現場は大工工事が大分進んできました。
1階はベンチと腰壁が大体終わりました。
腰壁の板には手はつりの松板が張られていますが
とてもいい雰囲気になっています。
おもわず手で撫でたくなるような感じです。
(肝心の腰壁はこの写真には写っていませんが・・。)
階段室。左官仕上げの為の下地ボードが
張られています。
トイレの窓。
古材で枠が組まれています。
上に見えるのは天井内に納まる給気ガラリ。
焼肉のテーブルのロースターからは
大量の空気が排出されるので、
その分の空気を供給しなければ、
ロースターからの煙が室内に逆流してしまいます。
このような給気ガラリが各階に数カ所、設けられていて
そこからその空気が供給されます。
ただ使用後も防虫網の掃除等、様々なメンテナンスが必要で、
取り付け位置や点検口の設置など、
色々な面からの検討が必要でした。
この建物では限られたスペースの中で
そのような設備的な部分をどのように納めるのか、
考える箇所が沢山ありました。
意匠面には様々な制約になりましたが、
そのことがかえって面白い意匠や空間を
生み出す契機としてはたらいてくれたようです。
この部分も今見えている状態と全く違う形に仕上がります。
2階北客席上がり口部分の
古材で組まれた飾り棚。
奥には配管の為のパイプシャフトが仕込まれています。
この部分は同じアングルが前回の写真の中にあります。
どんな風に進んだか、変わったか、
見てもらえます。
2階の道路側客席。
パイプシャフト内の設備配管の位置が
設計時の想定と変わったので、シャフト寸法も変更。
意匠も現場で再検討して変更します。
この辺りは現場での即興的な部分で、
机上では思いつかないようなかたちが生まれることも
多々あります。
その部分を構成する為の古材の組み合わせを
木村工務店さんの作業場で皆でわいわいやりながら検討します。
端材のような残りの材もなるべく活かして使えるように
使用法や位置を検討していきます。
これはなかなか貴重な古材、地松の大きな板。
どこに使うか,紆余曲折ありましたが、
どうやらけんどん式(上下の溝にはめ落とし)の
建具になることで落ち着きました。
大きな一枚板の建具と言えば、
河井寛次郎記念館の囲炉裏の間の後ろに
そのような引き戸があるのですが、
以前ひそかに動かそうとしてみたところ
あまりに重くて、
そして多分扉の反りで溝にかんでいることもあるのでしょうが、
全く動かなかったのを覚えています・・。
一枚板の建具はどうしても反りを避けられないので、
この松板も結構反ってしまうかもしれませんし、
案外何ともないかもしれませんが、
裏に何らかの反り止めは入れることになると思います。