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現場より ( 心根古民家改修 7 )

 

10月に入り、

おかげさまで

大きな山を越える事ができました。

感謝です。


 

現場も進み、

いよいよ仕上工程に入ってきました。

ここまでの様子を振り返ってみたいと思います。

 

 

台風ではこのような被害もありました。

 

 

修理の後、

現場は進行していきます。

 

 

厨房前のカウンターや

周囲の壁下地が姿を現してきました。

受け止める面が出来て、

煙出しの高窓からの光が生きてきます。

 

 

空調設備を仕込んでいます。

 

 

機器本体は大屋根下の屋根裏に納め、

そこからダクトで各室に送ります。

 

手前、南の客室では

造作と天井が進んでいます。

奥の北の小間でも天井の作業が始まっています。

 

 

北の小間は

てりむくりのある唐棟天井になります。

曲線の垂木が並んでいます。

 

 

唐棟妻壁の空調吹き出し口。

寸法的にはなかなかタイトでしたが、

チャンバーボックスなどうまく納めてくれました!

 

南の客室では・・

 

 

床の間が姿を現してきました。

栗、松、舟板などの古材を組み合わせて

造りましたが、

よく馴染んで一体のものになった感があります。

 

カウンター客席は

垂れ壁と天井下地が出来て

空間のボリュームが生まれました。

 

 

・・落ち着いた席になりそうです。

 

正面の大きな横長の窓は

店主・片山さんが立ちはたらく背景になります。

緑と光を導きいれるピクチャーウィンドウですが

このサイズ・形状のまま、

窓が開くように仕掛けを考えています。

 

 

それから数日後・・

 

 

土間に埋め込む石を仮置きしていきます。

これらの石も柱の下の石も全て

元々ここの家で使われていたり、

敷地にあったものを選びました。

 

 

造作が進んでいます。

 

 

お!

思わず手を触れたくなるような・・・

 

・・階段ができてきました!

 

 

土間から客席へと上がる階段です。

これから料理を頂くにあたって、

気持ちの高揚するような

なんだか楽しくなるような

手すりになればと思いました。

お客様、皆に触られて、

つるつるぴかぴかに

なってくれたらいいなと思います。

 

本歌は駒場にある

日本民藝館の大階段の手すりなのですが、

櫛谷さんの手になって、

図面で描いていたときより

雰囲気のあるものに仕上がったようです。

 

この階段を上がるのはなかなか楽しい・・

 

 

そして、

さらに奥の部屋では・・

 

 

北小間の

唐棟天井が出来上がってきました。

さわらのへぎ板が美しい光沢を見せています。

 

 

壁には桐板が張られていきます。

 

北の部屋なので

静かに明るく落ち着いた場になっていきます。

 

 

その間に

南客席の床の間の壁面に貼られる

竹紙が出来上がってきました。

 

 

檜、杉、楠、そよごと

四種の木からとった染料で染めたもの。

 

自然な色合いから感じるのは

色というよりは微細な波動

心身がゆるみくつろぎ

やすらいでいくように感じます。

 

竹を伐ってから

四度の星霜と数々の工程を経て

生まれた表情です。

話を聴いていると

あの硬く青々とした竹から

ここまでに至るには

本当に惜しみない多くの手作業と

発酵などの作用がはたらいているのがわかりました。

とても貴いものだと感じます。

 

枚方の竹紙作家

田上武子さんの手になるものです。

(実は久美のお母さんです)

 

 

それから数日後・・
 

 

エントランス正面の十六夜窓から。

黙々とはたらく現場の人・・

 

仕上工程が進んでいます。

厨房の壁面に

黒タイルが貼られてきました。

 

 

手で一枚一枚、

作られ、磨かれた黒タイルは

独特のむっくりとした厚みと

やわらかな雰囲気を湛えています。

 

 

益子の郡司製陶所の手になるもの。

 

そういえば、

郡司さんにはこの計画の始まった頃に、

なにかここの参考に、と閃いて

日光と中禅寺湖を廻る旅に出た際に大変お世話になったのでした。

あの時見たり感じたりしたなにごとかは

ここに繋がっているのだと思います。

 

エントランスから客席への

もう一つの階段。

 

