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現場回想:開店に向けて (吉川の古民家 premdan 16 )

 

開店に向けて

この場所にあった家具を色々探しました。

 

縁あってやってきた椅子たち。

 

 

イギリスの古い教会椅子など。

よくはたらいてきた健やかで美しい椅子たち。

これからここで新たなお役目です。

 

ストックルームさん()、どうもありがとうございます。

 

 

テーブルは古いものがいくつかと

木工作家の臼杵春芳さん()に

古材を使って製作してもらいました。

 

 

臼杵さん所蔵のケヤキの古材。

新材と組み合わせます。

 

 

新材とあわせ、組みあがったところ。

これから拭き漆で仕上げます。

 

乾燥期間を経て、先日搬入されました。

 

 

空間が凛とした雰囲気になりました、と坂口さん。

 

ケヤキが沢山使われている家なので、

ケヤキの古材はよく合うことでしょう。

以前、私の意匠したテーブルで、

込み栓などで組んであり

ばらばらにほどくこともできます。

うちの事務所の上門前の家にあるテーブルと

ほぼ同じ形の兄弟です。

臼杵さん、制作をどうもありがとうございました。

 

 

こうして少しずつ開店に向けて、日々準備が整ってきました。

開店がとても楽しみです。

 

このお店は坂口さんにとってはもちろんですが、

私にとっても、よく知る建築の諸先輩方が

前回約30年前の改装に関わっていたこと、

そこをあらためて直すということで

何か深い縁を感じました。

そして、古民家というものへの関わり方やとらえ方、

そこに見出していくものが時代とともに変わってきたこと、

時代、人の意識の変化ということ、

そして変わらぬもの

について、ひしひしと感じ、あらためて考えました。

 

端的に言葉にすれば、

非日常へ飛ぼうとするのではなく

日常へ深く関わることで

見えてくる光に向う ということが

今の時代のこころの求めているところのように感じます。

 

そのベクトルの先には

今までの既製の価値観や考え方を根本的に

あらためるような要素も沢山含まれていて、

そこにまだ見ぬ人の可能性も感じます。

ずっと先には戦争のような発想の生まれない、

平和で美しい世界を人は創ることができるという可能性も

見えてくるようです。

 

一方で、前の時代と先人のはたらき、残した形があって、

私たちはこれからのありようについて考えることができる、

ということも感じました。

 

こうしたことを感じていたのは

坂口さんがここでしようとしているお店のありようについて

考えられていたことと、

こころのどこかが共鳴していたからかもしれません。

もしくは感じていたことが機縁となって

私もここに関わることになったのかもしれません・・。

 

 

以下は坂口さんのこのお店についての想いです。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

いのちをいただくことは
いのちをつないでいくこと
いのちあるすべてのものは光

 


人は食べることで
自然とつながり
食べたものがからだのなかで燃え
わたしたちは光そのものとなる

 

 


自然のリズムに寄り添い
天と地をめぐって動く
いのちの流れを受け入れ、
食べることを見つめていくことが
私たちが暮らすこの星への
愛となりますように…

 


プレムダンは、カルカッタにある
マザーテレサの家の名。
サンスクリット語で「愛の贈り物」という意味。

 

 


私たちの内にある、
永遠なるものを信じて
プレムダンと名づけました。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

premdan(プレムダン)

 

オープンは4/27の予定です。

 

 

Lunch 12:00-14:00  
Cafe   14:00-17:00 (L.O.16:30)
Open  金・土・日

673-1123
兵庫県三木市吉川町湯谷175
Tel 0794-60-9256
ランチは、1週間前までのご予約にて承ります。
(スープ、菜食ワンプレート、パン付き)
お一人様 1800円 

ご予約は、営業時間内のお電話にて承ります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

premdan、坂口さんのお店が

光となって

かがやき続けますように。

 

 

 

 

私たちの内にある、

永遠なるものを

私も信じています。

 

 

 

 

 

森田建築設計事務所 

森田 徹

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

< 前回

 

 

 

⇒ premdan

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『 吉川の古民家 premdan  』 | 19:25 | - | - |
現場回想:開店に向けて (吉川の古民家 premdan 15 )

 

秋の始まる頃、

色々な調整を経て

ようやく引渡になりました。

 

 

