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そんなわけで
茅葺職人くさかんむりの相良さんと
あかい工房棟梁に現況を一緒に見てもらいました。
面白い家やね〜と盛り上がりながら、
あちこち見て廻ります。
山側になる北面屋根。
小屋裏の窓も付いていて面白い部分ですが
草も生えて屋根としてはかなり傷んできています。
表面から少し奥まで、腐葉土と化しつつある状態、
でこれも茅葺屋根ならではの循環。
『屋根の上で堆肥を作っているんです。
土に返ってまた生えてきて・・』
もともと農業を志していたという相良さんの視点には
いとなみ全体を見ようとする広さと柔軟さを感じます。
30年前の改修では
この屋根は滋賀から来た職人さんたちが
琵琶湖の葦を使って葺いていました。
この辺りは山里なので
伝統的にはすすきを主に使って葺いてきました。
茎の太さも違うのでその経年変化や屋根のやせ方も違い、
屋根としての補修方法も少し違います。
ここではすすきと葦を混ぜて葺いてある所もあり、
葺きなおさずに補修するにはちょっと工夫が要りそうです。
と、相良さん曰く。
後ろの山側のお宅も茅葺屋根で
そちらは地元の職人さんが葺いたそうです。
山に沿って二つ並んだたたずまいはなんともいい雰囲気。
ぜひ残したい眺めですが・・・
こちらの家は
離れと繋ぐために先の改修時に設けた、
左手の瓦屋根と母屋の茅葺屋根との
接続部分が位置・形状的にうまく納まっておらず、
雨水が中に入る弱点になってしまっていました。
その下にある母屋の隅柱がそのためずいぶん傷んできており、
今回の改修ではここはなんとか改善したいところ。
予定外のところですが、
家が直してほしいと言って知らせてきたような気がします。
相良さん、屋根の上に上がって大きさを実測。
表面の傷み具合や材料なども合わせて診てもらいます。
茅葺屋根内部の小屋組みは
このあたりの伝統的な形式のままだったようでした。
この場所にねざしたお店を、
という想いの坂口さんには
お店をつくることだけを優先して、
安価に補修するために茅葺屋根をトタンで覆うという選択は
できれば避けたいところがあるのですが・・・。
そのために
どんな方法で茅葺屋根を直すことが出来るか。
例えば、四面の屋根の一面ずつを葺き替えていく、
それまで残りの面をどうもたせることが出来るか、
どれくらいの期間可能か・・・その費用、方法は・・。
他の部分をどういう形に直すことが可能か、
新しく何が出来るか
といったことを見出していくための、
それが大きな条件になっていきます。