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北中さん 家の薔薇を描く

北中さんが
今年も上門前の薔薇を描きに来てくれました。

しかし、今年は台風もあったし、
花はほとんど咲き終わっていて
ちょっと遅かったかな・・・、で
まだ花が咲いている家の方の薔薇を描いてもらうことに。




おーい、きたなかさ〜ん
大きくなった門、久々の再会に笑顔。




カップ咲きのこの子に決めて
描き始めます。




薔薇と北中さんの間を流れる
静かで満ちた交流の時間・・・


この一年の制作の間に
筆圧を弱めて描く限界にまで達したらしく、
今は又少し描き方を変化させているそうです。





こちらは
ギャラリーが多い(笑)のです。
集中できたかな・・?

・・楽しく描けました、と
笑顔の北中さん。

出来上がりは
静謐な薔薇の息遣いを感じる筆致・・




出来上がりが楽しみです、
どうもありがとうございました。


この一年の
他の作品も見せてもらいましたが、
大きな木を描いたものなど、
新たな視点の作品もあって興味深いものでした。
万里ちゃん日記は
鳥獣戯画にインスパイアされて
墨絵での日記に変化していてこれもまた興味深い・・


来年の6月には
東京のギャラリーSU(→) さんでの個展が決まっています。
北中さんのこれから一年間の制作の過程、
またとても楽しみなところです。


がんばってください、いつも通りで。

北中さんの生活の中からうまれてくる作品たちから、
東京でどんな風が吹くのかな。

楽しみです。




























































 
| 北中さん 薔薇を描く | 19:40 | - | - |
版画になった『薔薇』を額装する北中さん
 

北中幸司さんの薔薇が、ついに版画として完成しました。

展覧会でのお披露目が楽しみですね。


そして最後の作業報告が届きました。

額装です。画面の周りのマットの大きさや

額とのバランスは作品の印象に大きく影響します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


前回で終了したと思われた作業報告。
またか…と思われるでしょうが(笑)、
今度は額装編です。いよいよ完結?
「毒喰わば皿まで」の心境で、、
どうぞ目を通してみてください。



額装の準備段階。
絵に対して、額をどれくらいの大きさにするか、
実際に模型を作ってシミュレーションします。
寸法が決定したら、額屋さんにオーダーメードで製作してもらいます。
今回は「くらしのかたち展」に間に合わせるため、急ぎで作ってもらいました。



数日後、額が届きました。
ブナ材の木地を研磨しただけの仕上がりで、塗装はしていません。
歳月とともに木の色が変化しますが、それも味になるでしょう。



1ミリ厚の淡いクリーム色のマット紙に、
作品の寸法に合わせて窓がくり抜かれています。
マット紙の下に同寸法の厚紙があり、作品はこの間に挟み込まれます。



マット紙と厚紙の一辺は、このようにテープで止めてあり、
開いたり閉じたりすることができます。



作品の上側の辺です。
マット紙の断面は45°の角度にカッティングされています。
版の外側の余白は4ミリほど見えるようにしました。



こちらは、下側の辺。
下はサインが入るので広めに空けます。



作品のコーナーを固定するためのシールです。
直角三角形の袋状になっていて、ここに作品のコーナーを差し込みます。





こうして四隅を厚紙に固定します。
作品に直接テープを貼っていないので、
額や作品を入れ替えるときに
作品を傷つけないで取り外すことができます。



作品の下に鉛筆でタイトル、サインを入れます。
僕の場合、植物の名前をそのまま
作品のタイトルにすることがほとんどです。
今回は漢字で「薔薇」にしてみました。
…難しい字です。
漢和辞典でよく調べて、別の紙で練習してから書きました。
それからスケッチした日付も忘れずに書き込みます。



マット紙をかぶせます。



上から、マット紙・作品・厚紙・透明アクリル板・パネルの順に重ねています。
今回は、会場で作品が鑑賞しやすいように、
作品のうえにはアクリル板を入れないで展示します。



額の裏側です。
フレームとパネルを金具で留めています。



これで、額装が終わりました。
いよいよ搬入ですね。
どんな出会いが待っているのでしょうか。
僕も楽しみです。

北中 幸司

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ありがとうございました。

額の大きさを決めるシュミレーションもあったのですね。
一点、一点、この作業が施されて、ようやく完成。


私たちは一足先に作品を見る機会()がありました。

薔薇を見たときに私たちが受け取る印象、
意識化されているところから
無意識に受け取っているところまで、
途切れないひとつのあらわれとして
その画面の中に見ることができるようです。

