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仕上げ進行中( にろうの家 16 )

現場は仕上げに向かって
いくつもの作業が同時進行中です。




外部仕上げが進み、
木製建具も設置されてきました。




こちらは母屋広縁の幅広の格子付網戸。
なかなかの迫力です。





母屋玄関からアプローチになる軒下を見たところ。
サッシの前に格子が設置されてきました。




母屋内部居間。
大工工事の済んだ箇所から
左官下塗りと塗装が上がってきています。
桐板張りの天井が
光を受けて明るく反射しています。




離れ西面。



前回検討した曲がり柱が
ちょうどよい感じで納まりました。
なかなか手がかかったようですが・・
ごくろうさまです。




曲柱が付き、
外壁の漆喰塗りと腰板張りが完了して、
ここに住まいする
齢九十の翁、媼に相応しいたたずまいが
うまれてきたような感があります。

二年前の冬の寒い日、
今お住まいの家の土間で
老翁から聞かされた話に
この地で暮らすということの何か本質的なことや
受け継がれてきた想いのようなものが滔々と流れていて、
それがこちらの心の中に注ぎ込まれるようだったのが
今も印象深く残っています。

どこまで応えられたかわかりませんが
母屋に住まいする若い当主夫妻の想いと合わせて、
この家をかたちづくる大きな導きの力になったことを、
こうして形になるとあらためて感じます。












































 
| 『 にろうの家 』 | 21:28 | - | - |
足場払い( にろうの家 15 )

外部の足場が外されました。

いよいよ完成に向かって、大詰めを迎えてきた感があります。




台風の影響で風の強い日。
青々と育った稲が風に吹かれて波のようにうねります。




母屋目板張りも完了してわびすけも塗り終わりました。



離れも外壁板張りわびすけ仕上げともにほぼ完了。




離れ入口脇の木格子にわびすけ塗り中。

そして、いよいよ
離れの軒を受ける曲がり柱をどのように使うか検討します。




型板をあてて位置を検討。



実物も実際に立ててみます。
杉の丸太梁の古材です。



どこまでをどのように使うか、寸法を決めていきます。
次回には設置されていることでしょう。楽しみです。




母屋内部。
左官の曲面壁がそのまま天井に塗りあがっていき、
北側の光を内部に導く面になります。下塗り中。




天井も張りあがってきました。



母屋と離れが並んだ外観。
ようやくここまでこぎつけました。
現場の皆さんごくろうさまです。























 
| 『 にろうの家 』 | 19:02 | - | - |
『タイスの瞑想曲』との旅

思いがけないことながら、
縁あって、
和歌山の 未来の学校をつくる会主催の
第一回目のシュタイナー教育体験講座にて、
オイリュトミーの伴奏でバイオリンを演奏することになり。
それもクラシックバイオリンの十八番(!)みたいな、『タイスの瞑想曲』。
ご存知・・・汗。(あわせてビバルディの四季 冬の第二楽章も。)

きちんとクラシックの曲を弾くのも久しぶりな感じなのですが
おかげで久しぶりに毎日バイオリンを練習することになり、
またそのおかげで予期していなかった発見も色々あって面白い・・
タイスと過ごした約1ヶ月の未知の旅。

『タイスの瞑想曲』って、
曲調は瞑想的な雰囲気ではない、甘美なメロディで
どうしてこういうタイトルなのか。
もともとフランスのオペラの間奏曲で、
舞台は古代エジプトのアレクサンドリア、
彼の地随一の美しき娼婦タイスが修道士アタナエルの言葉によって
改悛してゆくシーンの心象をあらわしたもの。
心に灯った信仰のともし火が、揺れ動きながらも
確固としたものとして立ち上がってゆくさま。
不勉強ながら初めて知る。そうだったのか。
・・・演奏者によって具体的な解釈は様々。
メロディの表面上の甘美さと
敬虔な精神性が同時に流れている曲。

作曲の意図を知って曲を見直していきます。
最初の音はF♯。
F は音階のオイリュトミーでいうと
ちょうど両手が水平に開かれて手のひらは下向き。
十字架が身体に現れるところ。
ベクトルが下向きから上向きに変わっていく転換点。
♯だし、さらに上向きかな?
やってみると背筋が伸びて
胸の奥が明るくなるような感じがあって
光がさしてくる印象もある・・。
まさにこの音とともにタイスの心の中に
今まで知らなかった光が灯ったところから、
この曲は始まっているのか・・・
という発見から、新たな世界が開けてきました。
その灯はそのまま練習の際の導きにもなったようです・・。

印象的なところに現れてくる
フラジオレット(指で弦を押さえきらず触れて弾いて倍音を鳴らす奏法)は
弾いてみると、何かが透けていくような印象があるのですが、
その感覚は、例えば、野菜に火が通って透けて
そのいのちが別のものに変容していくような瞬間にも感じられます。
これはタイスの心や行為がそのままに天上のものとして変容していく瞬間を
表しているように感じられました。

それまでの行為を振り返り、
それでも救われるだろうかという苦悩のような
揺れ戻しの嵐のような中間部を経て
最初のフレーズに戻ったとき、
始まりの音とともに自分の中に灯る光は、
いつか消える人工の灯りではなく
水平線に現れる夜明けの太陽のように消えることのない、
本来的で確かなものとして耀いている。
その確信が静かに深まってゆき、
喜びとその光に満たされてゆく至福の後半。

