待ちに待ったシサムコウボウ裏寺通り店のオープン。
23日は
スタッフの皆さんが念入りに準備し、レイアウトし、
サインのペイントや庭の最後の仕上げを行って、
迎えたプレオープンの日。
ものが納まって、らしくなった店は
明るく晴れがましい表情で、
初々しくも、ゆったりとした落ち着いた印象で迎えてくれました。
シサムコウボウの皆さんが
届けたいと思っているフェアトレードの品々の輪郭がはっきりと見え、
そこに通わせた意識が明らかに感じられるような
お店になっている、というのが受けた印象でした。
設計者として、
又一緒に店造りをさせていただいた者として、
それほどうれしいことはありません。
シサムコウボウさんの志す、
フェアトレードの理念と実践が広がっていくための、
新しい場が一つ出来た、と感じました。
これはきっと新しい始まりなのでしょう・・・。
裏寺町という場所に根ざしながら、
この店が育っていく様子が想像されます・・・。
ところで、少し話がそれますが・・。
建築の設計という仕事は
物や形を生み出す仕事、というのが一般的な印象ですが
その前に、その前提になる、大切で必要なことがあります。
それは 『いかに関係性を生み出すか』、 ということです。
『見つけるか』 といってもいいかもしれません。
その場所、土地、環境との関係性からはじまって、
行為と場所、行為と行為、人と人、新しいものと古いもの、
既存の建物、素材同士など、
無数のものこと同士の関係性を如何につくるかということの
考察の上に、ようやく建築の形が見えてきます。
それはどんなに小さいものことにでも、
大きいものことにでも適応できるでしょう。
考慮に加える条件も無数に見つけることが出来ると思います。
出てきた答えがなにかを造らない、
という選択肢もあり得ます。
目的は 関係性をうみだす、ということだからです。
反対に、当初の想定している目的以上のものに
膨らんでいくこともあります。
例えば、窓を設けるときに単なる窓、
と規定してしまえば、
それ以上の可能性は見えてこないのですが、
そこに窓ができた時に
その場において望まれる行為や体験を想像する時に、
そこで生まれ得る関係性が、より大きなものになっていくことも
当然ありえるからです。
それがよりよくなるように答えを導き出していくこと。
馴染んでより豊かなものをもたらすような関係性、
体験をもたらす形、
に辿り着きたいと考えています。
日々、自分が行おうと心がけている設計、
とはそういうことなんだなと、
最近、ようやく言語になったのですが(笑)。
・・・それは、シサムコウボウさんの姿勢と
どこか共通するところがあるかもしれません。
フェアトレードという理念も、
まさに新しい関係性をつくっていこうとする実践だと思います。
その関係性が生まれ、繋がっていく喜びに感動を覚えている・・・。
根っこの方で流れるものに、
そんな共感をどこかで感じながら、
店づくりを一緒にしていたような気がします。
シサムコウボウの皆さん、頑張ってください!
ありがとうございました。