ですからこの絵を見ることは、
ひとつの体験(追体験とも言えます) 
といえるかもしれません・・・。

情報として、片づけられていない、
薔薇そのものと出逢う体験。

いわゆる、薔薇の絵を見る、
というには納まらないものが、
そこにはあります・・・。

是非、会場で体験を。


今回からの技法の変化が
版画として完成させるために必要だった制約から
表現に自由度を与えたように思います。

これからの作品がどうなっていくのか、
どこまでいくのか、楽しみです。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

上門前の家(森田建築設計事務所)にて
展覧会のお知らせです。


『くらしのかたち展 仕事する服と植物へ』


森田建築設計事務所 上門前の家にて
2012年 7月 14日(土)15日(日)16日(月)
12時〜18時まで


詳細はこちら 


どうぞ皆様、お運びください。
お待ちしております。



| 北中さん 薔薇を描く | 06:56 | - | - |
版になった薔薇を印刷する北中さん その2
 
北中幸司さんから、

先日の作業の続きの報告が届きました。

いよいよクライマックス。どうなるでしょうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

作業報告も今回がクライマックスです。
さあ、薔薇はどうなったでしょうか。

薔薇の「銅版スケッチ」を印刷する―その



プレス機のプレートの上に、インクを詰め終わった銅版を置きます。
このプレス機のローラーの幅は15センチあるので、
その範囲に入る大きさの銅版を印刷することができます。



銅版の上に湿らせた紙をのせます。
このとき、余白を意識しながら紙の位置を定めています。
(版の外側の余白です。額装するとほとんど見えないのですが)




全体にフェルトをかぶせます。

鉄製のローラーの下には、プレートで隠れて見えませんが
もうひとつ同じ幅のローラーがあります。

2本のローラーに
プレートがはさまれている状態です。

図にすると、こんな感じですね。




ハンドルを回すとローラーが回転し、
プレートが横にスライドしていきます。
ローラーのすき間を通過するとき、強い圧力がかかります。

銅版と紙を強くプレスすることで、
銅版の凹部に詰まったインクが紙に写し取られます。

あらかじめ紙を湿らせておくと、紙がやわらかくなって
版の凹部に食い入りやすくなり、インクをよく吸ってくれます。

紙の端がローラーの下にさしかかると、ハンドルが少し重くなります。
つづいて銅版の端が来ると、急激に重たくなります。
ここからはかなりの力仕事です。

ハンドルを回す手にひしひしと重圧がかかってきます。
紙を銅版に押しつける力を、まさに体で感じることができます。
(小型のプレス機は安定したテーブルの天板に
バイスで固定して動かないようにしています。)

途中で手を止めると、そこだけ圧力がかかり過ぎて作品に跡がついてしまいます。
ムラなく均等に圧力をかけるためには、
ゆっくり、止めないように、一定の速さでハンドルを回していきます。
(計ったことはないのですが、時間にすれば30秒くらいなのかな?)

銅版がローラーの下を通過し終えるとき、
「がっくん」と手ごたえがあります。
紙の余白の端までくると、もう一回小さな「がっくん」があって、
ハンドルが軽くなります。
プレスが終わったことを告げています。






フェルトを持ち上げると、
紙にはっきりとプレスされた銅版のかたちがついています。



…息を呑む瞬間です。
ゆっくり、紙をめくっていきます。






しっとり湿った紙にインクが吸い取られ、
薔薇のすがたが立ち現われました。




吸い取り紙にはさんで、作品を乾かします。

続けて印刷した分を、
吸い取り紙のあいだにはさみながら重ねていき、
紙が反り返らないように、最後にガラス板をのせます。




ときどき吸い取り紙を取り替え、
作品が乾くのをゆっくり待ちます。
3,4日もすれば、完全に乾くでしょう。

北中 幸司


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

何だか思わず、一緒に力を入れて

ローラー回してしまいましたね(笑)。


仕上がった様子が早く見てみたいですね!

