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夢見の家 1

 

昭和初期に建った家のリノベーション工事が

この週明けから始まりました。

 

 

解体工事に先立って

レベルを出している櫛谷建築のひろくん。

 

後からの改修の手は加わっていますが

なかなか趣のある家です。

工事前の様子。

 

 

中廊下がまっすぐ家の中を通り抜けて曲り、縁側になって

L字型に部屋を囲む特徴的なプラン。

 

はじめて伺ったときには、

玄関から見えるその廊下突き当りの壁面に

側面から光が差し込んでいるさまが

実際よりはるか遠くの光景のように見えて印象的でした。

 

 

タイル張り流しの付いた厨房兼食堂。

 

 

板戸のついた天袋収納と障子。

多くの食器などが入っていたのでしょうか。

 

 

1階座敷。

床の間も違い棚もついています。

 

正面の南縁側開口2間半ほどには、

今は途中に新しく補強柱が入っていますが、

元々は柱なしの全面開口だったようです。

 

座敷の方は右側の西南隅の柱まで、

南も西も2間の開口で柱がなかったらしく、

西面には後補の柱が間に入っていました。

当初はL字型にかなりの開放感があったことでしょうね。

構造的にはちょっと無理があったようですが・・。

 

 

2階の座敷。趣きある造りです。

床の沈みや柱のコケはありますが・・。

 

 

こちらは

縁側が南から東へL字型に全面開口になっています。

元は東南隅以外、間に柱なしですが

今は後補の補強柱が入っています。

 

 

それにあわせて

座敷も東と南がL字型に開放されており、

こちらは東南の隅に柱が一本たちます。

 

縁側の方は大胆に開放しすぎて下ってきたのでしょう。

鴨居の上下に束が入れられて外から添え柱を取り付ける、

という方法で、南・東面ともに後から補強されています。

 

 

外から見たところ。

外は添え柱を通してボルトで中の束と縛っています。

 

 

元の開口や造作を残したまま補強しようとすると

こういう形にならざるを得なかったのでしょう。

 

開口を2面に大きくとった影響は・・

 

 

実測調査時。1階の座敷床下に潜ってみると

 

 

座敷の南東隅の柱に荷重が集中したため

おそらく無筋のコンクリート基礎を破断して少し沈下していました。

 

2階の座敷の床をめくってみると・・

 

 

1階縁側開口上の桁を吊り下げようとした桔木(はねぎ)らしき部材が

見えてきました。うまくいかなかったようですが・・。

 

大屋根小屋裏に入ってみると・・・

 

 

中央の丸太梁を

南軒桁より半間内側の丸太梁を支点に架けて軒桁を吊り下げ、

柱を抜こうという意図だったようです。

 

 

東側も桔木(はねぎ)らしき部材が入っているのですが

支点になる場所がなく金物で吊り下げてあって、

あまりうまくはたらかなかったであろうと思われます。

 

 

大屋根の荷重が集中して柱が下がった影響は妻梁にも

継ぎ手の段差となって現れていました。

 

結構な無理をしながら

開口を2面大きくとることにこだわった

理由はなんだったのだろう・・

 

その答えは大屋根の上に上がってみてわかりました。

 

 

比叡山から東山、大文字まで続く山並み。

今でこそ、周囲は住宅が建て込んで囲まれてしまっていますが、

かつては遮るものなく、

賀茂川から山並みへ続くパノラマが楽しめたことでしょう。

 

この家が建った昭和初期は・・

 

 

当時の地図(昭和5年)を見てもこのあたりに

あまり家が建っていなかったのがわかります。

 

2階の内縁から送り火を見ることも出来たかもしれません。

そういえば、大徳寺も方丈の東側に今は大きな木が植わっていますが、

戦前まではなくて、賀茂川までの借景をとりこんでいたという話を

聞いたことがあります。

大屋根の上に立ってみて、当時の眺望や周囲の様子に

しばし想いを馳せてみることができました。

 

 

大屋根は入母屋屋根になっていますが、

妻壁や隅が傷んでいます。雨漏りがひどかったようで

十数年前に瓦を葺き替えていました。

 

 

下屋根は古い瓦のままです。

 

 

形状が複雑で傷んでいるであろうか所もありそうです。

瓦ももうそろそろ葺き替え時です。

 

 

かなり以前に増築した部分のようですが、

2階の窓と屋根の取り合いがうまくいかなかったためか

瓦屋根に板金屋根を継いだような不思議な形状になっています。

 

様々な問題はあるのですが、

何か魅力を感じる家です。

色々な問題を抱えながらも、大きく開口をとろうと試みた、

夢に向かおうとする意志やロマン、そして夢そのものを、

ここから感じるからかもしれません。

そこで、ここでは仮にこの家を

『夢見の家』と呼んでみることにします。

 

設計の際には問題を解決しながら

新しい住まい手の新たないとなみに沿うような夢を

加えることが出来れば、と想いながら構想していきました。

 

 

そうして、いよいよはじまった工事。

 

 

新たに生まれ変わります。

 

 

再利用できる部材や建具を先にはずして、

一部の解体工事が始まっていきます。

 

櫛谷建築さん、よろしくお願いいたします。

 

 

 つづく 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『 夢見の家 』 | 17:03 | - | - |
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