 

古材で巡り逢った肥松の段板。

齢経て、材になってもなお

染み出す脂のつややかさ。

 

 

様々な表情の要素が

集まって、

新しい場が出来つつあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『 心根 − 高槻の古民家 』 | 20:09 | - | - |
現場より ( 心根 古民家改修 6 )

 

台風21号から1週間、

ようやく

高槻市街地から現場への道が開通しました。

 

ちょうどその道を通る機会があったのですが・・

 

 

なんか一瞬よくわからないのですが、

これ、全部風でなぎ倒された木々です。

植林された杉や桧。

まるでつまようじみたいに倒れていました・・

恐るべし自然の力。

一方で、一山越えると何とも無いところもあったり、

風道に当たったところが容赦なくやられたような印象です。

多分道路の上もかなり木々が散乱して

相当カオスな状況だったと思います。

復旧作業の皆様ご苦労様です。

よくここまで復旧したなと思いますが

山を見ているとまだまだ作業は沢山ありそうです・・・。

 

 

現場はおかげさまで無事でした。

お隣の山の木々が同じように倒れましたが

幸い近辺の人家にも被害は無く、

ただしばらく断水状態になったのが大変だったと思います。

 

現場も台風補修対応で皆しばらく追われていました。

それでも屋根屋さんや足場屋さんは

今もまだ忙しい状況がずっと続いているようです・・

 

 

少しずつ又元のペースに戻りつつある現場・・

 

 

化粧軒天井の化粧垂木が設置されてきました。

 

 

板張りで生まれた

明るくすっきりした雰囲気に加えて

落ち着きとリズム感、

そして端正さがもたらされたようです。

 

 

垂木と小舞の組み合わせは

清々しい軽やかさも湛えていて、とても好きな形です。

垂木は猿頬に面をとって、光を受ける面を多様にしています。

 

 

室内の造作も進んでいます・・

 

 

壁の切り替わる箇所。

 

搬入された古材を

組み合わせてどのように使うか検討していきます。

これは栗古材の框に松板の組み合わせ。

 

 

場に置いてものを見て決めていくと

そこから必然の新しい形・意匠が生まれてきたりします。

材料と場所と行為に沿って生まれてくるかたち・・

そこに立ち会うのは面白い時間です。

 

厨房・・・

奥の壁面に光の当たっている前が

店主の片山さんが立たれるところです。

 

 

厨房は様々な設備や機器が集中してくるので

色々と気を遣うところです。

天井内や土間、壁の中など見えないところに

様々な設備機器や配管が仕込まれてれています。

 

ここの厨房は

それぞれの作業によって場の雰囲気が

少しずつ変化していて、

働いている姿がきっと美しく見えると思います。

 

 

厨房前からエントランス方向を見たところ

 

元からあった架構の部分に

新しい部材が付け加えられて

違う場に生まれ変わっていく様子

 

まだまだ沢山の作業が重ねられて

新たな場が生まれていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『 心根 − 高槻の古民家 』 | 17:51 | - | - |
現場より ( 心根 古民家改修 5)

 

しばらく間が空きましたが

その間、酷暑の夏に

台風21号や北海道での地震と天災が続いて

気持ちが落ち着く間もありません。

これ以上の被害が広がらないことを祈ります。

 

今はこの台風のために現場へ続く全ての道路が

通行止め状態です。

何より現場周囲の集落の方々の生活道路でもあるので、

早い復旧を望みます。

 

 

台風までの現場では・・

 

 

構造補強が大方終了し、設備の工事が始まりました。

 

 

店内に新設されるエアコンの配管を設置。

 

 

新旧の部材が組み合わさって

躯体がしっかりとしました。

 

 

化粧軒天井のための下地が進んでいます。

 

数日後・・

 

 

今日もよく晴れて暑い一日です。

 

 

化粧軒天井の板張りが始まりました。二人一組で

板を一枚一枚合わせ、

欠き込み部などを確認して張り進んでいきます。

 

 

この日、

軽トラに荷物と道具を積んで

臼杵さんが香川からやってきてくれました。

 

 

現場のお隣の倉庫を借りて

カウンターの天板に漆塗りの作業を始めます。

 

