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みんなのおうち

暮らし始めて1ヶ月ほどになる
後藤家のみんなから、
写真が届きました。


・・・おうちの好きなところは?

 

『家族に聞いてみたところ、

みんながみんな「ぜんぶ!」と答えるんだけど・・・』



『その中で、みんなが口を揃えてゆうのは

朝に差す光の美しさです。

おかげでみんな早起きです。』




『杉の床もだいすき。

優しいから。』



『キッチンに面した大きな窓と濡れ縁も大好き。

すぐに外に飛び出せるし、

遊んでいて外からお母さんが見えるし

ひなたぼっこしながらシャボン玉できる。 』



『キッチンに立っていると

おひさまの恵みを体中に感じて

本当に元気になります。』





『子供たちは、ライブラリーの机が大好き。

外を見ながらお絵描きができるから。』












『お風呂もだいすき。』





『このおうちは家族のひとりのような感じがして

みんなだいすきです。』



お便りありがとう!

本当に楽しそうで、僕もうれしいです。




| 『アイランド計画』 | 20:46 | - | - |
森田建築設計事務所 現場レポート『アイランド計画』9
 今日は、無事竣工なった 
後藤アイランド竣工祝いの餅つき。
おちこちから人々が集います。
僕らも京都から数名で駆けつけます。

そういえば、
今朝は真っ白の空に
白い太陽が月のような
まんまるの姿を見せていました。
黄砂のせい、
といえば何となく説明がつくようですが
どうして今日なのでしょうか・・。
僕はこれを『天からのお祝い』と思う事にしました。



納屋にあった石の臼、杵も出して準備万端。
家の前の広場にこうして沢山の人が集まるのは
きっと随分久しぶりのことに違いありません。
新たな姿になった家は
晴れ晴れとして、うれしそうです。



よいしょ、はいっ、よいしょ、はいっ
後藤夫婦が餅をつきます。
めでたいめでたい。
餅つきをして祝福を、お祝いを。
おめでとう!



大家さんが餅つきの指南役。
ここでの暮らしの様々なことが
こんな風に
後藤家の人達に手渡され繋がれていくことでしょう・・。


ねえ餅つきって楽しいね〜
子供達は餅つきに素直に共鳴しています。
大人も皆、なんだかうれし楽しい。



西家の男衆による民舞の奉納。
天晴、何とも、よくぞ演じて下さいました。
東北の舞だそうですが、
この日本の大地の中で脈打っているエネルギーに
共鳴して立ち上がってきたものには
場所は違えど何か共通のものがあるのでしょう。
こういう時には本当にぴったりです。
この場の皆が感じているものが、
形になり、音になり,舞になっている様を
見せてもらって、有り難かった。
こんな風に見えないものを見えるものにして、
その場の皆で共有出来るようにしてきたのが
もともとの芸能なのかもしれませんし、
まさに神事ともいえるかもしれません。




家の中でもくつろぐ、
一体何人いたのでしょうね(笑)。
家は余裕しゃくしゃくで受け入れていました。




キッチンには光が射し込んで
庭越しに畑が見えます。
そこを子供達が走って行きます。
みんな笑ってる。



亀井さんも駆けつけて餅をつきます。
ご苦労さま、お世話になりました。
ありがとうございました。

後藤家から僕ら二人に花束を頂きました(涙)。
どうもありがとうございます。
うれしかった。

まだ離れの方もあるし、亀井さんとも
又仕事をご一緒できるかな・・。



この日は
本当に一日中、晴れ晴れとして夢の中のような
楽しい時間でした。

絵本の中のような、
子供の頃の記憶の中にある
夢か現かどこか知らないけれど
忘れ難い楽しい場所、時間
そんなところにいったような・・。

家とこの場所は新しくなって
そんな力を発揮してくれました。
そしてこの家の人達が
その力を引き出して方向付けているのだと思います。
僕が汲み出したファンタジーは
そこから生まれてくるもので、
周りとの繋がりの中で出来上がり、生きていくものです。


後藤家のみなさん、
おめでとうございます。
物語はこれから始まりますね。
暮らし、喜びと学びが多くの人と共有出来る場・・。
楽しみにしています。


Bon Voyage!


