岡本さんより、
ついにポシェットバイオリンのニュータイプが完成したとの連絡が入る。
世界初の新楽器(!)を上門前で密かにお披露目してもらえることになった。
瓢箪(ひょうたん)がボディから生えている・・。
バイオリンは21世紀の極東の国で、
かつて誰も予想しなかった姿に進化(?)した・・!
正式名称は
「カーボン/ケブラー ラウンドバック ポシェット フィドル
+ヒョウタンツギ レゾネーター付き」
または「瓢箪(ヒョウタンツギ)レゾネーター付き カーボン/ケブラー ラウンドバック ポシェット フィドル」。
長い・・。作者曰く、略称では「ひょうたんつぎ」と呼ぶそうな。
手塚治虫の漫画でおなじみのキャラクターの名前である。
ウードやサズーを想わせるアラビア風のサウンドホールの開いた瓢箪共鳴胴。
みつえちゃんのお祖父さんが作った瓢箪はこのような姿でお役に立っています。
運命とは分からないものですな・・。
瓢箪はこのようにボディにジョイントされ、取り外しも可能。
瓢箪の向きは演奏に邪魔にならないように角度をつけて調整されている。
全体がどこか昆虫を思わせるような有機的なフォルム。
肩当もまるでオリジナルで合わせて作られたように見えるが、
これはドイツ製のバイオリン用の製品らしい。
作者自ら演奏する。
弾いているときは、裏側のメカニックさが見えないので
瓢箪の丸さが際立って、案外かわいい印象。
出てくる音もなかなか柔らかくてかわいらしい印象だ。
試しに弾かせてもらうと、
低音弦の鳴りはやはり瓢箪に共鳴してよく響くのがわかる。
カーボンのボディは木のボディに比べるとあまり癖がなく、
整った響きに感じられる。調整しだいでまだまだ鳴りそうな気配もある。
聞くところによると
中の魂柱の位置を微妙に変えたり、
弦をかけている駒の大きさを普通より大きくする調整をしたり、などなど
きちんと音が出るまでに様々な工夫や調整をしたらしい。
様々な装置がボディにくっついているし、世界初の楽器だから
参考になる指針がなく手探りでなんとかここまで漕ぎ着けたそうだ。
しかし、手探りにしては調整する根拠がそれぞれ理論的で筋道が通っていて、
さすがと思う。
ひょうたんつぎ と ポシェットフィドル と バイオリン。
弾き比べて見ると、
ひょうたんつぎが一番繊細で可愛い音で、どこか古楽器を想わせる響きがある。
ポシェットフィドルはボディの小さな印象からするとかなりよく響き、
高音の鳴りがとても良い。ボディの大きさに合うのだろうか。
バイオリンは高低音ともによく鳴って、フルボディのワインのよう。
それぞれに個性があって面白いものだ。
試しに弾いたり、なんだかんだと話したりていると
色々な可能性や思いつきが笑いと冗談に包まれながらあちこちへ飛び交う。
これはまた何か新しいものが芽生えてくるかもしれませんね〜、岡本さん。
このひょうたんつぎ自体もこういう会話から始まったのだ。
それがこうして現実のものになると、何だか感慨深いものがある。
とにかく、世界初の楽器、
「カーボン/ケブラー ラウンドバック ポシェット フィドル
+ヒョウタンツギ レゾネーター付き」
または「瓢箪(ヒョウタンツギ)レゾネーター付き カーボン/ケブラー ラウンドバック ポシェット フィドル」
完成おめでとうございます!
そのうち岡本さんの楽器ばかりを集めた展覧会かライブをやりたいですね〜、と
盛り上がる。きっととんでもないことになりそうだ・・。
楽器の詳細について→
岡本さんのHP