そして、
最後はフラジオレットの透けた2音で
タイスは行為がそのままに祈りに、
光となって
天へと昇ってゆきます・・・。


という印象が
次第にこの曲から感じられるようになっていきました。

それにつれて、
この物語の中でタイスが個人的に体験していることは、
万人に共通するものだからこそ、
言葉として説明できなくても、この曲が愛され、
今でも演奏されつづけているのだろうと思うようになりました。
つまり、いつかは誰もが自分の中にもある消えない光に出逢う、ということ。
それをこの曲を通して、
追体験するようなことが潜在意識のどこかで
起こっているのかもしれません。


当日、
演奏前にオイリュトミストの萩原史織さんと
言葉を交わしていたときに、
『さまざまなつかえを除くようにして、
オイリュトミストも演奏者も音楽を
そのままおろしてくる通路のようになるのです』
と彼女が言った言葉にはっとしました。
それはまさにタイスが行為そのまま光となる、ということではないのか。
そしてさらに言えば、昇天するのではなく、
それが地上の行為としておろされてくる、という
人のありようのことではないか。

それは別の言葉で言うと、
気功の天野先生が言われていたような、
『人は目の前にいる人に、
自然にしていれば、
必要なことを行うようになっていて、
それを愛といいます』
ということかもしれません。


そこに至って、
この曲がこの日ここで演奏される理由がわかった気がしました。
未来の学校では、
人がそのようなありようを見出し生きるようになっていくための
すべを学ぶ場となるのだろう、と。


実際のバイオリン演奏が
そこまでのことが伝わるようなものだったかどうか、
わかりませんが・・
オイリュトミーとピアノとの共演は楽しいものでした。


未来に向けたそのような場が
かたちづくられてゆくことを
よろこばしく、
その大切な日に立ち会えたことを
うれしく
思っています。
ありがとうございました。




































 
| - | 21:29 | - | - |
内部工事へ( にろうの家 14 )

内部天井工事が始まりました。

リビング吹き抜けに桐板を張っています。
上向き施工、ごくろうさまです。



天窓と北側ハイサイドライトからの光が
桐板面を明るくまわることでしょう。

吸音と調湿、
そして断熱効果も高いので
室内の体感印象をやわらかいものにするはずです。




和室天井下地施工中。
左官が入れるように、
施工ピッチを上げて天井から進めています。




外部広縁。





母屋北側外観。
主室群の南北の通風を確保するために高い位置に開口を設けています。
同時に北側からの採光も得られます。




玄関開口部の石敷居。
外壁が断熱層分ふいているので、
外へ大きくなっています。





離れ内部の大工工事も進行中。
まだまだ仕事があります。




離れの軒桁を受ける曲がりの材。
どのように使うか、
当ててみて検討していきます。



















 
| 『 にろうの家 』 | 20:02 | - | - |
茅葺古民家を見る・茅葺屋根を診る 2 ( 吉川の古民家 2 )


そんなわけで
茅葺職人くさかんむりの相良さんと
あかい工房棟梁に現況を一緒に見てもらいました。

面白い家やね〜と盛り上がりながら、
あちこち見て廻ります。




山側になる北面屋根。
小屋裏の窓も付いていて面白い部分ですが
草も生えて屋根としてはかなり傷んできています。
表面から少し奥まで、腐葉土と化しつつある状態、
でこれも茅葺屋根ならではの循環。
『屋根の上で堆肥を作っているんです。
土に返ってまた生えてきて・・』
もともと農業を志していたという相良さんの視点には
いとなみ全体を見ようとする広さと柔軟さを感じます。

30年前の改修では
この屋根は滋賀から来た職人さんたちが
琵琶湖の葦を使って葺いていました。
この辺りは山里なので
伝統的にはすすきを主に使って葺いてきました。
茎の太さも違うのでその経年変化や屋根のやせ方も違い、
屋根としての補修方法も少し違います。
ここではすすきと葦を混ぜて葺いてある所もあり、
葺きなおさずに補修するにはちょっと工夫が要りそうです。
と、相良さん曰く。




後ろの山側のお宅も茅葺屋根で
そちらは地元の職人さんが葺いたそうです。
山に沿って二つ並んだたたずまいはなんともいい雰囲気。
ぜひ残したい眺めですが・・・

こちらの家は
離れと繋ぐために先の改修時に設けた、
左手の瓦屋根と母屋の茅葺屋根との
接続部分が位置・形状的にうまく納まっておらず、
雨水が中に入る弱点になってしまっていました。
その下にある母屋の隅柱がそのためずいぶん傷んできており、
今回の改修ではここはなんとか改善したいところ。
予定外のところですが、
家が直してほしいと言って知らせてきたような気がします。




相良さん、屋根の上に上がって大きさを実測。
表面の傷み具合や材料なども合わせて診てもらいます。
茅葺屋根内部の小屋組みは
このあたりの伝統的な形式のままだったようでした。



この場所にねざしたお店を、
という想いの坂口さんには
お店をつくることだけを優先して、
安価に補修するために茅葺屋根をトタンで覆うという選択は
できれば避けたいところがあるのですが・・・。

そのために
どんな方法で茅葺屋根を直すことが出来るか。
例えば、四面の屋根の一面ずつを葺き替えていく、
それまで残りの面をどうもたせることが出来るか、
どれくらいの期間可能か・・・その費用、方法は・・。


他の部分をどういう形に直すことが可能か、
新しく何が出来るか
といったことを見出していくための、
それが大きな条件になっていきます。


























 

| 『 吉川の古民家 premdan  』 | 21:46 | - | - |
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