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6月の上旬、
天気にも恵まれて加工の終わった木材が現場に運ばれ
建て方が始まりました。
木村工務店現場監督の篠田さんの写真から・・
足場が組まれ・・
土台が敷設されていきます。
主要な通し柱と管柱は5寸角で基礎上まで落とし込みます。
柱が立ち上がってきました。
2階床梁を組んでいきます。
軒桁や妻梁が架かって、いよいよ小屋組みへ・・
ちょうなはつりの施された丸太梁が上がってきました。
沖さんが桁の上に立ち、みんなが下から支えながら
丸太梁を吊り上げていきます。
対面側も同じように・・桁に梁が納まります!
十字に交差する梁が準備されて・・
見事に十字に架け渡されました!
無事に棟まで上がりました。皆様ごくろうさまでした!
それから、数日後・・
シートで囲われた中、
工事が着々と進んでいます。
十字梁の上の沖大工さん。ごくろうさまです。
ハツリが日の光を受けて輝いています。
屋根下地の垂木と登り梁を架けていきます。
それから数日後、
上棟式が行われ、お清めをして
今後の工事の安全とよき家になることを祈りました。
家に何かこころが入ったような気がします・・と
お施主様は何かを感じられたようです。
垂木の間に断熱材が仕込まれていきます。
玄関ポーチのアクセントになる
古材の柱も搬入されてきました。
現場で少し磨いて色合わせをしてもらっています。
古材は滋賀の島村さんから。
遠路はるばるごくろうさまです。
このあと中間検査も無事に合格して
工事は進んでいきます。
(つづく)
去年の年末から
解体工事が始まりました。
まずは東側。
厨房からトイレ辺りを撤去しました。
和室側の床もやり直します。
2階。天井が外されて小屋裏が現れました。
右上に
部屋側に張り出した小屋裏収納が見えます。
素の状態まで戻されてリセットする感じです。
こちらは西側。
こちらも床が撤去されました。
下地から傷んで凸凹していました。
2階。幻想的な光。
短手方向にほとんど壁が無かったのがよくわかります。
1階は土間コンを打ちます。配管を設置中。
古い配管は勾配が十分取れておらず、材質的にも
問題が多かったのでこれで安心です。
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現場の現況はというと・・
東側。
1階は厨房が再構成されて出来上がってきています。
2階。天井と壁の仕上がりがほぼ完了です。
全く趣を一新しました。
天井は
杉柾目赤味勝ち角材を底目地で詰め打ちしました。
(なかなか大変な作業でした・・ごくろうさまです。)
無垢の存在感、
木肌の色と艶、
そして部屋に満ちる木の香が
新鮮な印象と
すっきりとしながら豊かな雰囲気を醸し出しています。
タイルとの取り合いも新鮮です。
そしてこちらは西側。
床にナラのダメージフロアを張っています。
製材されたものが経年変化した材ですが、
味わい深い印象になっています。
現場は手のかかる大変な箇所を
おおむね越えたかと思います。
仕上に向かって進行しています。
(つづく)
こちらは西半分。
元の建物を残して、東側と繋ぎつつも
内部は分けて別々につかえるようにしてありました。
長年貸家として使われていました。
出窓の斜め壁に導かれて玄関へ。
古びた石の腰壁と木部が味わい深い印象を。
出窓内部、ミセ。
腰掛けて仕事が出来るようになっています。
こじんまりとした感じが好ましい。
その奥は台所と階段が続きます。
内部仕上はプリント合板が貼られていますが、
元は漆喰壁と梁や柱が見えていたのではないでしょうか。
台所。タイル貼りの下は
多分レンガ積みでもありそうな手ごたえ。
奥の和室。仕上はどこも同じになっています。
庭の方には水周りや倉庫が。 2階もほぼ同様の仕上げ。
・・・で、既存の合板をはがして調査を進めます。
ミセは想像通り、
漆喰壁と2階床梁あらわしのツシ天井でした。
2階も上下カッパにマスクで完全防備の上、解体。
積年のホコリなどで大変ですが、
これでようやく梁組みや柱の位置がわかります・・・。
実測調査の上、現況図をおこして計画を進めます。
こちらも1階は
まちライブラリーやギャラリーのように使う、
パブリックに開かれたあり方。
2階は当初のように東と繋がった
プライベートな場として再編します。
構造的には壁を増設し、
柱や梁を適宜交換、補強、増設して
不足している部分を補うことに。
