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| - | | - | - |
司馬遼太郎記念館を訪ねて

現場に行った帰り、
ふと思いついて東大阪の司馬遼太郎記念館に行くことにした。
安藤忠雄さんの設計で司馬さんの自邸の横、
同じ敷地内に造られた建築。
地下まで含んだ吹き抜け空間の壁面いっぱいに
上から下まで書棚があり、およそ6万冊の蔵書と著書が納められている。
その書棚を見たいと思って。

高速を降り、町工場や住宅が密集する
庶民的な雰囲気の街を進んで
道路から少し脇に入った住宅街の中にその記念館はあった。
小さな雑木林のような自邸の庭を進み、
執筆時のまま保たれた書斎を外から眺める。
蔵書が沢山ありそうだがきちんと片付いていて
ゆったりとしているが贅沢な感じのない、
落ち着いた雰囲気の室内。
鉢植えの菜の花が庭のあちこちに咲いている。
曇り空で小雨が降ったあとの庭は濡れて
空気がどこか清々しい。

記念館は
木の高さくらいの
曲面を描くコンクリート打ち放しの壁面に沿って、
スチールとガラスで囲われた
狭すぎず広すぎない幅の半屋外のアプローチを進んで中に入ってゆく。
曇りの光がよく合っている。

内部空間は写真で見知っていた通り、
プランも空間もよく出来ていると思う。
だけど来てみて、
写真ではわからなかったことに出逢った。

それは澄んで清々しい爽やかな空気感というか、
光、又は風のようなもの、
そしてほのかなあたたかさが
その場にはあるということだった。

それは司馬さんの書いたものやその人物から
受ける印象と似ている感じがある。

それが何処から来るのかはわからない。
建築からなのか、
展示された書物や映像や言葉からなのか、
丁寧で控えめな印象で、
司馬さんへの敬意と愛情を感じさせるスタッフの人たちからなのか、
自邸からなのか、なにからなのか。

言葉を変えると
司馬さんの存在というか意識が
今もそこに息づいているような印象で、
それに直に触れているような感じを受ける。

司馬さんが歴史を通して小説を書くようになったきっかけは
戦争に行って、その不毛さにどうしてこんなことを
始めたかと、疑問をもったところからだという。
戦争という行為に疑問、又は違和感を感じた、
ということは、
自分の中にそれを選択しない別の可能性、
別の社会や世界のありようを開いていく人間の可能性を
感じとったということではないだろうか。
そしてそれを歴史上の人々の中に見出して、
それがどのような形で実現されたのか、又されなかったのか、
掘り起こして小説という形に現した。

その作業を支えたのは
人の中の善き可能性を信じる心と
それに出逢うよろこびだったのではないだろうか。
そこから生まれるあたたかなまなざしを
歴史上の人へも、今生きている人へも常にむけていて
それが司馬さんからやさしさとして感じられるもののような気がする。

司馬さんが見出した可能性を
それぞれが自分の中に見出していくこと、行為していくことが
今ほど重要になっているときもなかったかもしれない。
そして、自分はそのようにあろうと思った。


そんな想いを導き出す風が
この場所には吹いている。




































 
| - | 20:33 | - | - |
臼杵春芳・応本哲司2人展 

ギャラリーりほうにて開催中の
臼杵さんと鍛鉄作家の応本さんの二人展に行ってきました。




今回、
見ものはこの大テーブルでしょうか。
中央が炭用の囲炉裏になっていて、
鍛鉄の五徳や
鍋置き台がついています。
鉄の色揚げに
漆を焼き付けた仕上がいい雰囲気です。
昔は武具などにこの方法を使ったそうですが、
今はほとんど絶えた技法。
絶えさせるのは惜しい、と思わせる質感。
数年錆びさせて表面を荒らした鉄の表情が活きています。
焼き付けているのは臼杵さんが自らかいた漆。
このお二人ならではのコラボですね。
(作業の様子  )


臼杵さん、
去年の終わりごろに体調を崩して入院されてましたが、
もうすっかりお元気そうでした。
ちょっとスリムになって削ぎ落ちた感じ。
今年の夏頃にはあやうたの家に引っ越す予定だそうです。
新たなくらしと創作が始まりますね。



りほうさんの展覧会は 2/1まで。
作品を見た後は美味しいコーヒーもいただけます。
お店の家具も臼杵さんの作品です。

カフェ&ギャラリーりほう 

京都府京都市左京区北白川東蔦町24-3
075-721-2628
(水曜休み 最終日17時まで)



































 
| - | 11:36 | - | - |
寒中工事 ( ましこの家 5 )

