようとしたのかもしれない、
という気もします。
時代背景も何らかの影響を与えていたのかもしれませんが・・。
同時にそれは、
いとなみとしての日々のくらしから
離れ(ての跳躍をし)ようとするようなベクトルも
(無意識にも意識的にも)含んでいたような感じがあります。

今見ればどこか違和感を感じるのはその辺りです。
日々のいとなみがそのまま
美しく ここちよく 調和を持って いとなまれるような場をつくること。
そのことによって、地に足をつけたままで高められること。
そんなことを想って今、設計にとりくんでいるからかもしれません。

例えば、
いわゆる家事といわれるような日々のいとなみが
実はいのちのいとなみを日々運んでいくそのものの行為なんだということを
子供が生まれてからの日々の体験を通して実感したのですが、
人がつくりだしてきたものも全てそのいとなみを内側からかたちにしたもの、
ということをそのときにあらためて実感しました。
そして建築もそこから離れるものではない。

なので、今は
先述のようなベクトルとはちょうど逆向きのようなベクトルで
設計に取り組んでいるところがあります。

ですが、例えば古民家に取り組むときの姿勢として
先述のような先人の取り組みがあったからこそ
今の取り組みが具体的に見えてくるところもあり、
その意味で、先の取り組みへの単なる否定ではなく、
これもまた別の方向へ発展していく、
継承のひとつのありかたなのだとも思います。
かつてはそうしたものに
魅かれ、憧れた自分があったのも事実ですし。


ところで
坂口さんがここでしようとしているのは
日々のいとなみとしてのくらしの延長線上にあるお店であり、
それは今この場がまとっている雰囲気とは
これまで述べたように、逆のベクトルなのだということ。
なので付け加えられたものを注意深く見分けながら、
どこか元の姿に戻していくような、
日々のいとなみから離れたような感のある民家を
もう一度日々のいとなみに立ち返らせるような取り組みに
この改修はなっていくだろうということを、
ここを見ていて感じました。坂口さんも同感でした。
原型の保存のために古い姿に回帰するというわけではありません。

そのことには
外から付加されたイメージの空間をつくるために
なされた無理をあらためて、
家をある意味健やかな状態に戻すようなことも含まれます。

調査していて見えてきたこの家の現状、
それをあらためて新たな場をつくるために、
やはりまずこの茅葺屋根をどのように直すべきか、
それが具体的な改修方針の大きな分かれ目になりそうだ
ということが見えてきたので、
改修工事を依頼する予定の
地元の工務店・あかい工房さんと
同じく地元の茅葺屋根職人さんのくさかんむりさんに
茅葺屋根を一度診てもらうことにしました。



(つづく)








































 

| 『 吉川の古民家 premdan  』 | 18:48 | - | - |
茅葺工事

現場の近くで進んでいる
あかい工房さんのかやぶき民家の移築工事を見に行きました。




屋根葺き工事をしているのは
あかい工房さんの事務所の屋根も手掛けた
茅葺職人集団のくさかんむりさん。





室内から見える一層目にヨシを葺き、
その上に稲わらを葺いています。




数種類の材料を組み合わせて葺き、
耐久性のある屋根を目指しているそうです。

材料は阿蘇や青森など全国あちこちから集めているそうです。



職人さんたちはみんな若い!いい感じです。
20年くらい前は茅葺の葺き替えの現場にいたのは
お年寄りの職人さんたちばかりでしたが、
今若手の人たちに
こうして技術が継承され、又新しい観点と感覚を持って
取り組みされているのをみると、心強いですね。




完成が楽しみです。
ありがとうございました。












 
| 『 吉川の古民家 premdan  』 | 11:28 | - | - |
<< | 2/2PAGES |