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現場回想:開店に向けて (吉川の古民家 premdan 16 )

 

開店に向けて

この場所にあった家具を色々探しました。

 

縁あってやってきた椅子たち。

 

 

イギリスの古い教会椅子など。

よくはたらいてきた健やかで美しい椅子たち。

これからここで新たなお役目です。

 

ストックルームさん()、どうもありがとうございます。

 

 

テーブルは古いものがいくつかと

木工作家の臼杵春芳さん()に

古材を使って製作してもらいました。

 

 

臼杵さん所蔵のケヤキの古材。

新材と組み合わせます。

 

 

新材とあわせ、組みあがったところ。

これから拭き漆で仕上げます。

 

乾燥期間を経て、先日搬入されました。

 

 

空間が凛とした雰囲気になりました、と坂口さん。

 

ケヤキが沢山使われている家なので、

ケヤキの古材はよく合うことでしょう。

以前、私の意匠したテーブルで、

込み栓などで組んであり

ばらばらにほどくこともできます。

うちの事務所の上門前の家にあるテーブルと

ほぼ同じ形の兄弟です。

臼杵さん、制作をどうもありがとうございました。

 

 

こうして少しずつ開店に向けて、日々準備が整ってきました。

開店がとても楽しみです。

 

このお店は坂口さんにとってはもちろんですが、

私にとっても、よく知る建築の諸先輩方が

前回約30年前の改装に関わっていたこと、

そこをあらためて直すということで

何か深い縁を感じました。

そして、古民家というものへの関わり方やとらえ方、

そこに見出していくものが時代とともに変わってきたこと、

時代、人の意識の変化ということ、

そして変わらぬもの

について、ひしひしと感じ、あらためて考えました。

 

端的に言葉にすれば、

非日常へ飛ぼうとするのではなく

日常へ深く関わることで

見えてくる光に向う ということが

今の時代のこころの求めているところのように感じます。

 

そのベクトルの先には

今までの既製の価値観や考え方を根本的に

あらためるような要素も沢山含まれていて、

そこにまだ見ぬ人の可能性も感じます。

ずっと先には戦争のような発想の生まれない、

平和で美しい世界を人は創ることができるという可能性も

見えてくるようです。

 

一方で、前の時代と先人のはたらき、残した形があって、

私たちはこれからのありようについて考えることができる、

ということも感じました。

 

こうしたことを感じていたのは

坂口さんがここでしようとしているお店のありようについて

考えられていたことと、

こころのどこかが共鳴していたからかもしれません。

もしくは感じていたことが機縁となって

私もここに関わることになったのかもしれません・・。

 

 

以下は坂口さんのこのお店についての想いです。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

いのちをいただくことは
いのちをつないでいくこと
いのちあるすべてのものは光

 


人は食べることで
自然とつながり
食べたものがからだのなかで燃え
わたしたちは光そのものとなる

 

 


自然のリズムに寄り添い
天と地をめぐって動く
いのちの流れを受け入れ、
食べることを見つめていくことが
私たちが暮らすこの星への
愛となりますように…

 


プレムダンは、カルカッタにある
マザーテレサの家の名。
サンスクリット語で「愛の贈り物」という意味。

 

 


私たちの内にある、
永遠なるものを信じて
プレムダンと名づけました。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

premdan(プレムダン)

 

オープンは4/27の予定です。

 

 

Lunch 12:00-14:00  
Cafe   14:00-17:00 (L.O.16:30)
Open  金・土・日

673-1123
兵庫県三木市吉川町湯谷175
Tel 0794-60-9256
ランチは、1週間前までのご予約にて承ります。
(スープ、菜食ワンプレート、パン付き)
お一人様 1800円 

ご予約は、営業時間内のお電話にて承ります。
> premdan

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

premdan、坂口さんのお店が

光となって

かがやき続けますように。

 

 

 

 

私たちの内にある、

永遠なるものを

私も信じています。

 

 

 

 

 

森田建築設計事務所 

森田 徹

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

< 前回

 

 

 

⇒ premdan

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『 吉川の古民家 premdan  』 | 19:25 | - | - |
現場回想:開店に向けて (吉川の古民家 premdan 15 )

 

秋の始まる頃、

色々な調整を経て

ようやく引渡になりました。

 

 

外部。

ショウウィンドウのような形で

FIXガラスのはまっていた正面右側は

一部を撤去して開閉できる窓にあらためました。

古建具を見つけてきて再利用した窓です。

 

 

茅葺の母屋との繋ぎ棟の屋根が切り離されて

屋根の形状があらためられ、

雨漏りの心配はなくなりました。

見た目にも整理されて、なんだかすっきり。

 

中に入ると・・

 

 

