町家を改装したインド料理店、
ラトナカフェさんは我々夫婦が随分以前から、
時折食事に出かけている、
数少ない(笑)お店のうちの一つです。
バックパッカーとして長くあちこちを旅されてきた
ご夫婦お二人の気さくなお人柄と
きれいなお味の料理(僕らは”薬膳カレー”と呼んでいます^^)が好きで、
長らく通ううちに、親しくなり
改装の相談を受けて、今回の工事に。
まずは『キッチンをオープンにしたい!』
確かに町家のトオリニワをそのまま利用したキッチンでは
暗いし冬場は特に寒いのです・・・。
(・・町家暮らしが長いのでよく分ります、その感じ。)
客席の方は明るそうなのですが、
お店の人が気持ちよく働けてこそ、
全体の雰囲気もよくなるというもの・・。
お店に限りませんが、
場所と人が途切れずに一体になって動いている様からは、
何だか調和がとれて
エネルギーがうまく流れているなあ、と感じます。
そういう場所はいても気持ちいい。
・・ここもそうしたいね(^0^)!
お客としても調理の様子が見えるのも楽しいし、
会話をする事も出来ますから
その提案には大賛成です。
ほら、今は客席側とキッチンではこんなに
明るさや雰囲気が違います・・。
そこで、
この間の壁を抜いて、二つの空間を繋げます。
小舞下地の土壁です。
客席側からは見えませんが、
壁の中に柱が半間毎に立っています。
キッチンの中にも光が差し始めてきました・・。
柱がずっと上の方まで伸びているのが見えます。
通し柱として屋根まで直接伸びて荷重を受けているのが
町家の造りの特徴の一つです。
壁がとれたところ。
空間が一繋がりになりました・・。
長い年月でこのような古い家の柱の足下は大抵傷んでいます。
今回はこの根継ぎまでは出来ませんが、
この柱の負担をサポート出来る様な形状を
新たに付加する部分の意匠として設計しました。
それがどんなものかは
現場の進み具合で出来上がってきた様子を
又見て頂こうと思います。
そちらをお楽しみに。