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石の柱 ( ましこの家 3 )

現場では
基礎工事に先駆けて
地盤を補強する工事が始まりました、
と施工の星居社・高田さんより報告。




この敷地は
建物の重さを支持出来るほどの
充分な地耐力が地面の上の方にはないので、
支持できるほど堅い、地中下の方の地盤に
荷重が届くようにする、
柱状改良という工事を行います。




4mほどの深さに支持地盤があり、
そこから柱を数本立てて建物基礎を受け、
建物の荷重をそこに流す、という形です。




この柱の部分を
鋼管の杭を打ったり、
コンクリートを流し込んだりすることが多いのですが、
ここでは砕石を詰めて柱状にする工法を採用しました。
ちょうど地中に石の柱が
何本も立っているような感じです。
地中に遺跡が埋まっているようですね。




穴を掘ったそのあとに砕石が
圧をかけながら詰められていきます。

地表には砕石の円しか見えません。
土壌汚染もなく、産業廃棄物にもならず、
水はけをよくしたり、と
今までの工法にはなかった長所があります。




森の中で
屋根に軒樋をつけられない(落ち葉ですぐに詰まってしまう)ので
屋根からの雨水を雨落側溝で受けますが、
その水をこの砕石柱を使って地中に排水する、ということも
可能になりました。


















 
| 『 ましこの家 』 | 13:33 | - | - |
離れ棟上 ( にろうの家 4 )

今日、
母屋の北側に平行して建つ離れの棟上げが
ありました。

現場は今年一番の冷え込みだったとか。
寒風吹きすさぶ中、ごくろうさまです。




離れは
こじんまりとした平屋です。
おじいさんとおばあさんが住まわれます。




しっかりと低くした軒の高さが
安定感と親密で落ちついた雰囲気を醸し出しています。
玄関入口の前は軒の出を深くしてあります。
上では垂木を架け渡す作業中。




手前の低い軒は玄関に続く縁側。
奥の方は倉庫や作業場で軒高を上げています。




軒高を上げた倉庫側の方は
軒の出を深くするために腕木を出して
出桁を架けています。




柱を挟んで二重になった腕木。



玄関を入った土間上の梁組。
これまでの慣習からここが生活の中心になります。
太い柱の上に十字に梁を組んで架け渡しています。




和室の上。ここは天井の中に納まります。

昨日の雨や今日の寒さもなんとかしのぎ(!)、
順調に又無事に、
ここまで作業が進んできました。
現場の皆さん、ごくろうさまです。​


手前の方では母屋の工事が進んでいます。
瓦屋根が葺き終わっています。




整然と葺かれた瓦屋根からは端正な印象を感じます。



内部。



屋根同士の棟が
直行して接している、谷木部分の見上げ。

リビング上の吹き抜け。




ガラス瓦の葺かれた天窓が出来上がってきました。



内部の柱梁にわびすけ塗りの塗装が進んでいます。



東西を一直線に抜ける空間。
母屋内部には
高低、大小、長短、広狭など
様々な空間ボリュームの変化と対比があります。



二棟並んだ外観。



田んぼから見た母屋。



シートが外れる日が楽しみです。























 
| 『 にろうの家 』 | 20:10 | - | - |
地鎮祭 ( ましこの家 2 )

一緒に敷地を見てから数ヶ月。
設計がまとまってから
紆余曲折ありながらも
ようやく着工を迎えられることに。




明朝の地鎮祭を前に敷地を訪れます。
朝から降っていた雨が次第に上がり、
辺りは清々とした空気が漂ってしんとしています。
建物にかからない分を残して梅の樹々は伐られ、
場が新たにかわるために空きました。

明日12日の地鎮祭の後には
炭を埋めて土地を整えます。


翌朝。
近くの鹿島神社から宮司さんに来て頂いて、
地鎮祭は滞りなく無事に終わりました。
ほっと一息のお二人。




引き続き、
敷地に炭を埋めていきます。
きれいな矩形を炭で描いていくような作業です。





描かれた図形から
私たちは何らかの印象を受けます。
それは形がはたらきかけてくる力です。
円、四角形、三角形、
尖った形、柔らかい形、整った形、歪んだ形・・
形はそれぞれの性質にそったはたらきかけで
周囲に影響を及ぼします。

土地の上にひいた境界線も形です。
人の様々な都合でひかれた境界線は
その形状が生み出す性質をその土地に与えています。
大地はいのちを育む場ですが、
望まずしてそうではない性質を持ってしまうこともあります。

