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現場回想:開店に向けて (吉川の古民家 premdan 16 )

 

開店に向けて

この場所にあった家具を色々探しました。

 

縁あってやってきた椅子たち。

 

 

イギリスの古い教会椅子など。

よくはたらいてきた健やかで美しい椅子たち。

これからここで新たなお役目です。

 

ストックルームさん()、どうもありがとうございます。

 

 

テーブルは古いものがいくつかと

木工作家の臼杵春芳さん()に

古材を使って製作してもらいました。

 

 

臼杵さん所蔵のケヤキの古材。

新材と組み合わせます。

 

 

新材とあわせ、組みあがったところ。

これから拭き漆で仕上げます。

 

乾燥期間を経て、先日搬入されました。

 

 

空間が凛とした雰囲気になりました、と坂口さん。

 

ケヤキが沢山使われている家なので、

ケヤキの古材はよく合うことでしょう。

以前、私の意匠したテーブルで、

込み栓などで組んであり

ばらばらにほどくこともできます。

うちの事務所の上門前の家にあるテーブルと

ほぼ同じ形の兄弟です。

臼杵さん、制作をどうもありがとうございました。

 

 

こうして少しずつ開店に向けて、日々準備が整ってきました。

開店がとても楽しみです。

 

このお店は坂口さんにとってはもちろんですが、

私にとっても、よく知る建築の諸先輩方が

前回約30年前の改装に関わっていたこと、

そこをあらためて直すということで

何か深い縁を感じました。

そして、古民家というものへの関わり方やとらえ方、

そこに見出していくものが時代とともに変わってきたこと、

時代、人の意識の変化ということ、

そして変わらぬもの

について、ひしひしと感じ、あらためて考えました。

 

端的に言葉にすれば、

非日常へ飛ぼうとするのではなく

日常へ深く関わることで

見えてくる光に向う ということが

今の時代のこころの求めているところのように感じます。

 

そのベクトルの先には

今までの既製の価値観や考え方を根本的に

あらためるような要素も沢山含まれていて、

そこにまだ見ぬ人の可能性も感じます。

ずっと先には戦争のような発想の生まれない、

平和で美しい世界を人は創ることができるという可能性も

見えてくるようです。

 

一方で、前の時代と先人のはたらき、残した形があって、

私たちはこれからのありようについて考えることができる、

ということも感じました。

 

こうしたことを感じていたのは

坂口さんがここでしようとしているお店のありようについて

考えられていたことと、

こころのどこかが共鳴していたからかもしれません。

もしくは感じていたことが機縁となって

私もここに関わることになったのかもしれません・・。

 

 

以下は坂口さんのこのお店についての想いです。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

いのちをいただくことは
いのちをつないでいくこと
いのちあるすべてのものは光

 


人は食べることで
自然とつながり
食べたものがからだのなかで燃え
わたしたちは光そのものとなる

 

 


自然のリズムに寄り添い
天と地をめぐって動く
いのちの流れを受け入れ、
食べることを見つめていくことが
私たちが暮らすこの星への
愛となりますように…

 


プレムダンは、カルカッタにある
マザーテレサの家の名。
サンスクリット語で「愛の贈り物」という意味。

 

 


私たちの内にある、
永遠なるものを信じて
プレムダンと名づけました。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

premdan(プレムダン)

 

オープンは4/27の予定です。

 

 

Lunch 11:30-14:00  
Cafe   14:00-17:00 (L.O.16:30)
Open  金・土・日

673-1123
兵庫県三木市吉川町湯谷175
Tel 0794-60-9256
ランチは、ご予約制とさせていただきます。
(スープ、菜食ワンプレート、パン、ドリンク付き)
お一人様 1700円 

ご予約は、営業時間内のお電話にて承ります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

premdan、坂口さんのお店が

光となって

かがやき続けますように。

 

 

 

 

私たちの内にある、

永遠なるものを

私も信じています。

 

 

 

 

 

森田建築設計事務所 

森田 徹

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

< 前回

 

 

 

⇒ premdan

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『吉川の古民家 premdan 』 | 19:25 | - | - |
現場回想:開店に向けて (吉川の古民家 premdan 15 )

 

秋の始まる頃、

色々な調整を経て

ようやく引渡になりました。

 

 

外部。

ショウウィンドウのような形で

FIXガラスのはまっていた正面右側は

一部を撤去して開閉できる窓にあらためました。

古建具を見つけてきて再利用した窓です。

 

 

茅葺の母屋との繋ぎ棟の屋根が切り離されて

屋根の形状があらためられ、

雨漏りの心配はなくなりました。

見た目にも整理されて、なんだかすっきり。

 

