栗の無垢材を使って、住宅の玄関扉をつくる。
製作をお願いした木工家の臼杵さんとお施主さんと
一緒に奈良まで材料を見に来た。
樹齢100年は軽く超えているだろう、栗の一枚板。木目も美しい。
出来上がりの姿を想像してみるに期待大。
水等には強いから外部周りでも問題ない。
ただ栗はかなり暴れん坊の木。どうやって落ち着かせるか。
今の時点でもかなりの反りが見える。
反りやねじれを吸収する為に
一度2枚に割って継ぎ直し、上下を端食とする形を考えている。
古建築で使われた形式だ。
臼杵さんと話して色々問題点を検討する。
せっかく奈良にいるのだから、と
参考になりそうな扉を探して唐招提寺に向かう。
境内を経巡るうちに、
まさにそのものの形の扉を発見。
実物を見ると問題点がはっきりする。年月を経ているものだからなおさらだ。
色々なアイデアを出しながら、栗の扉を実現させる方法を考える。
おおよその方向が見えて来たので、これで図面を製作してみることに。
あの栗の板に新しい命を吹き込みたい。
出来る限りその木の品格に相応しい姿で。