工事が進行中の現場、
施工の星居社 高田さんより。




現場は現在、最低気温−7度。
その寒さの中での
基礎コンクリート工事になるため、
写真のようにシートを3重にかけて覆いをつくり、
中に200W電球数灯と練炭などで発熱して
夜間の温度低下を防御します。
防凍剤も使用してコンクリートが硬化するまでに凍結するのを防ぎ、
硬化中の極端な温度低下を防いで、強度に影響が出ないように養生しながら
進めていきます。

ごくろうさまです。






















 
| 『 ましこの家 』 | 21:30 | - | - |
竹小舞 ( にろうの家 5 )

年明けの現場では
今日から左官屋さんが入って
土壁下地の竹小舞編みが始まっていました。




平割りの竹を
縦横の間渡し竹にしてつけています。
昔は丸竹を使ったそうですが、今はもう手に入らないとか。




最近はあまり小舞をかくこともないそうですが、
体が覚えているのか慣れた手つきで
交互に縄を通しながら進んでいきます。




わら縄で編んでいます。
引っ掛けて長さを決めてカットし、
腰からぶら下げて結んでいきます。




山積みの平竹。
二軒分ありますから結構な量です。




編めてくると網の壁が出来てきます。
透かして見えてなかなかきれいです。

平行して大工工事も進んでいます。




素敵に幅広な鴨居が
立てかけられています。

広縁側の引き込み建具、
ガラス戸と格子付の網戸がここに入ります。




鴨居より左の軒下が縁側です。
これだけ広い縁側を設けることは
最近ではなかなか無くなりましたが、
目の前の田んぼとつながって、内外の間を結ぶ
気持ちよい豊かな空間になりそうです。




現場にいる間にこれだけ竹小舞が編めてきました。

母屋も離れも
屋根工事はほぼ完了しています。




離れの方は
軒桁より先が鋼板葺、それより上が瓦葺です。



出桁と挟み腕木。
Rにカットした腕木の鼻先は
軽やかで柔らかい印象を与えてくれます。
深い軒下は気持ちいい空間です。




冬の間に竹小舞を編んで、
春先から左官作業が始まります。
それまでに全体の大工工事がもう少し進んでいきます。
中間検査も無事に済んでひとまず一区切り。

現場のあたりは今日(14日)がとんど焼きで
現場の横を流れる川原では
正月飾りを燃やしている村の人たちがいました。
街中ではなかなか見られませんが、
風情があってよい光景でした。






































 
| 『 にろうの家 』 | 20:48 | - | - |
基壇 ( ましこの家 4 )

柱状改良が終わって、
現場では基礎工事へむけて、
砕石地業が完了しました。




地形の斜面に沿って
階段状に上がっていきます。
この上が基礎になります。
周囲は根入れ部分で深くなっています。




遺跡?古墳? 



登り窯でもできそうです。
陶芸家の家らしいですね。




最上部から見渡す郡司さん。なかなかよい眺め。



前面道路を越えて
西側に見える向かいの山。いい環境です。

澄みわたって晴れた空が美しい。
今日は朝から現場で基礎の下に炭を埋めました。
しんと冷えた静かな空気の中、




清清しく、明るくよい日に
無事に終えられてよかったです。
ごくろうさまでした。




すぐに埋め戻して次の作業に備えます。
このあと、

基礎工事が本格的に進んでいきます。



基壇状の造形、
なかなか美しいです。
直線の人工的な造形でありつつ、
地形の斜面の中から
掘り出されてきたかのようで、
この場所と馴染んで見えるからでしょうか。

湧き出した泉の水が溢れて
段々の滝になって流れている光景も
思い浮かんできました。

ここでの
くらしとものづくりのいとなみが
そうなっていくかのように。





















 
| 『 ましこの家 』 | 20:32 | - | - |
あけましておめでとうございます

2015年 あけましておめでとうございます。

京都は元旦から
久々に雪が積もった白く明るくて静かな年明け。
息子門の初めてのお正月。
久美の実家からのお祝いの鯛を三人で頂きながら、
気がつけばあっという間に過ぎた濃密な九ヶ月分、
大きくなって、まだすくすくと
大きくなろうとしている姿を見るのは
単純にうれしくてよろこばしい。親になって初めて知ったよろこび。
間近でいのちが育っていくのを
こうして日々見て関わっていると、
色々なものごとをいのちの側から見るような視点が
あたりまえのようになってくる感じがする。
安心してのびのびといのちが育っていくこと。
そんなことを指針にすると、
日々のくらしも設計という仕事も諸々も
過たず又楽しく進んでいけると感じる
新年の日。








































 
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