外部。

ショウウィンドウのような形で

FIXガラスのはまっていた正面右側は

一部を撤去して開閉できる窓にあらためました。

古建具を見つけてきて再利用した窓です。

 

 

茅葺の母屋との繋ぎ棟の屋根が切り離されて

屋根の形状があらためられ、

雨漏りの心配はなくなりました。

見た目にも整理されて、なんだかすっきり。

 

中に入ると・・

 

 

大きな茅葺屋根の

深い懐から生まれる

やわらかく穏やかな玄さと静けさ、

外の緑の斜面からの明るく鮮やかな光、

窓を開け放つと澱みなくめぐり流れてゆく風、

聞こえてくる鳥や虫の声、

木の葉や木々のざわめき・・

 

それらの中の一部として、

料理をするいとなみの姿が

あるようにしつらえられた厨房と

廻りの客席の場。

 

改修工事前のお清めのときに

祭壇が組んであった壁面(→No6『あらためて はじまり』)

は取り払われ、床の仕上も変わりました。

 

以前の豪勢な雰囲気から

簡素で静かな雰囲気へ。

 

 

 

開閉できるようにあらためられた窓の場は

外を見ながら座れる

造りつけのテーブル席になりました。

吊り下げられた木製シェードのペンダント照明は

坂口さんが見つけてきたフランスのアンティーク。

 

 

座敷側も畳が敷き直されました。

傷んでいた縁側開口も補修しました。

庭と景色を見ながらほっこりとくつろげそうですね。

 

お店のために新たに設けられたトイレ。

 

 

右手奥の板の部分は

季節によって通風のために外せるようになっています。

 

既存古材板を再利用したカウンターには

古い真鍮の洗面器を再利用した手洗いを設けました。

 

 

排水金物を底に段差無く設置するために

京都の鍛金職人さんに

底の部分を加工してもらいました。

 

 

古足場板を床にした客席。

この屋根を直してくれた地元の茅葺職人の

くさかんむりさん達が使っていたものを譲りうけました。

 

 

新しくできた

漆喰の大きな壁面とイギリスの古い納屋の扉。

並んだ椅子は

縁あって出逢ったアンティークで

イギリスの農夫みたいな椅子たちと

フランスの貴婦人みたいな椅子。

この一角にはピアノを置いて演奏もできるようにする予定。

ライブとか楽しみですね。

 

 

イギリスの古い納屋の扉と

イギリスの農夫みたいな椅子と

足場板床 と 茅葺古民家 はなんだかよく合います。

はたらくもの同士だからでしょうか。

たのもしくて 健やかで 美しい ものたち。

フランスの貴婦人みたいな椅子はピアノが来たら少し落ち着くかな。

 

 

バックヤードの部分も風通しよくすっきりと改修。

 

 

風と光が再び経巡るようになり、

この場所との関りや

建物内での様々な部分同士の関りのありようも

今回再編されてあらたになりました。

 

工事はこれでひとまず終了です。

あかい工房さん、大変手のかかる仕事になりましたが

どうもありがとうございました。ごくろうさまでした。

 

・・・とはいえ、

今回直せていない箇所もありますし、

茅葺屋根はいずれ全体を葺き直さなければなりません。

メンテナンス的な工事はしばらくは継続していくことになりそうです。

 

 

お店のオープンに向けてはまだ少し

家具の準備や器の用意など、

今現在も開店に向けての準備が進行中です。

 

 

 

 

 

> つづく

 

 前回

 

 

⇒ premdan

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『 吉川の古民家 premdan  』 | 19:13 | - | - |
現場回想:開店に向けて (吉川の古民家 premdan 14 )

 

現場では

厨房内仕上の板金貼り工事が進んでいます。

 

 

上部垂れ壁の左官下地が出来てきています。

 

 

こちら側の木製フレームには

既存床を解体した古材を利用して

可動棚が設置されます。

 

手前客席側の古足場板床も張りあがって・・

 

 

 

座敷との段差には

解体した既存の床板を再利用しました。

床下通風の部分は板が外せるようになっています。

 

数日後・・

 

 

垂れ壁が

左官塗りで仕上がってきました。

 

この部分は

大きな茅葺屋根の深い懐から生まれる

柔らかな暗がりの中に沈んでいくように

仕上げようと思っていました。

 

 