・・・と思っていたら、

今回の上門前での展覧会に、

この版画を出品してもらえることになりました。

是非、実際の作品を見にいらしてください。

制作過程を最初から知って見るとまた

何か感じるものがあるかもしれません。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


上門前の家(森田建築設計事務所)にて
展覧会のお知らせです。


『くらしのかたち展 仕事する服と植物へ』


森田建築設計事務所 上門前の家にて
2012年 7月 14日(土)15日(日)16日(月)
12時〜18時まで


詳細はこちら 


どうぞ皆様、お運びください。
お待ちしております。







| 北中さん 薔薇を描く | 17:11 | - | - |
版になった薔薇を印刷する北中さん その1
 

北中さんがいよいよ、薔薇の版画の印刷作業を始めました。

様々な工程を経て、完成に向かっていきます。

その道中をしばし。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

作業報告も大詰めになってきました。
今回はいよいよ印刷です。

印刷は工程が多いので、2回くらいに分けて報告します。
性懲りもなく、事細かに紹介させていただきます(笑)。

『薔薇の「銅板スケッチ」を印刷する―その 


 
印刷の数時間前に、あらかじめ紙を水に浸します。



その日に印刷する枚数分の紙を濡らして重ねます。



新聞紙などに包んでビニール袋に入れ、数時間寝かせます。
こうして紙に湿り気を与えておきます。



印刷の道具と材料です。
画面の左上隅に卓上用のプレス機が写っています。



油性の黒インクをゴムべらでよく練ります。



インクを銅版につけていきます。




水平、垂直、斜め…といろんな方向にへゴムべらを動かして、
版の凹部にインクを詰めていきます。





新聞紙で余分なインクを拭き取ります。
新聞紙を何枚も取り替えながら拭いていると、
だんだんと銅の面が現れてきました。
大体のインクが取れたら、人絹を使ってさらに拭き取ります。
仕上げには手のひらで、銅版の表面に残っている油膜を取ります。
このとき、あまり力を入れすぎて、
凹部のインクまで拭き取ってしまわないように気をつけます。




これで版の用意はできました。
このあとプレス機にかけて印刷します。
続きはまた後日に。

北中幸司

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

北中さん、どうもありがとうございました。

一枚の版画が刷り上がるまでには
とても沢山の工程、作業を経ていることがよくわかります。


インクを塗って、ふき取るところが面白いなと思いました。

・・・見ていて、こんなことをふと連想しました・・・。


・・私たちの心に印象付けられたものは
様々なイメージや体験がその上に塗り重なっていて
ちょうどインクを塗った版のような状態になっている。
そのままではその刻印は姿をあらわすことなく、
どんな刻印がされているのか、明かされることはない。

しかし何かのきっかけで、
そのインクが拭い去られるような体験や心境の変化などがあった時に、
その刻印されているものが姿をあらわしてくる。

それを記憶といってもよい。
記憶は事実そのままでなく、
その刻印が立ち現われてくる作業の過程のさじ加減ひとつで、
様々な姿、印象を表し得る・・・。



版画 には
見る人の無意識で起こっている作用を
知らぬ間に連想させたり、
そこに働きかけたりするような何か、が
画面の中に潜んでいるのかもしれません・・・。


この後の工程で何が表れてくるのか、
楽しみにしています。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

上門前の家(森田建築設計事務所)にて
展覧会のお知らせです。


『くらしのかたち展 仕事する服と植物へ』


森田建築設計事務所 上門前の家にて
2012年 7月 14日(土)15日(日)16日(月)
12時〜18時まで


詳細はこちら 


どうぞ皆様、お運びください。
お待ちしております。




























| 北中さん 薔薇を描く | 23:40 | - | - |
描いた薔薇をさらに引き続き版にする北中さん
 
あれから1週間。
今週、作業の進んだ様子を北中幸司さんが知らせてくれました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




これまでの腐蝕の工程では、葉と茎の部分があまり出ていなかったので、
上の写真のように、葉と茎を残して全体をグランドで止めました。
この状態にしてから、銅版を腐蝕液に浸けます。
今回は腐蝕液の濃度も濃くして、浸ける時間も長めにしました。




すべての腐蝕作業が終わって、いよいよ表面のグランドを除去します。
ここからはもう腐蝕作業に後戻りできません。
ウエス(ぼろきれ)に薬品を滲みこませてグランドを拭き取ります。
拭き取られたところから、元のきれいな銅の色が戻ってきました。