ありがとう。











| 『アイランド計画』 | 00:21 | - | - |
森田建築設計事務所 現場レポート 『アイランド計画』8
 
後藤アイランド・・・


来週の引き渡しを目前にして、現場は追い込み中。
左官屋さんが壁を塗る傍らで、
電気屋さんがペンダント照明を吊る為の
陶器のローゼットを天井に取り付けています。



工事の最中に少し形を変更しました。
ここがもともと大きな土間空間だったことと、
沢山の人が集まる場所、
という使っているときのイメージがあったことから、
内と外を繋ぐ場、としての玄関土間を広くとって
室内に入り込む形にしていたのですが・・。
ある寒い日に、土間が部屋に入り込んでいると
きっとこんな日は室内が寒いに違いない!ということに、
自宅にいて気がついて(!)
急遽、土間を小さくして、
かつ玄関土間と部屋内を区切る為の障子をつけることにしたのです。
結果はピンポーン!正解でした。
室内も広くなったし、
玄関を区切る為に必要になった柱で
丸太の梁を受けることができて、
厨房を作る為に抜いた柱への荷重をここでも補うことができるようになり、
結果的に色々な意味でベターな形に。
いや〜,工事に間に合って良かった・・。
あの日の寒風が運んで来てくれたお知らせに感謝、です。
我が家を寒い寒いといってくれた(?)女性陣のおかげでもあります・・。
・・・うちも改善しなくちゃね。はい。




外部周りも大分出来てきました。
親方の亀井さんを始め,
現場の皆さん興味を持って取り組んで頂いていることが
雰囲気からも仕上がりからも伝わってきます。
窓の木製の水切り等、なかなかのものです。

来週の引き渡し時に来れないので、
今日分るところをチェックして、亀井さんに伝えます。

あと少し。
京都で照明器具等を探してきます。


しかし,随分家の雰囲気が変わったものです・・。
眠っていた良さが引き出されたのでしょうか。
後藤家の皆を始めとする、想いがここまで導いたのでしょうか。





いつものようにあのでっかい庭に後藤家の二人とお弁当を頂きに。
現場を見にくるのもこれが最後です。


のりちゃんの歩く後ろ姿と家を見ていて
彼女はここに辿り着いたんだな、と
長い長い道のりを旅して。


信じること


そこから生まれる本当の強さ


『本当の強さは
やわらかくて あたたかいものなんだよ』


そして 
何一つ 誰一人として 欠けていても
ここには辿り着かなかった ということ


・・・・・・・・・・・


僕はここで仕事をさせてもらったんだな、と思いました。
人はいつも、誰でも、そうなのです。
その流れの中にいるのです。


ありがとう。




| 『アイランド計画』 | 23:04 | - | - |
森田建築設計事務所 現場レポート 『アイランド計画』7
 

後藤アイランドの現場。
着々と進行中。今日は2月とは思えない暖かな気温の中、
現場を見に来ました。(和歌山ではなんと昼間の気温20度を記録。)
来るたびに家が何だか軽く、
何となくかわいくなっていくように感じられます。
家の持っていた良さが目に見えるようになって来ている、
ということかもしれません。





玄関の脇では窓辺の机とその上の屋根を施工中。
杉の厚板を野地板として張っています。
何だか楽しそうな場所に変わって行きます・・・。
子供達はここで勉強より、
お店屋さんごっこに使いそうだな〜とか、
前の庭を客席にして人形劇やったら面白いね!とか。
夏の夜にワヤンクリ(バリ・ジャワの影絵)をしても
とっても面白そうです。周りは田圃だしね〜。雰囲気もあいそう。
なんて想像に大人達も盛り上がります。




入って右手は半透明の屋根で明るいスペースに。
キッチンや水回り。きっと光りが気持ちいいでしょう。
夏は暑いかもしれませんが、そうなったら
外からすだれをかければいいね、と。

・・・起こりうる全てのことに対応出来るように
最初から完璧に家をつくるのは
なかなか難しいものです。
何か起こった時に、
工夫や気持ちで補いあえる関係が
住む人と家づくりに関わった人同士の間にはもちろん、
又、家と(住んでいる)人の間にもできればいいな,と思います。

そうして少しずつ、
暮らしながら家が変化し、
また完成して行ってもいいとも思うのです。

暮しや家族も時間とともに変化して行くから、
意識や考え,行為も変わっていきます。
場のあり方や家の形、大きさなんかもそれに対応すれば、
実はどんどん変化していくものだろうと思うのです・・・。
その変化に柔軟にいられたら、素敵な気がします。

それを形にするのは、
変化の度に家を改装するということでなく
ものの置き場所を変えるだけでも十分、ということも
あるかもしれません・・。




床の下地が出来て、
場の姿が次第にハッキリしてきます。

正面の大黒柱がなんだかうれしそうに見えるのは気のせい?
(まあ,写真ではわかりにくいのですが、
玄関を入った真っ正面に檜の大きな柱があります。)
以前の形では、
あまりその存在がはっきり見えてこなかったのですが、
今回の改装では、
ここが家で一番家族の集まる場所になって、
その中心的な場所にある柱になります。
その存在に相応しい位置に来たから、かもしれません。