中に入ると・・

 

 

大きな茅葺屋根の

深い懐から生まれる

やわらかく穏やかな玄さと静けさ、

外の緑の斜面からの明るく鮮やかな光、

窓を開け放つと澱みなくめぐり流れてゆく風、

聞こえてくる鳥や虫の声、

木の葉や木々のざわめき・・

 

それらの中の一部として、

料理をするいとなみの姿が

あるようにしつらえられた厨房と

廻りの客席の場。

 

改修工事前のお清めのときに

祭壇が組んであった壁面(→No6『あらためて はじまり』)

は取り払われ、床の仕上も変わりました。

 

以前の豪勢な雰囲気から

簡素で静かな雰囲気へ。

 

 

 

開閉できるようにあらためられた窓の場は

外を見ながら座れる

造りつけのテーブル席になりました。

吊り下げられた木製シェードのペンダント照明は

坂口さんが見つけてきたフランスのアンティーク。

 

 

座敷側も畳が敷き直されました。

傷んでいた縁側開口も補修しました。

庭と景色を見ながらほっこりとくつろげそうですね。

 

お店のために新たに設けられたトイレ。

 

 

右手奥の板の部分は

季節によって通風のために外せるようになっています。

 

既存古材板を再利用したカウンターには

古い真鍮の洗面器を再利用した手洗いを設けました。

 

 

排水金物を底に段差無く設置するために

京都の鍛金職人さんに

底の部分を加工してもらいました。

 

 

古足場板を床にした客席。

この屋根を直してくれた地元の茅葺職人の

くさかんむりさん達が使っていたものを譲りうけました。

 

 

新しくできた

漆喰の大きな壁面とイギリスの古い納屋の扉。

並んだ椅子は

縁あって出逢ったアンティークで

イギリスの農夫みたいな椅子たちと

フランスの貴婦人みたいな椅子。

この一角にはピアノを置いて演奏もできるようにする予定。

ライブとか楽しみですね。

 

 

イギリスの古い納屋の扉と

イギリスの農夫みたいな椅子と

足場板床 と 茅葺古民家 はなんだかよく合います。

はたらくもの同士だからでしょうか。

たのもしくて 健やかで 美しい ものたち。

フランスの貴婦人みたいな椅子はピアノが来たら少し落ち着くかな。

 

 

バックヤードの部分も風通しよくすっきりと改修。

 

 

風と光が再び経巡るようになり、

この場所との関りや

建物内での様々な部分同士の関りのありようも

今回再編されてあらたになりました。

 

工事はこれでひとまず終了です。

あかい工房さん、大変手のかかる仕事になりましたが

どうもありがとうございました。ごくろうさまでした。

 

・・・とはいえ、

今回直せていない箇所もありますし、

茅葺屋根はいずれ全体を葺き直さなければなりません。

メンテナンス的な工事はしばらくは継続していくことになりそうです。

 

 

お店のオープンに向けてはまだ少し

家具の準備や器の用意など、

今現在も開店に向けての準備が進行中です。

 

 

 

 

 

> つづく

 

 前回

 

 

⇒ premdan

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『吉川の古民家 premdan 』 | 19:13 | - | - |
現場回想:開店に向けて (吉川の古民家 premdan 14 )

 

現場では

厨房内仕上の板金貼り工事が進んでいます。

 

 

上部垂れ壁の左官下地が出来てきています。

 

 

こちら側の木製フレームには

既存床を解体した古材を利用して

可動棚が設置されます。

 

手前客席側の古足場板床も張りあがって・・

 

 

 

座敷との段差には

解体した既存の床板を再利用しました。

床下通風の部分は板が外せるようになっています。

 

数日後・・

 

 

垂れ壁が

左官塗りで仕上がってきました。

 

この部分は

大きな茅葺屋根の深い懐から生まれる

柔らかな暗がりの中に沈んでいくように

仕上げようと思っていました。

 

 

正面外部の

緑に覆われた斜面から反射する光と

内側の暗がりの対比。

 

白い壁面は

斜面の緑をまとった光で染まり、

その表情は時にしたがって移ろってゆきます。

壁が塗り終わると、

先日出逢った扉も設置されます。

 

 

シンプルにつくった受け金物で

吊り込みました。

 

厨房機器も搬入設置されました。

 

 

客席側の壁面漆喰を背景に

古材の可動棚板が見えます。

これは込み栓で固定するようになっています。

ものが置かれると

ディスプレイと収納を兼ねて

また緩やかに客席側と厨房を区切る役割も果たします。

 

他の室も順に仕上がってきています。

 

 

新しい開口が場に

新しい光と新しい呼吸をもたらします。

 