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現場の今の状況は・・
このようなところまで仕上がってきています。
以前の面影はかなりなくなりましたが、
あらたなかたち、
あらたな場として、建物が蘇ってきました。
仕上がりが楽しみです。
(つづく)
実測調査のときの様子です。
元々あった家の
東半分を建て直したのが昭和16年に出来た部分です。
玄関。
正面の建具より手前は
ほぼ建築当初のままだそうです。
数奇屋的な意匠。
(足元に実測道具が転がっていますが・・)
玄関脇には洋風な応接室があります。
こちらも調度品以外は当時のまま。
腰張りにテラゾが張ってあります。
代々続く石屋さんで、
当時お祖父さんは石造洋風建築に携わっていた・・
という様子が偲ばれます。
応接室内部の意匠は和洋混交のスタイル。
お祖父さんが設計時に描かれたスケッチが残っていて、
正確なパースで細部までしっかり描かれたものでした。
このあたりの部屋は
今回の改修でも触らずにそのまま残します。
ここより奥の生活空間は
これまでにも幾度か改修されてきています。
玄関から続く、厨房から一連の水廻り。
町家ならトオリニワになっているところですが
建築当初からハシリはなく、
床が上がってタイル貼りの流しが設置されていたそうです。
流しの横には板石で囲った井戸もあって
洗濯もそこでしていたとか・・・
現況は先代のときに現代風に改められた
水周りの続く奥行のある空間です。
キッチンからトイレや洗濯、浴室まで
水周りが一列に連なっていて機能的なのですが、
当初あったであろう採光や通風が失われて、
流れの滞った場所になっていました。
改修するならそれをまずあらためたい、という印象。
水周り部分と居室の和室を繋ぐ茶の間。
応接室へも2階へも通ずるここは
家の人が必ず集まってくる心臓部みたいなところで、
お祖父さんはそのことを見越してか
ここにお仏壇も設置されていたのでした。
ご先祖さまはいつも家族と一緒、という感じ・・
ご家族で集まって話をするのはここが多かったとか。
こじんまりと落ち着く場でもあります。お茶も近いですし。
茶の間の南に続く和室二間。
手前は建築当初からの座敷。
床の間や箪笥の納まる造作もお祖父さんの意匠。
その奥は当初広縁だった部分を後に拡張して室内にしたところ。
お祖母さんがいらっしゃったそうです。
その先の庭。
広縁があった頃は今より広くて、
建築と作庭の勉強のため、重森三玲氏に師事していたお祖父さんが
作庭された庭があったそうです。
左手は増築された浴室。内部からの眺めはいいですが、
外観(アルミサッシ)は庭にはあまり調和していない感じです・・。
茶の間から階段を2階へ上がります。
なかなか凝った造りの素敵な階段なのですが
外からの光が全く入らず、
昼間でも照明を点けなければならないのを
改善したいとのこと・・確かに暗いですね。
上の写真の右手奥に見えていた北側の和室。
ここも当初のまま。
今回ほとんど変えないのですが、
廊下以外に南北に通風する経路がほしい、ということで、
廊下の隣にある納戸を介して
その先の南側の部屋、開口へつながるように考えます。
くだんの南側の部屋。
和室とその南に増築された洋室。
子供室です。想い出がいっぱいありそう・・
南側の洋室。
垂木構造の低い屋根が印象的です。
さて屋根裏に上がってみると・・
階段の上にこんな空間を見つけました。
これは何か活かせそうです・・
その先の南の和室の上にも
たっぷりとした
小屋裏空間がありました。
ここも活かさない手はない感じがします。
今回の改修ではこの東半分の
1階をパブリック的な使い方に、
2階をプライベートな生活空間として
再編することになっています。
残る西半分についてはまた次回。
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さて、
今日の現場はかなり進行していて・・・
左官の仕上塗りが始まっていました。
空間が仕上がって、変容していくさまは
何度見ても不思議な感じがします。
場のありようががらりとかわっていくからです。
それを一番実感するのが
壁が仕上がっていくときかもしれません・・
開かれていた内部が
縫合されて閉じられていくような、
まるっきり別次元に変わるような・・・
そして、新たな世界がそこに現れてきます
・・そんな印象があります。
想像の中では見知っていたのですが、
それでもいつも新鮮な出逢いです。
全体が仕上に向かって速度を速めつつ、
着実に進んでいます。
(つづく)