 

心根さんが

枚方の店舗で10年間使っていた栃のカウンター。

製材してウレタン塗装を剥がし、

拭き漆で新たに仕上げます。

 

 

まずは1回塗り。

へらをつかって薄く延ばしながら塗りこんでいき、

温度と湿度のある中で漆を硬化させて、しばらく日を開けてから

再度重ね塗りして仕上げます。

 

 

 

合わせて

この舟板にも漆を施してもらいます。

文字通り、舟の一部だった板は

水に洗われ、長い時を経て、柔らかい部分が無くなり、

枯れて木目が浮き立ち、艶消しの光沢を放ちます。

最後に一つ一つ丁寧に手で磨いてこの表情が生まれます。

今回、客席の中でも大切な場所に使われます。

 

その間に現場では・・

 

 

化粧軒天井の板が張り進みました。

杉の白太の板が

日光を明るく反射させて屋内に導き入れています。

 

 

数日後・・

 

漆塗りの塗り重ねが終了しました。

 

 

このまましばらくこの倉庫内で寝かせます。

1ヶ月程度は開けないと

皮膚の弱い人はかぶれることもあるそうです。

 

現場では

玄関部分が形を現し、表情が生まれてきました。

 

 

元々、この左側に玄関があったのですが、

実測調査中に出入りしていても

なんとなく落ち着かない感じがあり、

計画をプランしている最中に方位を確認してみると、

ちょうどそこは裏キモンに当たる場所。

そこで玄関を右へずらしてプランし始めると、

たちまち新たな平面が立ち現れてきました。

 

家は基本的に

住む人のお役に立ちたいと思っているはずですが、

意に反して住まいする人に

よくない影響をも与えてしまうことに

遺憾な想いがずっとあったのかもしれません。

 

何かがするするとほどけて

一新されていくかのように新たな場が立ち現れてきたのには

家がその遺憾さから開放されるよろこびも

後押ししていたのかなと、そんな印象がありました。

 

 

数日後・・雨降る現場

 

 

化粧軒天井の仕上げが進行し、

壁面の左官下地が始まっています。

 

 

内部では

造作の壁が立ち上がり・・

 

 

そこに穿たれた窓から周囲の緑が

生き生きと入り込んできます。

そのように感じられる、場所との新たな関わり。

 

 

蔵の中にあった鋤。

木の柄に鉄がついた古い形のものです。

 

 

鉄の部分は錆付いていましたが

鍛冶屋の宇根田さんに頼んで蜜蝋を焼き付けてもらいました。

 

 

錆付いた表情が

美しく古びた風情を醸しています。

鋤の原形は焼畑農業でも使われるくらい、

原初的な農具でもあり、また

すき焼は元々畑で、

この鉄の上で料理をしたところから生まれたそうです。

 

 

(摂理にそって)農作物をつくることで土を作り、

大きく見れば地球環境を整えている農家さんを応援するためにも、

その側である、

(料理の素材になる)農作物の生まれるところに行って、

料理をしたいという心根店主 片山さんの想いを

どこか象徴するような農具です。

 

このお店でも

そのようなことを来られるお客様の

無意識にそっと語りかけるように使いたいと

考えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『 心根 − 高槻の古民家 』 | 18:50 | - | - |
現場より (心根 古民家改修 4)

 

暑い日が続く中、

現場も進行しています。

 

現場に入る前に

ここの集落の氏神様にお参りします。

大神宮社といい、

豊受姫命をお祀りしています。

食物・穀物を司る女神で

伊勢神宮の外宮に奉祀されています。

 

 

懐深く、明るく開けた草原を抱き、

巨木の森の静謐と木漏れの薄明、

湧水の流れる音が響いてゆく

ここは神おわすと

感じる場です。

 

豊受姫命のおっしゃる言葉は

心根さんが日ごろから料理の際に心がけてこられたことと

とてもよく似ていました。

縁あってここに導かれたのだと思います。

 

現場の方は・・

 

 

新たに設ける化粧軒天井の

下地が出来上がっていました。

 

 

はねぎと垂木下地は

 

 

天秤状になっているので軒先で下がらないように

上からの材で受けて固定しています。

 