その形を整え直して0に戻すような作業がこの炭埋めです。
その土地が自然本来のありように戻って、
これからそこで始まるいとなみが
いのちの豊かさの上に展開していくように。
人が人のためにする行為ではなく、
大地と共なるいのちを生きていきますという、
人から大地へのはたらきかけ。




沈黙の裡に
静かな緊張感を漲らせた炭埋が終わると
その場が緩んで穏やかに、
また少し明るくなったような印象に。
皆口々によかったね、と。
郡司夫妻、高田さん、海老原さんごくろうさまでした。

・・と、掘った穴をよく見ると粘土層が。




それもちょうど家の建たない範囲です。

早速掘って触ってみると
すぐにでも使えそうな粘土と
いうことがわかりました。





なんだか、
彼らがこれからここで始めるいとなみを
歓迎します! と
この土地が言ってくれているような気がして、
とてもうれしかったのでした。






























 
| 『 ましこの家 』 | 22:01 | - | - |
火と水とくらす

82号 火のある時間の過ごし方

今発売中の チルチンびと に
『かばたの家』が紹介されています。


出来上がった家での暮らしぶり、
おくどさんでご飯を炊いている様子や
かばたの水を使っている様子などが
うかがえて面白いです。


活き活きと暮らされている様子を
見られるのは、設計者として
とてもうれしいことです。




















 
| - | 21:25 | - | - |
風の歌 コンサート&ワークショップ

この週末(もう一週間前!)
協奏の吟遊詩人 風の歌 のコンサートとワークショップがありました。

この夏から毎月一回、上門前の家で
鍋島久美子先生による響きを楽しむ会ワークショップを通して
私たちも『風の歌in京都』としてハーモニーを練習中。

東京の先輩方の響きは
ぶれることなく、密度ある、繊細な美しい響き☆

お互いを聴き、響きあっていくなかで
それぞれの個性が立ち上がり活かしあって
全体の像が生まれてくる様子は
とても豊かで美しい光景です。
賛美歌やクリスマスにちなんだ選曲はその響きの光景に
とてもふさわしいものでした。




今回は京都メンバーも
We wish you a merry christmasで参加。
東京の先輩方に混じって必死(笑)で響き合わせました。
普段、自分たちだけのときよりも
ゆるぎない美しい響きに参加できたのは
みんなにとってすばらしい体験でした。


客席で聴いている間も
半年間響きのワークショップに参加してきたからか

瞬間瞬間の響きを捉えようとする聴き方に、
気がつけば自然になっていたようです。



翌日は
上門前の家で響きを楽しむ会のワークショップ。
鍋島久美子先生のピアノ即興コンサートと風の歌のミニコンサートもあって
とても盛りだくさんな内容。

この季節と場所の印象を想いながらと
弾き始められた即興ピアノ演奏は、
冬の光に満ちた室内の穏やかさ、
そこにいる人々と響きあって豊かでした。
星々の間の花畑を巡っているような・・。
(・・縁あって上門前の家にやってきたピアノの
ここでの幸せなコンサートデビューになりました。)

ワークショップには
はるばる九州から来ていただいた方がいたり
初めての参加の方もあって、
皆さん、響きの体験を楽しんでおられました。
どうもありがとうございました。



鍋島先生はじめ、風の歌の皆さん、
豊かな時間をどうもありがとうございました。
人見さん、こだまちゃん、スタッフの皆さん
どうもごくろさまでした。
濃密な二日間、ありがとうございます!




















 
| - | 02:22 | - | - |
瓦葺 ( にろうの家 3 )

快晴の現場では
瓦葺工事が進んでいます。




瓦が葺かれてくると、
屋根にどっしりとした量感が出てきます。
姿がはっきりとしてきました。
向こうの山の続きのように見えます。




北側。
屋根が入り組んで複雑ですが、
作業は順調に進んでいるようです。

ルーフィング下地の見える下屋屋根は
板金葺きで軽く仕上げて、対比をつけます。





屋根と屋根が出会って谷になっています。
ここは納まりの難しいところ。




谷の部分は板金でつくる樋のようになります。
両側の屋根から下りてくる雨水がすみやかに
流れていくように。
この下には受けをつけて水をさらに下の樋まで導き、
下屋屋根で水が飛び散らない様にします。




