この7月、京都での個展を終えた臼杵さんは土壁下地の竹小舞をかくために現場に入りました。
およそ1ヶ月間、泊まり込んで
竹小舞を仕上げてしまおうという予定。
私たちも7月の頭、
ほんの1日半ばかりですが、手伝いに行きました。
家の方は野地板が張られ、
ガルバリウム鋼板葺きの屋根が完了しています。
軒下に竹を用意し、
編んでいく為のシュロ縄がぶら下げられています。
まず最初に
縦横のエツリ竹(ここではしの竹)を柱と土台・桁、梁の穴に差し込み、
それを貫という柱間を繋いでいる板材に釘で固定し、
そこに小舞竹をシュロ縄で結わえていきます。
まずは縦の小舞竹をかいていきます。
シルエットが美しい。
周囲の緑によく合います。
7月の日差しは強烈です。
屋根が焼けてくると、その輻射熱で屋内も暑くなってくるのですが・・。
ここでは屋根の下に設置した通気層が
なかなかの効力を発揮して、かなり暑さを防いでくれました。
垂木と野地板が二重になっていて、軒先の開口から入った空気は
温められて上昇し、そのまま・・
この棟の換気口から抜けて行ってしまいます。
夏場の屋根面からの輻射熱が防げると、
かなり室内の温度が変わることを如実に体感しました。
木だけで組まれた軸組は、
このような景色の中、違和感なくよく馴染んでいます。
吹き抜けの上で十字に組まれた太鼓梁。
さらにその上で登り梁が合掌に組まれ、
間を桁と骨梁が一体になりながら繋いでいきます。
屋根面は登り梁と母屋と野地板が一体になって固められています。
スタッフくりくりは元左官職人だったので
竹小舞をかくのも手慣れているはずと、
臼杵さんの大きな期待を受けていましたが・・・
横の小舞竹を結わえ始めると、
シュロ縄を細かい編目の間をくぐらしていくのがなかなか
やっかいになってきます。
手先の器用さと手の大きさ(小ささ)が問われるところ。
『元左官でも関係ありません(汗)』
二人組になって、
裏表から縄を渡して編んでいくと速いようですが・・。
臼杵さん。縦だけを結わえている間はまだやりやすい。
しかしこういう姿がさまになりますね。
1週間手伝いに来ていた木工家の田中さんが
テキパキと竹を切ってくれます。
・・・という感じで
想像以上に(?)進まないうちに、一日目は過ぎていきました。
(つづく)