今日も、あの広い庭でお弁当を頂きました。
どうもありがとう。




| 『アイランド計画』 | 00:37 | - | - |
森田建築設計事務所 現場レポート 『アイランド計画』6
 今日は、お清めの炭を埋めるために朝から現場に向かいます。
・・朝の通勤電車に乗ってみて、
大阪から和歌山に勤めに出ている人が
予想していた以上に沢山いることに驚きます。ご苦労様。

現場に向かう前に後藤夫妻と一緒に氏神さまの神社にお参り。
今朝お参りしてきた今宮神社と同じ神様がお祀りされていて、
何だかとても安心しました。

二人が床下に潜って掘ってくれた穴を
三人で順に回ってお酒,塩とともに炭を入れてゆきます。
炭の粉が舞う中、床下に差し込んでくる光が美しい・・。
炭が埋まると、場から感じるものが清々しくなってゆくようです。
無事にすんで良かったこと。有難うございました。




現場では亀井さん達が工事を着々と進めています。
新しい姿が形づくられていきます。



離れの下屋庇からの視線が抜けました。
・・何年ぶりのことでしょう。



内部では低かった梁が上に架け替えられています。
新しい床の下地が形づくられています。



以前の離れとの間の壁は全面的に作り替えます。
傷んだ柱は差し替えてもらいました。
新しい梁が丸太梁を受ける架構になっています。




合板張りの既存天井を解体して出て来た小屋裏。
高さもとれるのでこの姿を活かす形に改装案を変更しました。



お風呂の基礎がたちあがって、今は配管工事中です。



かつての式台玄関にあたる位置は
姿を変えて、楽しげな(?)場所に生まれ変わります。
かけ声をかけて、亀井さん達3人の大工さんが大きな部材を納めています。





これも家の一部です・・といってもいいくらい近くにある立派なお寺。
広々とした芝生の中にあって気持ちのよい場所。
こういう場所はその周りに住む人みんなのためのもの。
きちんと維持管理されていながら、
みんなに開放されていることでこの場所が活きていて、
素敵なことだなあと思います。
今日はここでのりちゃんがつくって来てくれたお稲荷さんを
三人で頂きました。美味しかった。ありがとう。
いつもお弁当を作って来てくれるのですが、
それを現場やそのまわりでこんな風に頂くのを
実は毎回とても楽しみにしています。いつもありがとう。


昨日までとても寒かったのに、
今日はよく晴れて暖かな春の様な一日でした。

    の この日の様子も楽しそうです。


| 『アイランド計画』 | 22:23 | - | - |
森田建築設計事務所 現場レポート 『アイランド計画』5

屋根の輪郭が見えて、空が間に入り込む。



無くなってみて、
やはりそこが余分だったことがよくわかる。
家が軽くなった。
接続していたときは、
屋根が谷樋になって納まりも不自然だったところ。
初めて見たときから気になっていたので、
すっきりした姿を見て安心する。



離れ側を見る。
屋内に取り込まれていた井戸も屋外になって落ち着いた。
畑に向かって開けたこの部分を『青空広場』と名付けてみた。
農作業や様々な仕事、屋外での食事やお茶など
色々なシーンが浮かぶ。パン焼き釜をつくっても
楽しそうだ・・。
手を使ってはたらくことがよろこびになる場所。
後藤家のみんななら、
周囲の人達と様々にわかちあいながら
きっと存分に使ってくれると思う。



内部も解体され、新しい姿になるのを待っている。





ブルーシートの向こうに新たな姿が見え隠れする。
亀井さんが各部分について十分に考えながら、
解体を進めてくれているのをきいて、安心。
実際に建物をつくるのは工務店であり、
現場の職人さんなので
こころをこめた仕事をしてくれる人達と一緒につくれることは
家づくりにあたってとても大切なこと。
亀井さんとの縁も後藤家のみんなの人徳だと思う。

これから本格的な工事にはいってゆく。



















| 『アイランド計画』 | 23:29 | - | - |
GRACE
今日は、後藤アイランドの設計契約と工事契約を結ぶ日。
ふたつの契約が重なるのも普通はなかなかない形なのだけど、
ここではそれが相応しいのだと思う。
ようやくこの日を迎えられて嬉しい。

駅まで迎えにきてくれた後藤家の面々。
顔を見ると、なんだかほっとしてまた嬉しい。
ー遠路ありがとう、こちらこそ、ありがとう・・。
ところがその5分程の駐車の間に駐禁を切られてしまった。
ーこれはきっと厄払いね、
ーそうそう、これで済んでよかった、と
気をとりなおして現場へ向かう。
車中、雲の切れ間から幾筋もの光が地上に注いでいる光景を目にする。
これは祝福、よい兆し・・心配ないよ。