大きな茅葺屋根の

深い懐から生まれる

やわらかく穏やかな玄さと静けさ、

外の緑の斜面からの明るく鮮やかな光、

窓を開け放つと澱みなくめぐり流れてゆく風、

聞こえてくる鳥や虫の声、

木の葉や木々のざわめき・・

 

それらの中の一部として、

料理をするいとなみの姿が

あるようにしつらえられた厨房と

廻りの客席の場。

 

改修工事前のお清めのときに

祭壇が組んであった壁面(→No6『あらためて はじまり』)

は取り払われ、床の仕上も変わりました。

 

以前の豪勢な雰囲気から

簡素で静かな雰囲気へ。

 

 

 

開閉できるようにあらためられた窓の場は

外を見ながら座れる

造りつけのテーブル席になりました。

吊り下げられた木製シェードのペンダント照明は

坂口さんが見つけてきたフランスのアンティーク。

 

 

座敷側も畳が敷き直されました。

傷んでいた縁側開口も補修しました。

庭と景色を見ながらほっこりとくつろげそうですね。

 

お店のために新たに設けられたトイレ。

 

 

右手奥の板の部分は

季節によって通風のために外せるようになっています。

 

既存古材板を再利用したカウンターには

古い真鍮の洗面器を再利用した手洗いを設けました。

 

 

排水金物を底に段差無く設置するために

京都の鍛金職人さんに

底の部分を加工してもらいました。

 

 

古足場板を床にした客席。

この屋根を直してくれた地元の茅葺職人の

くさかんむりさん達が使っていたものを譲りうけました。

 

 

新しくできた

漆喰の大きな壁面とイギリスの古い納屋の扉。

並んだ椅子は

縁あって出逢ったアンティークで

イギリスの農夫みたいな椅子たちと

フランスの貴婦人みたいな椅子。

この一角にはピアノを置いて演奏もできるようにする予定。

ライブとか楽しみですね。

 

 

イギリスの古い納屋の扉と

イギリスの農夫みたいな椅子と

足場板床 と 茅葺古民家 はなんだかよく合います。

はたらくもの同士だからでしょうか。

たのもしくて 健やかで 美しい ものたち。

フランスの貴婦人みたいな椅子はピアノが来たら少し落ち着くかな。

 

 

バックヤードの部分も風通しよくすっきりと改修。

 

 

風と光が再び経巡るようになり、

この場所との関りや

建物内での様々な部分同士の関りのありようも

今回再編されてあらたになりました。

 

工事はこれでひとまず終了です。

あかい工房さん、大変手のかかる仕事になりましたが

どうもありがとうございました。ごくろうさまでした。

 

・・・とはいえ、

今回直せていない箇所もありますし、

茅葺屋根はいずれ全体を葺き直さなければなりません。

メンテナンス的な工事はしばらくは継続していくことになりそうです。

 

 

お店のオープンに向けてはまだ少し

家具の準備や器の用意など、

今現在も開店に向けての準備が進行中です。

 

 

 

 

 

> つづく

 

 前回

 

 

⇒ premdan

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『 吉川の古民家 premdan  』 | 19:13 | - | - |
現場回想:開店に向けて (吉川の古民家 premdan 14 )

 

現場では

厨房内仕上の板金貼り工事が進んでいます。

 

 

上部垂れ壁の左官下地が出来てきています。

 

 

こちら側の木製フレームには

既存床を解体した古材を利用して

可動棚が設置されます。

 

手前客席側の古足場板床も張りあがって・・

 

 

 

座敷との段差には

解体した既存の床板を再利用しました。

床下通風の部分は板が外せるようになっています。

 

数日後・・

 

 

垂れ壁が

左官塗りで仕上がってきました。

 

この部分は

大きな茅葺屋根の深い懐から生まれる

柔らかな暗がりの中に沈んでいくように

仕上げようと思っていました。

 

 

正面外部の

緑に覆われた斜面から反射する光と

内側の暗がりの対比。

 

白い壁面は

斜面の緑をまとった光で染まり、

その表情は時にしたがって移ろってゆきます。

壁が塗り終わると、

先日出逢った扉も設置されます。

 

 

シンプルにつくった受け金物で

吊り込みました。

 

厨房機器も搬入設置されました。

 

 

客席側の壁面漆喰を背景に

古材の可動棚板が見えます。

これは込み栓で固定するようになっています。

ものが置かれると

ディスプレイと収納を兼ねて

また緩やかに客席側と厨房を区切る役割も果たします。

 

他の室も順に仕上がってきています。

 

 

新しい開口が場に

新しい光と新しい呼吸をもたらします。

 

 

夏が終わる頃、

 

 

工事も大半が完了し、

眠っていたこの家も新たな目覚めを目前にして

再び息づき始めたようです。

 

 

 

 

 

 つづく

 

 前回

 

 

⇒ premdan

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『 吉川の古民家 premdan  』 | 19:30 | - | - |
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