同じ下地が

大屋根下の三方に回っていきます。

 

 

既存の梁組み、

 

 

外部が再び閉じられて

大屋根の下の懐深い闇と光が活き活きと戻ってきます。

 

 

一方、

現場以外の場所でも

ここのための材料が製作されています。

 

益子の郡司庸久さんの郡司製陶所にて

 

 

厨房壁面に張る黒タイルの製作が進行中。

 

 

昔のおくどさんのレンガを思わせる

黒い磨きのタイルです。

手作りのタイルで、

手で磨いた表面は微妙なやわらかさとつやを

湛えています。

 

 

仕上がりが楽しみです。

 

 

 

 

暑い中、あちこちでこの場所のための作業が進んでいます。

皆さんご苦労様です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『 心根 − 高槻の古民家 』 | 10:20 | - | - |
現場より (心根 古民家改修 3)

 

前回は地震のことを書いていましたが

今回は大雨で、現場はしばらく中断しました。

現場へ行く道の路肩が崩落していたり

道路際で崖崩れがあったりで

ここ数日、いつも使う道は日中、

復旧工事で通行止めになっています。

京都からの細い峠道も通行止めで、大阪周りでないと、

日中は現場にも行けない状態です。

現場は特に被害は無かったですが、

大きな被害にあわれた地域や方々のことをおもうと心が痛みます。

早く復旧することを祈っています。

 

 

そんな中、日中の復旧工事を避けて現場入りし、

作業を進めています。

 

軒天井を新しく造ります。

 

 

軒裏まで板金で巻いた茅葺屋根だったのですが、

軒先でかなり低い位置まで下がってきていたので、

下方を少しカットし、

はねぎで下地を組んで化粧軒天井を設けることにしました。

 

茅葺の断面は中の方はそれほど傷んでいないようです。

 

 

既存板金屋根の軒先のラインにかなりむらがあるので

作業は大変そうですが・・・

かなり印象が変わることでしょう。

 

 

外壁の下地が出来上がってきています。

角柱の新たな根継が見えます。

 

自然災害もあり、

又、既存との取り合いなど、作業も難しいところが多々あるので

容易には進みませんが、少しずつ着実に新たな姿が

立ち上がりつつあります。

 

現場の皆さん、ご苦労様です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『 心根 − 高槻の古民家 』 | 06:06 | - | - |
現場より (心根 古民家改修 2)

 

 

先日、18日の予期せぬ地震に

高槻山中の現場も揺れました。

幸い、ここに来るまでに

構造補強や傷んだ部材の交換などが

ある程度進んでいたこともあって

何事も無く、ひとまず安堵しました。

 

写真は根継した柱と

新しく入れなおした足固め。

 

以前は、地形的に高くなった家の裏の方から水が流れ込んでいて、

ほとんどの柱の足元が傷んでいました。

もしそのままの状況でこの地震を迎えていたら

もたなかったかもしれません。

 

 

地震当時、現場にいた大工さんたちは

縦揺れが主だったような印象で

家がひしゃげるような横揺れはあまり無かったと言っていました。

軸組みが大きく変形して土壁が破損したような痕跡

見当たりませんでした。

 

このあたりの地盤もよかったようです。

 

 

今回の地震

地震波の周期が0.5秒以下とかなり短い極短周期で、

家屋が共振して倒壊につながりやすい1〜2秒周期の

地震波ではなかったようです。

(とはいえ、高槻茨木では家屋の被害も出ているようですが)

ただしこの周期の揺れは、ブロック塀や家具を倒す、

水道やガスなどの配管を壊すといった被害が起きやすいようです。

 

 

 

まだガスの復旧が済んでいない地域や家屋の損壊に合われた方、

避難されている方もいらっしゃるようですが、

大きな余震も起こることなく

早く穏やかな日常が戻ることを祈ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『 心根 − 高槻の古民家 』 | 11:04 | - | - |
はじまり (心根 古民家改修 1 )

 

早朝から降っていた雨も上がり

さわやかに澄んだ空気の中

日の光がさしたところで・・・

 

この家と土地に

改修工事を始めますというご挨拶のお祓いを

この集落の氏神様の神社から

神主さんに来ていただいて

とりおこないました。

 