谷に接する部分の瓦は
どうしてもカットするために小さくなるのですが、
手前だけでなく、奥のほうまで瓦が届くように
加工してあります。




そうすることで
瓦を据えるための漆喰を手前の方ではなく、
写真のように少し奥に置くことができます。

漆喰が奥にあるほど、
谷を流れていく雨水に触れることなく、
中に水を呼び込むことをしないので
屋根が傷みにくくなります。
雨漏りしなければ、中の構造もまず安心です。




外から見ただけでは、一見わかりませんが
そうした工夫があってはじめて
このような形の瓦葺屋根も成立していきます。
こうしたことは図面ではなかなか描けないものです。
これはここの親方の工夫で、現場の職人さんたちの
長い経験があってこその納まりですね。




棟瓦の施工中。
銅線と釘と漆喰で固定していきます。




棟瓦の下には通気棟を入れて、
天井内の空気を通気させます。




一部をガラス瓦葺にして
天窓を設けます。ちょうどリビングの上です。




内部では柱の間に貫が入れられています。
土壁下地の竹小舞を留めるための
下地になります。




架構がそのまま
仕上の意匠になっていきます。




和室の床下地杉板を施工中。



濡れ縁の部分。

屋根の鼻先。
ちょっと見にくいですが、
屋根上通気層を設けています。




下屋のない外壁周りには
庇がついています。




庇の出を確保するために
腕木を出して、
そこに出桁がのっています。




コーナーでは
庇同士が高さを変えて出逢います。
片方の腕木がちょうど
もう片方の庇の垂木を受けています。
この庇があれば、家の周りを
雨の日も濡れずに歩くことができます。























 
| 『 にろうの家 』 | 21:53 | - | - |
普通ということ

よく、普通がいいよね、
というときの普通とはどんなことだろう、と考えてみる。

平均的な、目立たない、行き過ぎない、偏らない、
そんな意味合いが込められているように思える。

少し踏み込んだ、
積極的で理想的な捉え方をしてみると、
バランス(均整)がとれている 
とも言えそうだ。
そこには、普通がもたらすであろう、
(また無意識のうちに期待されているであろう)
ある種の普遍的な安心感が湛えられている。

バランスという考えにたどり着くと、
それは人によって違ったものになりそうだという想像がつく。
例えば、個人の印象なら体質や性別や個性などによって、
それぞれのバランスポイントは千差万別のものになるだろう。

しかしそのバランスは他の人が見たときに
偏った印象や過ぎた印象になっていると、
普通とは感じられない。
そのバランスポイントが他の人にも共感されうる、
なにか普遍的なところに根ざした上でのものであることが肝要だろう。

そう考えてくると、
普通ということが、
よく陥りがちな、周囲と同じ、皆と同じ、一般と同じ、といった、
感じることなく、思考することなく、受動的に与えられるもの、
というような消極的ものではない、
という認識が開けてくる。

普遍に通ずるまで、
感覚を研ぎ澄ませて感じ、堕することなく思考し、
その上にバランスを一瞬一瞬とり続けているありようを
普通 というのではないだろうか。


























 
| - | 23:40 | - | - |
茅葺民家と屋根下地中の現場 ( にろうの家 2 )

今日は現場に行く前に
展覧会中のつくも窯さんを訪ねます。

その途上で見つけた小屋。




石と土を交互に積んだ腰壁と軒の低い瓦葺切妻屋根。
いい感じ。


つくも窯さんは
山の上のお寺の境内の一画にある茅葺の民家。




今年の春に葺き替えが終わったそうで
端正で気持ちのよい稜線を見せています。




蓑甲のついた曲線の破風によく見るとステンドグラス付。
棟の根付の竹のせいか、どこか生き物のよう。

築60年だそうで中もなかなか良い雰囲気。
住人の陶芸家、十場天伸さんが楽しんで住まいしている感じが
よく伝わってきます。作品もお人柄も素敵でした。(
囲炉裏端で頂いたチャイ、美味しかった。どうもごちそうさまでした。
写真無いけどロケーションもとってもよかったなあ。


現場の方は
屋根の下地が出来上がってきています。
家のシルエットがわかるようになってきました。




田んぼの前のこの家、
昔ながらの民家がそのまま今の時代に
進化してきたらこんな感じになるのかな、
という風に、出来上がっていく予定・・。




吹き抜けになる部分の梁。
右側の開口はそのままハイサイドライトになります。



中は床の下地組が進んできています。

















 
| 『 にろうの家 』 | 01:30 | - | - |
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