家は空の中に屋根の輪郭を
以前よりもはっきりと見せながら、端座していた。
家の中にも、もう以前あった過去の澱のような気配は残っていない。
からんとして、工事を待つばかり。
準備が整ったのだと思った。
来るべき時に来るべき時期がきちんと訪れるし、
そのために必要な時間や事柄が揃わなくてはならないのだろう。
大自然の大きな意志、流れというものを感じる・・・。

工事をして頂く亀井さんと後藤家の工事契約も無事に。
そして工事の打ち合わせ、2月末までの工事の様子を想い描く。
来週にはもう一度解体後の現場を確認に来ることに。
ここまでかかった時間の分、勢いがついて(?)早く進みそうだ。
古建具や照明、塗装など、様々な段取りを考える。
家は待っている。

お父ちゃんものりちゃんも、
熱をおしてきてくれたふみちゃんもみんな嬉しそうだった。
のりちゃんのブログには喜びや気持が素直に素敵に綴られている。
読んでいて、10年前の事から関わる人たちのこと等々、又
あらためて家をつくる、ということについても
想いを馳せてみる事が出来た。
どうもありがとう。この日には色々学ぶ事、確認する事があったね。


帰りの電車中で、
今日感じたような感覚をなんというのだろうか、
と考えていた。
全てが整えられて、進んでいくばかりの状況、
そこへの喜びと感謝が湧いてくるような状態を・・。
読みかけの本の中に相応しい言葉があった。

ーGRACE 恩寵

芹沢光治良先生の『人間の幸福』から。


工事を終えた時、また
この言葉を思い起こせるように、
竣工まで進んでいきたい。














| 『アイランド計画』 | 00:33 | - | - |
物語の頁をめくる
 アイランド計画地、和歌山へ、
図面を持って城君と向かう。
最初に訪れてからもう半年以上が経って、秋の気配。

夏の間に家の中は掃除が進んで、
前来た時よりも
随分雰囲気があかるげになっていた。
前あったかげりが随分少なくなって、
部屋の中を風が吹きぬける。
これから住まいする人たちの心づくしをうけて
家が少しずつ変ってゆく。
ひとといえのあいだにも『交流』はあるのだなあ、とあらためて思う。
玄関土間に後藤夫妻と
みんなしゃがんで図面について説明。
古い家なので解体してみると
予想外の部分が出てくるかもしれないが、
きっとそれもうまく解決の形が見えてきそうな気がする。

大工さんの亀井さんに図面を渡して説明を。
昔ながらのつくりのこの家を
新たに甦らせるのに
きっとうってつけの人なんだと思う。

みんなでこれから起こることに向けて
笑いとともに語り合う。

パーツが揃ったように
いろいろなものひとことの歯車がかみ合って動き出し、
次の段階へ進みだしたようだ・・。

家の前ではたわわに実った御米が風に揺れている。
来年はこの家の裏がその田んぼになる。

今日の日は
おだやかでどこまでも明るい、静かで力のある光。
心と身体に満ちて、安心する・・・今日はよい日。
物語は次の頁へ。


ー夫婦日記 妻へ
これもきっと大きな物語の一部だね。
あのときの12章はプロローグ・・。



| 『アイランド計画』 | 10:47 | - | - |
のぞみ は ひかり よりはやい
和歌山のG家の改装案がまとまり、
計画を進めることになった。
既存の建物を再度実測する為に泊りがけで和歌山へ。

午前中にオイリュトミーのワークショップに参加。
身体技法の中でも、太極拳やヨガにはあまりない、
一緒にいる周囲の人との繋がりやまとまりを意識するような動きがあったり、
そこに思いがけない発見があったりして、新鮮で不思議な体験。
そこで出会った人たちとは初めてなのにどこか懐かしい感覚。
あえてよかった、再び。ジャスミンの花が微風の中に香る素敵な場所で、
日だまりの中、それを確認しあう。

午後から現場に入り、実測に。
新しいかたちが決まったからか、
今回は家の方が次への用意をしているかのような印象を受けた。



屋根裏にも上がって梁組みの確認や実測をする。



できあがりの姿が想いの中では既に立ち上がっている。
もう決まっているかたちに向かって、
現実の方がそれをなぞっているかのような気さえする。
想いのほうが先に進んで、現実は半テンポ遅れてついてきているようだ・・。