 

夏が終わる頃、

 

 

工事も大半が完了し、

眠っていたこの家も新たな目覚めを目前にして

再び息づき始めたようです。

 

 

 

 

 

 つづく

 

 前回

 

 

⇒ premdan

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『吉川の古民家 premdan 』 | 19:30 | - | - |
現場回想:開店に向けて (吉川の古民家 premdan 13 )

 

現場では造作が進行してきました。

 

 

奥の開口部に設置する扉。

大きな白い壁面の中で空間を印象付けるものになりそうです。

 

 

日本の古建具から

トルコやインドの古い扉やフランスのアンティークなど、

あちこちを坂口さんと一緒に探して、

最終的に出逢ったのはこちら・・

 

 

イギリスの納屋で使われていた扉

100年くらいは経っているもの。

 

 

 

鉄の金物と木の古びた表情がいい雰囲気です。

働く場所に使われていたものならではの

無駄や飾り気のない、簡素で 健やかな

美しさ、もののありようが

この場所がこれからあろうとする方向と

よく響き合うのでしょうか・・・

 

鉄の部分はもちろん活かして、

鍛冶屋のFERRAIOさんに

新たに軸受け金物を造ってもらうのと

合わせて歪みを修正してもらい、

取り付けることにしました。

 

扉には

ウェリントンアンティークさん()で出逢いました。

沢山ある中からこれ!と感じるものに出逢えてよかったです。

ありがとうございました。(設置前の様子  )

 

 

他の場所で使う古建具も

色々探して現場に搬入していきます。

 

 

新たな場所で新たなお役目に。

こちらは日本の古い窓。

 

 

 

 

つづく 

 

 前回

 

 

 

⇒ premdan

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『吉川の古民家 premdan 』 | 07:55 | - | - |
現場回想:開店に向けて (吉川の古民家 premdan 12 )

 

現場の様子をお伝えするのが

前回()から随分間が空いてしまいました。

おかげさまで工事は無事に終了しています。

 

冬を越えて少しずつ準備が整い、

この春、4月末にいよいよお店としてオープンする予定です。

お店の名前は premdan(プレムダン)

サンスクリット語で『愛の贈り物』という意味。

・・この名前に込められた想いはまたあらためてお伝えします。

 

工事の状況をもう少し振り返って、

開店まで又少しの間、

想いを馳せてみたいと思います。

 

 

厨房周りの天井などの下地が出来てきています。

 

 

火気を使用するのと、

わらなどが落ちないようにするために、

厨房内の天井は茅葺を現しのままというわけにはいきません。

 

 

ここで使う古建具をそろそろ探しに行きます。

まずは奥の開口を閉じる為の扉から・・・。

 

 

 

 

つづく 

 

 前回 

 

⇒ premdan

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 『吉川の古民家 premdan 』 | 19:13 | - | - |
『Between the world 1st』のあった日

 

 

 

 

湧き出づるままに

惜しみなく

はかりごともなく

注がれ 捧げられることで

愛は その全き姿を見せてくれるのです

 

松本くんのバルフィ

久美のサモサ

料理教室森田スタッフ、

のりちゃん、にんにん、なんちゃん、

そして みさちゃんの献身

 

上門前の家には

光となった愛が

訪れた人皆に 溢れんばかり

黄金となって

降り注いでいました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| - | 16:33 | - | - |
上門前の家からのお知らせ 『Between the world 1st』

 

 

今度の日曜日、19日は

事務所の上門前の家にて・・・

 

・・・・・・・

 

Between the world 1st
家を開ける日 

 

松本君が作るバルフィ
料理教室森田からサモサ a small stall
あたたかいチャイで
皆様のお越しをお待ちしています。

 

2017年2月19日 Sunday
場所  上門前の家
京都市北区紫野上門前町5
Open  12:30〜17:00

 

住宅他の為自転車を止める場所がございません。

公共の乗り物でお越しください。
車でお越しの際は近くのコインパーキングをご利用ください。


ーーーーーーーーーーーーーーーー

今年から小さな企画 
『Between the world 家を開ける日』

を 不定期ですが行いたいと思います。

 

世界とわたしの間にあるモノ
それは 弾力のある夢
ここから生まれるものを。


Between the world 1st 家を開ける日は
松本高志君のお菓子
料理教室森田からサモサ a small stall
あたたかいチャイ

 

松本君の作るお菓子は
惜しみない作業工程経て生まれてきます。
そのお菓子たちは

とても奥ゆかしいく優しい美味しさです。


今回はインドのお菓子バルフィをお願いしました。

実は松本君自身はバルフィを食べたことがありません。

私と料理教室のスタッフがとあるお店で食し、

ひょんな話からインドのバルフィってお菓子が美味しかったこと。

私たち3人の断片的な記憶を集結し

味、食感、姿を松本君に伝えたところ、

試行錯誤の末カタチにしてくれました。
それは、ビックリ私たちが食べた
バルフィより、

美しく柔らかでさり気ない美味しさ。

本場インドのバルフィより美味しいのでは?