グランドを拭き取った銅版です。
この写真では見えにくいですが、腐蝕された凹部の深浅が大体わかります。
最後におこなった葉や茎の腐蝕は、思った以上に深く、
それに比べると、花びらや花芯の腐蝕はかなり浅いです。
今回は、花の部分と、
葉・茎の部分の濃度のコントラストが強くなりすぎたかもしれません。

これで版づくりは終了です。
あとは、この原版から紙に印刷する工程を残すのみです。
はたして、どんな刷りが得られるのでしょうか。

続きは来週です。


北中 幸司

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

北中さん、ありがとうございます。


来週はいよいよ 刷り に入るようですね…楽しみ。

腐食の差がどのように出てくるのか…

薔薇はどんな姿をあらわしてくれるのか・・・

何だか、実況中継のようになってきました(笑)。

来週の刷り上がりを楽しみに待ちましょう!









| 北中さん 薔薇を描く | 17:59 | - | - |
描いた薔薇をひきつづき版にする北中さん 

北中幸司さんより、
薔薇の銅版画の途中経過が送られてきました。

なかなか見る機会のない作業工程で、
とても興味深く面白いものがあります。
ご本人の了承も得ましたので
そのまま紹介いたします。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『薔薇の銅版スケッチの続きです。

同じような時期に、やはり同じような技法で制作した他の版での試し刷りも終わり、
いよいよ薔薇の2回目以降の腐蝕作業に取りかかります。



1回目の腐蝕を終えた銅版。
左に雁皮紙のスケッチ、右にナイロン製の細筆、
その奥の紙コップにグランド(防蝕剤)が入っています。



雁皮紙のスケッチを見ながら、
銅版のこれ以上腐蝕したくない箇所に、筆でグランドを塗っていく作業です。






薔薇の白い花びらを表現するため、ここは1回の短い腐蝕にとどめます。
腐蝕が浅いと、凹部に詰まるインクが少なく、薄い色に刷り上がります。



左のバットに入った黄褐色の液が銅版の腐蝕液です。(塩化第2鉄液)
腐蝕液から取り出した銅版は、いったん中央の白いバットに移します。
右下には2回目の腐蝕に入る前の銅版を置いています。
写真には写っていませんが、傍に卓上時計を置いて腐蝕の時間を計ります。




2回目の腐蝕が終わると、次に薔薇の花芯の部分をグランドで止めます。
この段階で見る限り、葉の描線があまり出ていないようです。
なので、葉の部分はほとんど残したままでさらに腐蝕を続けます。
いっぽうで腐蝕がかなり進んだ箇所が点在しているので、グランドを塗って止めておきました。



3回目の腐蝕が終わったあとの銅版を仔細に点検します。
やはり、葉の部分が十分に出ていないようです。
おそらくスケッチの段階で、筆圧が弱すぎてグランドが剥がれ切っていないのでしょう。
まだ過渡期の技法だということを思い知らされますね。

腐蝕の作業には、思いどおりに行かないこともままあり、
それが時として意外な効果を生むこともあります。
いいほうの効果に少し期待して、
来週あたり、いよいよ印刷に入ろうと思います。
過剰な期待は抱かずに(笑)待っていて下さい。


付録として、以下の写真も添えておきます。





腐蝕液に浸かっている銅版。
腐蝕した銅が沈殿して凹部に溜まるのを防ぐため、
表の面を下に向けて浸けています。
画面に見えているのは裏面で、ここにも防蝕剤を塗っています。




腐蝕液から銅版を取り出したところ。
(素手で薬品に触れるのは本当は良くないのですが)



銅版に付いている腐蝕液を水で洗い流します。
軽く水洗したあと、画面全体に醤油をつけます。
醤油により中和され、腐蝕が完全に止まります。
最後にこの醤油もきれいに洗い流します。



洗い流したあとの銅版の水気を切るのに、
タオル、キッチンペーパーのうえに置いたところ。
作業の間、表の面には手が触れないように気をつけます。
(最初のグランドが軟らかいので剥がれてしまわないように)』


北中幸司



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


北中さん、ありがとうございました。


現場で描く という行為のみにとどまらず、
以降の作業過程が全て作品の仕上がりにつながっていくことが
よくわかります。
コントロールできる部分とできない部分のバランスや効果も
銅版画ならではの面白さなのでしょう。



