芦屋に
フランク・ロイド・ライトが設計した住宅
がある。
もう随分以前に行ったっきり、久しぶりに訪ねてみた。
山の中腹、斜面に沿うように作られた家。
階段を上がると意外なところに導かれ、思いがけないシーンが広がって
飽きさせない。あっちにいってみよう、こっちにいったらどうなる、
という感じ。通路と部屋のボリューム変化は緩急が効いているし、
人の集まる場所には親密な雰囲気が感じられるスケール感がある。
しばらくウロウロしているうちに、こういう印象の場所に行った事があるな、
と思う。・・・屋上テラスの階段を降りているときに思い出した。
これは山の中を歩いている時の印象と同じだ!
細い道の間を登ったら思いがけない景色が見えたり、
適度に身を隠す場所があったり、
開けた広々した場所にのびのびした気持になったり・・。
歩いているうちに、山歩きの時の陽の香りや風を感じた。
家の中だけど野にいるような気持がする。
山の中の棲み処。
そんな印象を受けた。
人工で自然を感じさせるなんて凄い事だと思う。
・・とても西洋的な創り方だとも感じるが。
それは例えば、ベートーベンが鳥の声や川のせせらぎから
『田園』を作曲した意識と似ているのではないかな、
と思う。