正面外部の

緑に覆われた斜面から反射する光と

内側の暗がりの対比。

 

白い壁面は

斜面の緑をまとった光で染まり、

その表情は時にしたがって移ろってゆきます。

壁が塗り終わると、

先日出逢った扉も設置されます。

 

 

シンプルにつくった受け金物で

吊り込みました。

 

厨房機器も搬入設置されました。

 

 

客席側の壁面漆喰を背景に

古材の可動棚板が見えます。

これは込み栓で固定するようになっています。

ものが置かれると

ディスプレイと収納を兼ねて

また緩やかに客席側と厨房を区切る役割も果たします。

 

他の室も順に仕上がってきています。

 

 

新しい開口が場に

新しい光と新しい呼吸をもたらします。

 

 

夏が終わる頃、

 

 

工事も大半が完了し、

眠っていたこの家も新たな目覚めを目前にして

再び息づき始めたようです。

 

 

 

 

 

 つづく

 

 前回

 

 

⇒ premdan

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『 吉川の古民家 premdan  』 | 19:30 | - | - |
現場回想:開店に向けて (吉川の古民家 premdan 13 )

 

現場では造作が進行してきました。

 

 

奥の開口部に設置する扉。

大きな白い壁面の中で空間を印象付けるものになりそうです。

 

 

日本の古建具から

トルコやインドの古い扉やフランスのアンティークなど、

あちこちを坂口さんと一緒に探して、

最終的に出逢ったのはこちら・・

 

 

イギリスの納屋で使われていた扉

100年くらいは経っているもの。

 

 

 

鉄の金物と木の古びた表情がいい雰囲気です。

働く場所に使われていたものならではの

無駄や飾り気のない、簡素で 健やかな

美しさ、もののありようが

この場所がこれからあろうとする方向と

よく響き合うのでしょうか・・・

 

鉄の部分はもちろん活かして、

鍛冶屋のFERRAIOさんに

新たに軸受け金物を造ってもらうのと

合わせて歪みを修正してもらい、

取り付けることにしました。

 

扉には

ウェリントンアンティークさん()で出逢いました。

沢山ある中からこれ!と感じるものに出逢えてよかったです。

ありがとうございました。(設置前の様子  )

 

 

他の場所で使う古建具も

色々探して現場に搬入していきます。

 

 

新たな場所で新たなお役目に。

こちらは日本の古い窓。

 

 

 

 

つづく 

 

 前回

 

 

 

⇒ premdan

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『 吉川の古民家 premdan  』 | 07:55 | - | - |
現場回想:開店に向けて (吉川の古民家 premdan 12 )

 

現場の様子をお伝えするのが

前回()から随分間が空いてしまいました。

おかげさまで工事は無事に終了しています。

 

冬を越えて少しずつ準備が整い、

この春、4月末にいよいよお店としてオープンする予定です。

お店の名前は premdan(プレムダン)

サンスクリット語で『愛の贈り物』という意味。

・・この名前に込められた想いはまたあらためてお伝えします。

 

工事の状況をもう少し振り返って、

開店まで又少しの間、

想いを馳せてみたいと思います。

 

 

厨房周りの天井などの下地が出来てきています。

 

 

火気を使用するのと、

わらなどが落ちないようにするために、

厨房内の天井は茅葺を現しのままというわけにはいきません。

 

 

ここで使う古建具をそろそろ探しに行きます。

まずは奥の開口を閉じる為の扉から・・・。

 

 

 

 

つづく 

 

 前回 

 

⇒ premdan

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『 吉川の古民家 premdan  』 | 19:13 | - | - |
現場進行中 (吉川の古民家 premdan 11)

 

お盆を過ぎて

工事も暑さも大詰めを迎えました・・・

 

 

とはいえ、

まだまだ残暑の厳しい中、

来月の竣工に向けて、現場が進んでいます。

 

表から裏の緑が見えるように、

風が抜けるようになりました。

 

春先に完了した茅葺工事の後、

現場で何度か形や仕上げを見直しながら、

外回りのしまいや内部の工事が進んできました。

 

 

あのとき柱だけだった母屋と繋ぎ棟の外壁も

ガルバリウム鋼板小波板で仕上られました。

 

ガラス採寸中の建具屋さん。

 