様々に変化していく作業工程を見ていると、
どこか生物の生長を見ているようにも思えます。
変態していく昆虫とか、植物とか・・・。

生物の生長はそれが
自ずから発現してゆく生命の内的な衝動によって
進んでいきますが、
作品の制作では、
その衝動が作り手の内面にありながら、
それが外部の物質に加えられて、変化し進んでいきます。
生命がそこに流れ込んでいっている、
ともいえるかもしれません。

・・・何かをつくる という
人間の行為って、とても、何だか驚異的に面白いですね。


北中さんの制作過程から、
そんなことを感じました。



仕上がり、楽しみにしています(笑)。


















| 北中さん 薔薇を描く | 10:10 | - | - |
描いた薔薇を版にする北中さん 
 
先日、上門前の庭で北中さんの描いた薔薇。

その仕上がりがとても期待されるところ・・・どうなるのかな。

とはいえ、

5月は花咲き緑うるわしい美しい季節。
北中さんも屋外でのスケッチ作業にたっぷり時間をとりたいところですから
しばらくお預けだろうな、と思っていたら・・。


早速、銅板にする作業に着手していたらしく(!)
作業の近況報告を知らせてくれました。





『銅板の上にかぶせた雁皮紙。
紙を固定するために貼っていた周辺のテープを慎重にはがします』






おお!線が写っている!

『銅版の表面に絵柄が写っているのがわかるでしょうか。
グランドがはがれた所は明るく光って見えます。
この部分が腐蝕されて凹部になります。』

北中さん、撮影していますが
ここでカメラやものを画面の上に落したりすると
もうアウトです。
危ないな〜(笑)





『それでこれが1回目の腐蝕が終わった銅版の写真です。

腐蝕された描線は黒っぽく見えます。(酸化された銅の色)
まだ印刷していないのではっきり言えませんが、
この段階で見る限り、微弱なタッチの線も比較的拾われているみたいです。』

はい。
これはかなり繊細な線まで再現しているのではないでしょうか・・。
ピアノからピアニッシモまで、表現されてきているようです・・。
仕上がりを想像すると・・・ドキドキしますね。

『2回目以降の腐蝕をどう進めていくか…
同じ技法で制作した他のスケッチ原版でお試ししてから、
この続きに取りかかろうと考えています。』


腐食の度合いによって
線の濃淡が変わってきます。


北中さんがスケッチの時にすくいあげた

「薔薇の中に息づく薔薇」

をあますところなく、表現するためには
どの程度の腐食がふさわしいのか・・・・。


録音された演奏を
表現にふさわしい音に編集していく作業
のようです。

スタジオでの作業に入っている、
という感じが伝わってきますね。


次の報告がいつ頃か、
楽しみです。



完成の目標は聞いたのですが・・。


もしそうなら、ぴったりの日ですね。

それほど遠いことではありません。

お楽しみに。























| 北中さん 薔薇を描く | 18:07 | - | - |
薔薇を描く北中さん 続き
 
昨日に引き続き、
上門前の庭に薔薇を描きに来てくれた北中幸司さん。

今日は少し肌寒いですね。
5月も2週目なのに4月上旬くらいの気温だとか。
竜巻があったり、なんだか変な天候です・・。

朝のうち、少し雨が降りましたが
時間になると晴れてくれました。



モチーフになっている薔薇は
他の花と比べて、少しなんだか緊張?気味、な感じ・・。



今日一日、しっかりしてないと、という気が
花をピンとさせているようです。




昨日の紹介ではブリッジの使い方が少しわかりにくかったですね、
と北中さん。
こんな風に使っています。

画面をまたいでいます。ほんの少しの圧がかかっても
画面に影響が出てしまうとか。

とても繊細な仕事ですね。


昨日と同じ定位置について
続きを描き始めます。




静かな時間・・・。


集中している表情だけ見ていると
わかりませんが、一番いい位置で見るために
かなり不自然な姿勢で座っています。(写真がなくて残念!)