式の間には光が祭壇にさし、

風がよく吹いて、この始まりを

よろこばれているようでした。

 

 

式の後、

集落の家々をご挨拶に廻ります。

日当たりよい斜面に

程よい間隔で建つ家々から

出てこられた皆さんの表情や物腰からも

この土地のよさが

そこはかとなく伝わってきました。

 

明るく 静かで 穏やかで 豊かなところ

 

 

ここを日本料理のお店 心根 にされる片山さんは

この土地のことを

街のように忙しく慌しく過ぎ去っていくのとは、

違う時間が流れていく

24時間の長い場所』と言われます。

そこで

ゆっくりと周囲の草花、山野草や山菜、食材と

じっくりとていねいに向き合い、楽しみながら

おもてなしの料理としつらいを

皆様に楽しんでいただきたいと。

 

工事を目前にして

今の古いままのたたずまいの最後の時間、

ここが活き活きとして

人が集い、楽しむ場になった様を

片山さんの熱い想いに

耳を傾けながら

ありありと想い描く

楽しく満ちたひとときをすごしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『 心根 − 高槻の古民家 』 | 10:28 | - | - |
高槻の古民家 − 実測調査

 

亀岡にほど近い、

高槻の山間の古民家を

素敵な場所にしようと考えていらっしゃる方がいて、

そこの改修設計を依頼されました。

 

 

案内されてたどり着いたそこは

日当たりよく、風通しよい、気持ちのよい場所。

 

 

ここちよい軒の低さの茅葺の母屋。

民家としてありのまま、

長い年月をここで生きてきた健やかさが

今でもありありと感じられます。

 

 

敷地内には茅葺の母屋と

2階建ての離れ、土蔵の3棟があります。

 

 

離れには梁で持ち出して

1間半の深さのある軒がかかっています。

ここちよい半屋外空間。

 

 

土蔵は大分傷んではいますが

かなり細工の凝った左官仕上げが

施されていた様子がうかがえます。

 

 

さて、

日を改めて実測調査に入りました。

 

 

母屋外壁周り。

風情のある土壁は、

建築的には土の剥がれ落ちた壁なので

補修が必要です・・。

 

 

内部の様子。

長い年月空いていたようで、

傷んだ床などは撤去されてしまっています。

土のままの土間とおくどさん、その上で多層に架かる丸太の梁組み。

柱の足元などは湿気で傷んでいますが、

まだ手を入れて直す余地はありそうです。作業は沢山ありそうですが・・。

 

 

土間の一角にある牛小屋のスペース。

周りの土間より低くしてあり、

外から直接出入りできるように専用の引き戸がついています。

土壁は露出にせずに板を張ってありました。

 

 

おくどさんの上の煙り出し。

内部では梁を利用した垂れ壁で

おくどさんの前が区切られて、

煙を居室側に行きにくくし、

こちらに流れるようにしてありました。

 

 

後年付け加えられたらしき、流し部分の増築。

窓下の腰壁は石積みをモルタルで固めたもの。

多分、セルフビルドだったのではないでしょうか・・。

モルタル流しのつく腰壁には、

水にも強いしぴったりだったのでしょう。

近くで拾ってきたような石かもしれませんね。

 

 

 

蔵の中。

曲がりのある材が通し柱として使われていて面白いです。

床下は湿気で傷んでいました。

 

 

 

この3棟が今あるよさを残しつつ、

新たな場所に生まれ変わる為に

何をなすべきか、なさないべきか、

見出すために

この場に身を置き、

建物たちと関って感じた数日間と

それを図面にする作業を経て、

ふさわしいかたちが次第に見えてくることでしょう。

 

おぼろげに感じられるその姿からは

既に光が放たれていて

その光が導いていってくれます・・。

 

 

ここは日本食で皆さんをおもてなしする場所になります。

楽しみです。

そういえば、このすぐそばには

豊受姫命をお祀りする神社がありました。

食物・穀物を司る女神で

伊勢神宮の外宮に奉祀されている豊受大神です。

この神様に導かれて、

お施主様はここに辿り着かれたのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

(つづく)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『 心根 − 高槻の古民家 』 | 16:40 | - | - |
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