茅葺屋根と繋ぎ棟瓦屋根の間には

その下に入り込む板金屋根が架けられましたが、

茅葺屋根を伝って落ちてくる結構な量の雨水を処理する為に

外の水路へ向けて樋をつけました。

 

 

茅葺屋根の面戸(屋根の裏と軒桁の間の空間)は

形状が均一ではないのですが、

冬場のことを考えるとふさがないわけにはいきません。

よくわらたばを詰めたりしているのですが、

時にはずれてしまうこともあり

ここでは漆喰を塗りこんでふさいでいます。

 

 

内部は今こんな感じ。

 

 

正面には

厨房越しに緑が室内に流れ込んできます。

 

 

以前、囲炉裏のあった板の間はこんな風になりました。

 

 

4月頃の様子・・

 

工事開始時点は、ここは

既存の古材張りの床をそのまま使う予定だったのですが、

床下の湿気が斜面下の土地ゆえに思ったよりひどく、

床下木部や床板が腐っている箇所もいくつかありました。

 

 

又、動線的にも見直す余地があったので

厨房の範囲と合わせて再検討し、

いくつかあった案のうちから・・・

 

 

既存の床は撤去し、

防湿コンクリートを打って地面からの湿気を防ぎ、

その上に下地を組んで古足場板を張る形にあらためました。

解体した既存床の床材は再利用していきます。

 

合わせて玄関土間の床も見直し。

敷き瓦敷の土間はお寺のようなイメージが強いので

もっと簡素な印象になるような仕上に。

 

 

こちらは防湿を兼ねたコンクリートを

そのまま粗い雰囲気で仕上げることにしました。

 

 

こんな感じ。

 

厨房のカウンター腰壁は

コンクリートブロックを組石造のように馬目地積みに。

 

 

奥まで靴のままで進んでいける土間になり、

場から受ける印象も随分変わってきました。

 

 

ここのお店のありようと空間や姿を考えていくときに

坂口さんから、映画『大いなる沈黙へ』の話が出ました。

これはグランド・シャルトルーズというフランスアルプスの歴史ある修道院の

修道士たちのいとなみを撮影したもので、

「静寂の中で美しく生きる修道士の姿が 

やわらかい光に包まれて、描かれて」いる、とても印象的な映画です。

日常の一つ一つの行為が祈りとなるように、

沈黙のうちになされていくそこにあっては、

どんなささやかな行為であってもおろそかにされることはなく、

ていねいにそれぞれの本質に向き合うことで、

感じられるもの、聞こえてくるもの、見えてくるものを

この静寂が守っているのでしょうか・・・

 

坂口さんがここでされようとしている

お店のありよう、その想いに、

この映画の中で立ち現われているものが通ずるものがあって、

形を真似る訳ではないのですが、

たたずまいやありようなどを参考にしてきました。

(→ 映画『大いなる沈黙へ』 )

 

 

 

そのこころを感じられるような場に

近づいていっているでしょうか。

 

 

 

工事の進むうちに季節は巡っていきます。

春から初夏へ向かう、田植えの時期に。

 

 

お店のすぐそば、山の道を上がっていくと

こんな光景に出遭えます。

 

 

壁に開口が穿たれました。

 

 

 

つづく 

 

< 前回

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『 吉川の古民家 premdan  』 | 09:47 | - | - |
茅葺工事 完了 ( 吉川の古民家 premdan 10 )


現場では
茅葺工事が完了しました。


裏の土手に上がってみたところ・・



美しいです。
たっぷりとしています。



瓦屋根はカットして、
位置を控えたのですが、
葺き下ろしてみると結構壁際まできました。

しかし、雨が中に入る心配はないので
これでもう大丈夫。



仕事中もそうでしたが、
出来上がった茅葺屋根には
見飽きない、おおらかな美しさがあります。
そしてまた、
どこか生き物のような、小山のような感じ、
生きているような気配。




屋根の窓も
自然なラインで美しくよみがえりました。
窓下には杉皮を葺いてあります。




しっかりと叩き込まれ、
刈り込まれて生まれたゆるやかな曲面。
この小口の上を雨粒が
はじかれるように流れ落ちてゆきます。




軒先はこんなに分厚くなっています。
きれいに刈り込まれてラインが出ています。




側面のまだ葺き変えていない屋根とも
グラデーションで馴染ませてあります。

奥の隣家の茅葺屋根と
仲良く馴染んだ風景。

正面からは
この葺き変えた屋根が見えないのが残念ですが、
またお店がオープンしたら皆さん、
ぜひ裏に回って見てみてください。
その際には店主の坂口さんにも一声かけてくださいね。
今回、屋根葺きを手伝われたので
貴重な体験談も聞かせてくれることと思います。

