今朝、安田邸の食卓になるテーブルを臼杵さんと納品した。
玄関では福助さんが「いらっしゃいませ」。
安田家のご主人、くりとさんに相応しく、
栗無垢板のテーブル。国産漆の拭き漆仕上げ。
・・来て早々、家によく馴染んでいますな。
デザインを私が担当し、制作は臼杵さん。
形がシンプルな分、実際の作り手のセンスが仕上がりをかなり左右する。
毎回、臼杵さんの木の扱いやフィニッシュ具合に感心するが
今回も何とも格好よく、気持ちよく納まっている感じがする。
貴重な国産漆を『中国産の漆が手元になかったから』という理由で
惜しげもなく使ってくれたおかげで、
少し黒っぽくどこかしっとりとした質感に仕上がった。
『丈夫さは中国産とはくらべものにならんよ、使っていくときっといい味が出る』
と飄々とした表情。
・・・表向きの理由はどうであれ、
実は臼杵さんの中では、もうあんまり中国産を使いたくない、と決めている
のだろうな、と思った。
中国産漆には油が混ぜられているので、仕上がりや耐久性に影響するらしく、
国産漆と使い比べてみてその良さを確信したのだろう。
出来るだけ国産漆を使いたいという、臼杵さんのものづくりに対する本気は
今年、浄法寺に長期の漆研修に行くという決意にも現れていると思った。
自分で漆を調達できるようになるために、本腰を据えて学びに行くそうだ。
・・頭が下ります。陰ながら応援しています!
安田家には
ものや意識がしっくりと納まるべき場所に納まったような、
そんな居心地のよさが漂っていて、楽しげな暮しを感じる。
このテーブルも早くもその一部になっていて、よかったと思う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
家のほうは工事が進んでいる。
今日は土間側の床板が張りあがって、庭に面するところに古建具が入った。
もはや改装前の印象が思い出せないくらい、
明るく新しい家になったのを感じる。
この建具、実はもともと安田家に入れた古建具と一揃いの兄弟で
2枚ずつ分け合った。
同じ建具でも、場所が違うと印象が変わるものだ。
キッチン周りの下地。
以前キッチンのあった場所。
古いレンガ積みの腰壁が、床が出来て又新鮮な印象に映る。
今日は途中、思いがけないハプニング(詳しくは
久美のブログで)もあったが、
考えてみれば節分に相応しい出来事だったような気もする。
家が自らを生まれ変わったと確信したから、
その姿を見てほしくて大家さんを呼んだに違いない。
変わりましたよ、嬉しくなって家がそう宣言したのだ。
この家の改装も櫛谷建築の皆さんでなければ、
こんな風に仕上がってこなかったろうと確信している。
どうも有難うございます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
世界は一人一人の心のありようの投影だそうだ。
否定的な感情をもてば、それが現象として現れるし
肯定的な感情を持てば、そういう世界になる。
だから否定的な感情がなくなればそういう現象も現れようもない。
一人一人の心の投影が現象世界を形作っているのならば
一人一人は独立した個別の存在ではなく、
全ての人の意識は一つに繋がっているのだということが分かる。
個に思えるものがちょうど生命体の中の一つの細胞のようなものだとすると
それが単独で存在しうることは有り得ない。
個が単独で存在しうるという誤解が、
がん細胞のような存在を生んでしまうのかもしれない。
一つに繋がっているのだから
利己的な考えや否定的な感情というのは不自然なものだということになるし、
本来有り得ないことになる。
だから不自然だと思うようなことをしなければ
結果的に本来のあり方に落ち着くということになる。
そうすると、肯定的な感情は本来的なあり方そのものだ。
愛や思いやりや感謝や喜びなどとして、
認識している諸々の感情は人が生命として基本的に持っているもので、
素直にそれを発芽させ、育てていくことが、本来のあり方なのだろう。
その感情が投影される世界も、
その状態が本来のあり方なのに違いない。
それはきっと楽しい素晴らしい世界だろう。
だから、常に肯定的な感情でいましょう!