昨日から風邪をひく。鼻風邪。
スタッフの間でちょっと流行っていて、うつったかな。
夕べはこの機会に、と、
鼻をかみかみ、野口先生の『風邪の効用』を読み、
背骨の呼吸を試みたり、気功をやったりして、「経過を促す」と、
なんだか効果があったみたいで、大分楽になって寝た。
体験中に読むと内容がとってもリアルに入ってくるなあ・・。
さらりと重要なことを書いてあって、え、何!?となる、
とっても面白い本です。
今日も少し引きずってはいるけど、昨日よりかなり経過できたようだ。
午後から久美の提案で、
最近気温が下って大分色づいてきた紅葉を見に、
スタッフみんなで近所の大徳寺高桐院に行くことに。
案の定だけど沢山の人で賑わっている。
門をくぐると、
竹林の間の苔庭を貫く、石敷の巾の狭いアプローチ。
緑との対比で、色づいた葉の紅、橙、黄色がとてもきれいに見える。
薄曇と、竹林の薄暗がりのお陰で、
葉を透過した色付きの光が、
苔の上や行く人たちを
うっすらと光の色に染めているのがよくわかる。
天然のステンドグラスで出来た天蓋の下を歩くようだ・・・。
奥の方に向かって、
段々明るく広くなって色が増えてくる変化のさまも
気分を盛り上げてくれる。
この色を浴びているのが、なんだか気持ちいい。
周りの人もみんなどこかしら高揚しているのは、そのせいもあるのかしらん。
土塀も苔屋根もうっすらと色づいて染まる。
和服はこういう光景には馴染みますね。
中も沢山の人がひしめいていて、
みんな紅葉を愛でて高揚している。
何だか、観光気分(笑)。
庇の深い建物の中は薄暗いので、
その分、先と同じように外の紅葉越しの色つきの光が
人や畳の上や壁を染めているのがよくわかる。
この季節だけの色付きの世界の中をふわふわと浮遊するような、
楽しい気分にみんなが染まっている。
こうやって沢山の人の中で紅葉を見るのも悪くないなと思う。
笑顔できれいねといい、写真を撮り、そぞろ歩き、眺め、
と人それぞれに喜ぶ様子に、
紅葉した木々もどこかうれしそうな感じがあって、
双方にコール・アンド・レスポンスが交わされているような気がする。
それが沢山の人がいるほうが、より明るく、楽しげに
より高揚感が感じられるから。
ほんのり紅をさしたように見えるお互いの顔や光景に、
どこかほろ酔いも連想するのかもしれない。
土壁もほんのり染まっております。
幽玄な茶席にも紅の薄明かり。
・・・でも目に鮮やかで、くっきりした印象の爽やかな気分。
枝葉が色を空間に広げていくのに合わせて、
こちらの気持ちも伸びてゆきます・・・。
という訳で、今年の紅葉をありがたく堪能しました。
締めはあぶり餅。京都はええとこやな〜。
紅葉の高揚の効用(笑)か、
風邪もだいぶ行き過ぎたようです。
・・・ほんのちょっと歩くと、
普通の住宅街が現れてきて、先ほどの光景や一画が夢のよう。
同じ地面の上でも、
先人があのようにお寺と庭として造ってくれていたおかげで
こうして人と自然が交流したりできる場所になっていることに気がつくと、
あらためて感動しますね。