このあたりではこの家のつくりは典型的な形だそうだ。
ここの工事をお願いする大工さんが教えてくれた。
このような伝統的な民家の仕事にも詳しそうで、頼もしい。

想いが光の中で物質化して形になってゆく。
のそみはひかりよりはやい。



| 『アイランド計画』 | 21:09 | - | - |
光と鳥
和歌山の友人Nちゃん一家が住むことになった
古い家を久美と見に行く。

彼女は家族四人でそこに住み、
シュタイナー保育を行う場所にしたいという。

その家は田畑に囲まれ、東側に川の流れるそばにあった。
畑の向こうにはなだらかに続く山も見える。
古くから人が住んで土地と共に生きてきた場所。
今は少しずつ宅地にもなり、
周囲には自動車道や工場も見える。
それでもまだ古くからの土地との関わり方の気配の方が濃厚だ。



陽だまりの中庭を囲むようにL字型に平屋の建物が建つ。
正面は住まいで右手は農具小屋、作業場といった風情。
低めの軒が長く伸びて好ましい。



母屋と作業棟の屋根が
谷を作って一体になっているのが気になる。
雨仕舞いを考えると禁じ手のような造りだがどうしてだろう。
大工がそのことを知らないはずはないから
わざわざこういう造りにしたということになるが、
どういう理由だろうか。
来る道すがらにも全く同じ形の家があったようだし、
近在の江戸時代の大庄屋の建物もこれに近い形だから
この地方固有の形式かもしれない。

・・・似たような屋根の繋がり方の民家を
撞木造り(しゅもくづくり)と呼んで、
もと九州東北部から壱岐対馬一帯に住み、
瀬戸内海から東進して各地に広がった海洋民族である
安曇(あずみ)族の固有の形式としている本もある。
(『民家の来た道』川島宙次著 相模書房)
母屋と火を使う調理の場である釜屋を分けながら
屋根を接続して建てる形式で、安曇族が各地に進出した先に
残しているそうだ。紀州にも来ているから、
その形が代々受け継がれて残っていたのかもしれない。
火を使う場所を離すのは採暖に利用する必要が無いからで
そもそものルーツは東南アジアの諸地方から伝播されたものと考えられ、
インドネシアのトラジャ族にも同じ形式の家がある・・。

この家が建ったのは60年ほど前だそうだ。
その後、釜棟の前にあった井戸も取り込んで
南に増築して今の形になった。
井戸を屋内に取り込んでしまったのは
湿気や冷えの元になって失敗だったのではないか。
増築部は倉庫と牛小屋と便所になっていたらしい。



家を見ているときに大家さんに出会い、
この家にまつわる様々な話を聞かせてもらう。
大家さんは不思議な雰囲気を持つ人。
周りの畑で大きな美味しい野菜を沢山つくっている。

平屋には不釣合いなほど
良い材の大きな柱や差し鴨居、丸太梁を使って組み上げられたこの家は
雨漏りを除けば今でも随分しっかりしている。
この家を建てた大家さんのお義父さんの個人的な思いとは別に、
全うすべきお役目があったような気がしてくる。

大家さんが畑から収穫した野菜を
久美たちにどんどん持ってきてくれている間に
家の実測を行う。
場所場所に残った思いや情報があって、
大家さんとの話がそれを裏付けてくれる。
周っているうちに、
どこをどう直していけばよいのか、自然に見えてくる。
残すところと変えるところ、取り除くところ・・・。
新しくなった場所で子供たちや大人たちが、
様々に動き、話している様子が浮かんできた。


実測が終わって外に出ると
大家さんの収穫も終わり、皆の方へ行くと鳥が一羽
よく響く声で鳴いて、家の上を飛んでいった。
Nちゃんが作ってきてくれたお弁当を広げて
家の傍らで畑を見ながら、三人で話す。
大きな鳥が一羽、飛んできて川向こうの工場の屋根にとまって
こちらを見ていた。
Nちゃんの夢の中にも大きな鳥が飛んできたという。
陽だまりの中、なんだか安心して素直な気持ちでそれぞれの想いを話す。
未来への想い。
T先生の『想いが陽で行為が陰です』という話を思い出していた。
物質的なことに焦点をあわせて生きると光を見失う。
物質は影だから、それをもたらす光の方からものを見ること、
行為すること・・・。

彼女のすぐそばでその実践を始めた人の話を聞いてうれしくなる。
ありがとう。

大きな流れ、
ぼくらはそのところどころを感知できるに過ぎないけど、
はっきりと存在していて、その中にいる。


家に帰ると
今ウィーンにいる古い友達から
星と鳥が届いていた。











| 『アイランド計画』 | 00:10 | - | - |
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