屋根を葺いてくださった くさかんむりさん、
素晴らしい仕事をありがとうございました。
どうもごくろうさまでした。


屋根の下のほうでは
改修工事が進んでいます。


今まで閉じられていた壁面が
開かれて開口に。




数十年ぶり、
土間に射し込む光と風の流れ。


柱の差し換えも完了しました。



新しくなった茅葺屋根の軒裏。
明るくなりました。




今まで竹が使われていた垂木は
今回、本来そうであったであろう、
丸太に改められました。




木のくせか、随分曲がった柱。




外壁に新しく出来る開口の確認。

朝の光を内部に導いて、
気持ちを新たにしてくれる大切な窓になるでしょう。

工事は又少しずつ進んでいきます。

 

 

 

 

 

つづく 

 

 前回




















 

| 『 吉川の古民家 premdan  』 | 12:35 | - | - |
茅葺工事 ( 吉川の古民家 premdan 9 )


現場では
茅葺屋根の葺き替えが進んでいます。




なかなかの壮観!
下から随分進みました。




瓦屋根部分とも切り離されました。
これでようやく一安心。




屋根の下には足場が組まれ、
舞台のような場が出来ています。
そこに材料のわらが積み上げられています。
背丈ほどもある長さです。

今置いてあるのはススキ。
この辺りの山にも自生していて、
茅葺屋根の材料として使われてきました。

中のほうには小麦わら、そして葦も使っています。




今回は葺き替えしない上の萱部分(ありごし)を
丸太で上げた隙間へ向けて、
穂先を中に差込み、
束を重ねて厚みを出していきます。
足元の板と同じくらいの厚さまで重ねていきます。




中のもやに針金などで固定されて
少しずつ上に進んでいきます。
表面に出てくるのは茎の小口面だけなので、
進む範囲はわずかずつです。




手前に見えているのは
針金やなどを屋根の裏に刺し込む
縫い針のような働きをする鉄製の専用道具。
職人さんの実家の鉄工所であつらえたそうです。




親方の相良さん曰く「ドイツ風」の茅葺窓。

ー相良さんは現地に行って
茅葺の研修を受けたり、指導したりもしていて
ヨーロッパの茅葺屋根も研究して、
葺き方の改良を独自に重ねられています。

窓の形状があらかた葺き上がって来ると、
木の板で叩き込んで形を整えていきます。

こんな道具です。




堅木のケヤキ製ですが・・・



こんなに磨り減っています。



入りすぎたら、鉄のはさみで引っ張ります。
閻魔さまの使っているような道具(笑)です。

最近の建築の工事現場にはめずらしく、
機械工具の音が一切しません。


作業から聞えてくるのは
乾いたススキの束がこすれるかさかさという音や
それを束ねたり放り投げたりするときのバサっという音、
ススキを叩き込む音などの
軽やかで おだやかで のどかで
平和を感じさせるような音・・・





独特の稜線の美しさ



中世の絵画のような光景にも見えます。


茅葺屋根は
目に見えるスパンで起こる循環や
それをかたちにする人力の作業、
そしてそれらを支えている
もっと大きないのちの循環をも含んで現れた 姿 として、
存在している ということを
この作業をみている時間の間、
無意識のうちに感じていたかのようで、
その関りあいのありようから感じる、
ことばにならないような幸福感
に、知らぬ間に満たされていたひととき、でもありました。

 

 

 

 

 

 

つづく 

 

 前回

























 

| 『 吉川の古民家 premdan  』 | 19:03 | - | - |
治療 ( 吉川の古民家 premdan 8 )


