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現場より ( 心根 古民家改修 6 )

 

台風21号から1週間、

ようやく

高槻市街地から現場への道が開通しました。

 

ちょうどその道を通る機会があったのですが・・

 

 

なんか一瞬よくわからないのですが、

これ、全部風でなぎ倒された木々です。

植林された杉や桧。

まるでつまようじみたいに倒れていました・・

恐るべし自然の力。

一方で、一山越えると何とも無いところもあったり、

風道に当たったところが容赦なくやられたような印象です。

多分道路の上もかなり木々が散乱して

相当カオスな状況だったと思います。

復旧作業の皆様ご苦労様です。

よくここまで復旧したなと思いますが

山を見ているとまだまだ作業は沢山ありそうです・・・。

 

 

現場はおかげさまで無事でした。

お隣の山の木々が同じように倒れましたが

幸い近辺の人家にも被害は無く、

ただしばらく断水状態になったのが大変だったと思います。

 

現場も台風補修対応で皆しばらく追われていました。

それでも屋根屋さんや足場屋さんは

今もまだ忙しい状況がずっと続いているようです・・

 

 

少しずつ又元のペースに戻りつつある現場・・

 

 

化粧軒天井の化粧垂木が設置されてきました。

 

 

板張りで生まれた

明るくすっきりした雰囲気に加えて

落ち着きとリズム感、

そして端正さがもたらされたようです。

 

 

垂木と小舞の組み合わせは

清々しい軽やかさも湛えていて、とても好きな形です。

垂木は猿頬に面をとって、光を受ける面を多様にしています。

 

 

室内の造作も進んでいます・・

 

 

壁の切り替わる箇所。

 

搬入された古材を

組み合わせてどのように使うか検討していきます。

これは栗古材の框に松板の組み合わせ。

 

 

場に置いてものを見て決めていくと

そこから必然の新しい形・意匠が生まれてきたりします。

材料と場所と行為に沿って生まれてくるかたち・・

そこに立ち会うのは面白い時間です。

 

厨房・・・

奥の壁面に光の当たっている前が

店主の片山さんが立たれるところです。

 

 

厨房は様々な設備や機器が集中してくるので

色々と気を遣うところです。

天井内や土間、壁の中など見えないところに

様々な設備機器や配管が仕込まれてれています。

 

ここの厨房は

それぞれの作業に応じて、

造作される場の雰囲気を少しずつ変化させてあり、

お店の方が働いている姿が

きっと美しく見えると思います。

 

 

厨房前からエントランス方向を見たところ

 

元からあった架構の部分に

新しい部材が付け加えられて

違う場に生まれ変わっていく様子

 

まだまだ沢山の作業が重ねられて

新たな場が生まれていきます。

 

 

 前回    つづく 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『 心根 − 高槻の古民家 』 | 17:51 | - | - |
現場より ( 心根 古民家改修 5)

 

しばらく間が空きましたが

その間、酷暑の夏に

台風21号や北海道での地震と天災が続いて

気持ちが落ち着く間もありません。

これ以上の被害が広がらないことを祈ります。

 

今はこの台風のために現場へ続く全ての道路が

通行止め状態です。

何より現場周囲の集落の方々の生活道路でもあるので、

早い復旧を望みます。

 

 

台風までの現場では・・

 

 

構造補強が大方終了し、設備の工事が始まりました。

 

 

店内に新設されるエアコンの配管を設置。

 

 

新旧の部材が組み合わさって

躯体がしっかりとしました。

 

 

化粧軒天井のための下地が進んでいます。

 

数日後・・

 

 

今日もよく晴れて暑い一日です。

 

 

化粧軒天井の板張りが始まりました。二人一組で

板を一枚一枚合わせ、

欠き込み部などを確認して張り進んでいきます。

 

 

この日、

軽トラに荷物と道具を積んで

臼杵さんが香川からやってきてくれました。

 

 

現場のお隣の倉庫を借りて

カウンターの天板に漆塗りの作業を始めます。

 

 

心根さんが

枚方の店舗で10年間使っていた栃のカウンター。

製材してウレタン塗装を剥がし、

拭き漆で新たに仕上げます。

 

 

まずは1回塗り。

へらをつかって薄く延ばしながら塗りこんでいき、

温度と湿度のある中で漆を硬化させて、しばらく日を開けてから

再度重ね塗りして仕上げます。

 

 

 

合わせて

この舟板にも漆を施してもらいます。

文字通り、舟の一部だった板は

水に洗われ、長い時を経て、柔らかい部分が無くなり、

枯れて木目が浮き立ち、艶消しの光沢を放ちます。

最後に一つ一つ丁寧に手で磨いてこの表情が生まれます。

今回、客席の中でも大切な場所に使われます。

 

その間に現場では・・

 

 

化粧軒天井の板が張り進みました。

杉の白太の板が

日光を明るく反射させて屋内に導き入れています。

 

 

数日後・・

 

漆塗りの塗り重ねが終了しました。

 

 

このまましばらくこの倉庫内で寝かせます。

1ヶ月程度は開けないと

皮膚の弱い人はかぶれることもあるそうです。

 

現場では

玄関部分が形を現し、表情が生まれてきました。

 

 

元々、この左側に玄関があったのですが、

実測調査中に出入りしていても

なんとなく落ち着かない感じがあり、

計画をプランしている最中に方位を確認してみると、

ちょうどそこは裏キモンに当たる場所。

そこで玄関を右へずらしてプランし始めると、

たちまち新たな平面が立ち現れてきました。

 

家は基本的に

住む人のお役に立ちたいと思っているはずですが、

意に反して住まいする人に

よくない影響をも与えてしまうことに

遺憾な想いがずっとあったのかもしれません。

 

何かがするするとほどけて

一新されていくかのように新たな場が立ち現れてきたのには

家がその遺憾さから開放されるよろこびも

後押ししていたのかなと、そんな印象がありました。

 

 

数日後・・雨降る現場

 

 

化粧軒天井の仕上げが進行し、

壁面の左官下地が始まっています。

 

 

内部では

造作の壁が立ち上がり・・

 

 

そこに穿たれた窓から周囲の緑が

生き生きと入り込んできます。

そのように感じられる、場所との新たな関わり。

 

 

蔵の中にあった鋤。

木の柄に鉄がついた古い形のものです。

 

 

鉄の部分は錆付いていましたが

鍛冶屋の宇根田さんに頼んで蜜蝋を焼き付けてもらいました。

 

 

錆付いた表情が

美しく古びた風情を醸しています。

鋤の原形は焼畑農業でも使われるくらい、

原初的な農具でもあり、また

すき焼は元々畑で、

この鉄の上で料理をしたところから生まれたそうです。

 

 

(摂理にそって)農作物をつくることで土を作り、

大きく見れば地球環境を整えている農家さんを応援するためにも、

その側である、

(料理の素材になる)農作物の生まれるところに行って、

料理をしたいという心根店主 片山さんの想いを

どこか象徴するような農具です。

 

このお店でも

そのようなことを来られるお客様の

無意識にそっと語りかけるように使いたいと

考えています。

 

 

 

< 前回    つづく 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『 心根 − 高槻の古民家 』 | 18:50 | - | - |
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