午前中、
仕事に行く前になんちゃんが上門前の家に
二つの花束を届けてくれた。
一つは
3日前にこちらにやってきた、
スタッフのくりくりとともこさんの赤ちゃんと
親になった二人のために。
もう一つは、
3年前の今日、
旅立っていったリラのために。
今日の午後、久美と門と僕、
そしてくりくりと一緒に、ともこさんと赤ちゃんに
逢いに行くことになっている。
去年の今頃、なんちゃんと久美といっしょに
リラの海へ行った時には、
一年後にこんな状況になっているとは
想像もつかなかった。
でもタイミングよく届いた
百合(天)と薔薇(地)の花束は、
見えないけれど確かに巡っている、
いのちの循環を暗示し、
思い出させるようでもあった。
なんちゃん、ありがとう。・・・リラ、見ている、ね?
母親になったともこさんは
余計なものがことごとく落ちて、
野性と母性が目覚めたようにきらきらと存在していた。
生まれたばかりの赤ちゃんは、とにかくかわいい。
まだどこかに胎児の印象を残しながらも
この世界に慣れていこうと必死な様子に胸を打たれる。
生まれて3ヶ月経った門と並んでいると、
その間にどれだけの成長と変化があったか、
その大きさに驚く。
全力で生まれて来て、全力で育っていく・・。
門が生まれた日から今日までのことを、
新しくやって来た赤ちゃんを見ながら、
僕も久美も想い起こして振り返っていた。
お母さんによく似た赤ちゃんは
しっかりしてどことなく愛嬌のある面白そうな人のように見えた。
お父さんになったくりくりに抱かれている様子を見ていると
この二人の元へこの子がやって来たことに
とても納得がいく。喜ばしいこと。
そしてそれはどの子と親の間にもあることなんだと思う。
大人になるにつれて忘れてしまうけれど、
全ての人はそうした理由をわかって生まれてくるのだろう。
写真を撮るために、
赤ちゃんを抱いたお母さん二人に並んでもらった。
そこにはなんともいいようのない、
平和と愛と幸せが溢れ出ていた。
こんなに素敵で平和な光景があるんだ。
今日、逢いに来れてよかった。
どうもありがとう。
ようこそ、この世界へ。どうぞよろしく。