現場では
解体から補修へと工事が進んでいます。




前回の隅柱は
無事に新しいケヤキの柱に差し替えられました。
周囲の傷んだ土台なども交換されています。




上部梁の腐朽部分も取り除かれて
新しい材で埋められました。
さすも束で受けて、ちょっと楽になりました。




母屋と平屋の接続部分屋根も
新たに架けなおされました。

無理のかかっていた部分がなくなって
すっきりしました。

屋根の上のほうも




切り離された瓦屋根のけらばのしまいが済みました。

板金を雌瓦の下に差し込んで・・




雨が入り込まないように、
立ち上がりを造って止めています。
現場でうまく納めてくれました。
これで一安心。




新たになった部分から母屋の方をみたところ。
大分雰囲気が軽くなってきました。

しかし、ここまで来て
解体前に予想していなかった
コンクリートの土間が床下から発掘されました・・。




既存の敷瓦土間より30cmほども上がっています。
柱の下のほうも埋まっています・・。
想定外ですが撤去してしまわないと
予定している厨房が造れません。




梁のかかった下の柱の根元が
土間に埋もれてこんな風に腐って傷んでいたので
これも根継で補修することに。

改修工事では、
これらのような予期せぬ傷んだ箇所はつきものですが、
以前造ったときにもう少し配慮されていればなあ・・、
と思うこともしばしばあります。
隅々まで落ちなく目配りするのはなかなか大変ですし、
事前に想像のつかないようなことも勿論ありますが・・。


平行して
茅葺屋根の葺き替えも始まりました。

葺き替えの様子をみている

くさかんむり親方の相良さんと坂口さん。



まずは
今の葺き材を降ろし、
使える部分は再利用、
腐った部分は堆肥に、土へと返します。




竹で出来た垂木は弱いので、割れたりして
屋根が一部垂れ下がってしまっています。
見た目は高台寺傘亭を連想させるかのようで
風流で面白いのですが・・。




この垂木も今回丸太に交換します。


どこか外科手術のような、
家の傷んだ部分を治療するような工事が
しばらく続きます。

母屋屋根と切り離された平屋瓦屋根。
みちがえるように風通しよく、
軽くなった印象を受けました。




切り離された屋根と屋根の間から
裏の家の茅葺屋根も垣間見えるようになって
景色もすっきりしたかのようです。
(茅葺屋根が葺きなおされると、また半分は隠れてしまいますが・・)


ぎゅうっと、
変に力がはいっていたのが抜けたような、
すっきり感。




だんだんにかるく
すこやかになっていくような印象を
うける家をみていると、
想定外とはいえ、
この工事を家が長く待ち望んでいたことが
ひしひしと伝わってくるようでした。

 

 

 

 

 

 

つづく 

 

 前回

























 

| 『 吉川の古民家 premdan  』 | 17:24 | - | - |
解体 ( 吉川の古民家 premdan 7 )


解体工事が始まりました。

まずは何といっても一番気がかりだった
隅柱の上の屋根の部分から。




茅葺屋根をめくり、
増築であとからつけた瓦屋根をカットします。




これは前回、ちょうど神主さんが
きりぬさをまいていた写真の辺りです。
真ん中の柱が隅柱です。


雨漏りのあとにシロアリが入っていて、
結構、傷んでいます。




壁に隠れていた側は
シロアリに喰われて中が無くなっています。
材がケヤキなので、
喰われたのは辺材のしらたの方で
芯材の赤みのほうは食われず腐らず残っていますが・・。




シロアリは雨漏りをつたって
上の梁のほうまで上がっていて・・




梁の上半分くらいは
喰われて残っていませんでした。

茅葺を受ける隅のサスが降りてきているので、
荷重でひしゃげないように、
補強を入れることに。

この辺りの柱梁の架構は
前回の改修のときにかたちづくられたもののようです。





増築部の土台は
斜面に近すぎたせいでしょうか、
湿気と水で完全に腐っていました。




茅葺工事が始まる前に
軸組の補強工事をある程度終えておく予定です。

瓦屋根と茅葺屋根の取り合いの納まりも
この日現場で打ち合わせして決めました。




大きな方針としては、
茅葺屋根がきちんと葺きおろせるように、
瓦屋根を短くカットしてしまい、
その下にあった部屋の部分は、両方に干渉しない高さで
新たに板金屋根を架けなおしてカバーしていきます。

不具合のあった部分が
これでようやく直っていくでしょう。

 

 

 

 

 

つづく 

 

 前回






















 

| 『 吉川の古民家 premdan  』 | 20:28 | - | - |
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