ブリッジを使っている様子がわかりますね。

右手で鉛筆に圧をかけながら、
同時に画面を支えている左手でも下から押し返して
圧をかけているそうです。
ほとんど無意識の行為だそうですが・・。

それを聞いて、
なんだか楽器でも弾いているような感じだなと
思いました。

バイオリンを弾いているときも
体のあちこちでそういう微妙な力加減をしています。


楽器の生演奏のように絵を描く。
『スケッチ』という行為には、そういうライブ感があるようです。

アトリエの中で絵を描いていく作業を
音楽のスタジオ録音のようにつくりこむ作業だとしたら、
スケッチはまさにライブ。一度きりの生演奏です。

そしてそれを版画にするという部分が
ちょうど録音にあたりますね。
再現性、という意味では
銅版画の原版を屋外に持ち出して
スケッチするという行為が、
ライブ演奏の録音を可能にしたわけです。






出来上がりました。

写真では十分写っていませんが、
とても繊細で美しい画面。
本物以上に本物らしい、エレガントさ・・・。

肉眼でもあまり見えないけれど描きこんでいる線もあるそうです。
それは版画にしたときには再現されるとか。

刷り上がりがとても楽しみです。


この季節は屋外でのスケッチが忙しくて、
しばらく版にする作業はおあずけだとか。

花の季節が落ち着いた頃に、
仕上がりを目にすることができるでしょうか・・・。


北中さん、どうもおつかれさまでした。
ありがとうございます。


庭の薔薇たちも描いてもらえてうれしそうです・・。

































| 北中さん 薔薇を描く | 03:58 | - | - |
薔薇を描く北中さん
 
先日、安部太一さんの展覧会に来てくれた北中幸司さん。
どことなく雰囲気の似た(偶然、お揃いの服装!)二人が
語り合う様子は、ものづくり同士の楽しげな様子でした。

その時、庭の薔薇を見て
せっかくだから描きに来ましょうか、と
北中さん。
薔薇は普段あまり描くことがないようです。
うれしいな〜。
どうなるのか、楽しみ。

去年はこの庭で、
上門前の家での展覧会のためにベル鉄線を描いてくれました()。
暑い時期だったのですが、
今回はその時より、屋外スケッチにはいい日和です。




どの薔薇にしようか。



上門前の庭の白い薔薇は原種に近くて、椿のようにも見えます。
どうもこちらがお気に入りのよう。



いい具合に咲いている花を選びます。



道具が並びます。

今年になって少し技法を変えた北中さん。
それによって、今までは表現できなかった描線が描けるようになったとか。

例えるならば、

『フォルテやフォルテッシモだけだったところに、
ピアノやピアニッシモが入ってくるわけです』

と、本人の言葉。

強弱の幅が広がると、表現はずいぶん広く、深くなるでしょうね。



モチーフに合うサイズの原版を選びます。



持って行って合わせてみる。
・・・う〜む、どれがいいかな。




手前に重ねているのは
原版に手がつかないようにするためのブリッジ。

画面に圧がかかるとそれがすべて写ってしまうので
細心の注意が必要なわけです。



気持ちよくピンピンに削られた鉛筆。
9Hという薄くて硬いものから、Hくらいまで揃っています。

今までは紙が厚かったので筆圧が必要で9H程度しか
使えなかったのが、
今年になって雁皮紙という薄い紙を見つけたので、
筆圧を減らすことができるようになり、
描線のタッチの変化が付けられるようになったそうです。
作業時間も前より長くすることが可能になったとか。
確かに力を入れながら、集中して描くのは
精神的にもかなりの重労働のはずです・・。

作業条件が随分変わって、
表現はさらなる自由さを獲得したことでしょう。
これは作家にとっては、素晴らしい進歩ですね。




・・で、思わず笑みがこぼれる北中さん(笑)。
まあ冗談はさておき、原版のサイズも決まったようです。




構図を決めます。






・・・もうここからしばらくは私たちの関われない時間。
いってらっしゃい。


かくして数時間。

今日は花だけを描き上げました、と。





繊細な描線と表現に思わず感嘆の吐息。
描かれているモチーフの実物の花以上に
薔薇らしさが伝わってくるような・・・
何でしょうね、これは。

写真でどれくらいわかるかな・・。


明日は続きの葉を描きに来てくれます。


深く集中し緊張した後の
解放を楽しむような、とてもいい笑顔を見せて、
北中さんは
帰路についていきました。


ご苦労さまでした。




明日もよろしくお願いします。







































| 北中さん 薔薇を描く | 16:01 | - | - |
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