いやこれはもしかしたら既に、

バルフィってお菓子じゃないのかもしれない。

そんな素敵な松本君のバルフィ

みなさまに紹介できる日が来るなんて。


Between the world 1st  家を開ける日  に相応しい

松本君の作るバルフィを楽しみにしていて下さい。
その他のお菓子サモサはテイクアウトもご用意しています。

 

 

料理教室森田  森田久美

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| - | 17:07 | - | - |
近況

今朝はまた

夕べからの雪ですっかり白化粧。

立春を過ぎて暖かな日に春が来た〜と言ってたところ・・

今年はよく降ります。

 

そんな中、

市内で古家の実測調査に行ってきました。

昭和初期頃築の連棟長屋の一軒。

 

 

割合きれいなまま、

大きく変えることなく住まわれていました。

 

 

車の通らない

人しか歩かない細い道に面しています。

古い家がーぽつぽつ入れ替わっているのですがー

通りをかたちづくっていて落ち着いた風情。

最近、こんな道は少なくなってきましたけれど、

安心してゆっくり歩けるし、

道の向こうはなんだろう?と、

なんだかわくわくした気分が湧いてきます。

ここに、

住む人と通りを行く人

どちらにも楽しい景色を

付け加えようと想いました。

 

 

こちらは先月実測してきた街中の家。

 

 

座敷から縁側越しの坪庭の眺めが素敵です。

 

築から100年ほどの間に

複数回の増改築を経て大分姿を変えてきました。

周囲を隣家に囲まれている中で、

光の届かない部屋や風の抜けない部屋をどうやって息づかせるか、

周囲との屋根の取り合いや

傷んだ箇所の補修、合わせて構造補強的なこと、などを

どのように解決するか、と

なかなか難しい問題がたくさんあるのですが・・

今ようやく新しい姿がまとまりつつあるところです。

随分変わりそうですが、

この座敷と庭はこのままの風情で残す予定です。

 

 

こちらは

工事が進行中の錦の家。

並んで建つ2軒の改修工事を同時に進めています。

 

 

傷んでいた大屋根を外したところ。

シート採光屋根。なかなか明るくてきれいです。

 

今までお施主様があちこちで集めてこられた古建具を

今回の改修で使います。

 

 

京北にお持ちの大正時代築の古民家に

沢山の古材や古建具、パーツなどをストックされており、

今回色々と活かせそうで楽しみです。

 

 

京北の古民家は、しっかりと頑丈に、

併せて趣きをもって造られた、

とても素敵な家です。

立派なおくどさんのある吹き抜け。

去年はこのお向かいの田んぼで田植えに参加しました。

 

他に

新築が近々始まったり、お店の改修などもあって・・

どれも楽しみです。

 

 

 

実測の帰りに

以前改修した家のそばを通ってみました。

数年が経ち、

新しかった塀の上にも植栽が育って

場所に馴染み、風情を生んでいる様子を

うれしく眺めていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| - | 11:00 | - | - |
クートラス展

 

 

『(・・前略)

ティエールの町やクレルモン・フェランの町を見せたいと、

そこにはフランス人が大概なくしてしまった

ご先祖様が生きているからと言っていた。

この地方のロマネスクの教会の中で出会う、

柱の上の高い所に、

悪徳や美徳を表現する為に彫り出された騎士達や、

農作業に励む人達の顔には、

なんだかずっと昔の日常が溢れている。 

誰が作ったのかと問われることもなく、

そのもの自体で生まれて年老いて美しくなっていく作品を

クートラスは好きだった。

だから自分でもそういう作品を作りたかった。

僕の作品は歴史のページをめくるものじゃないかもしれない。

でもどんな世の中にあっても、たとえ僕は忘れられても、

僕の作品を好きな人は必ず見つけてくれて、

愛してくれるってことだけは確かだよ、と言っていた。』

 

 

『クートラスの思い出』 岸 真里子・モリア 著 より

 

 

 

クートラスの作品が語りかけてくる何かが

僕はとても好きです。

実物は本で見ていたよりももっと素敵でした。

 

春までまだ大山崎美術館で逢えるので、

せめてもう一度は

逢いに行こうと思っています。

 

 

 

「開館20周年記念 ロベール・クートラス
僕は小さな黄金の手を探す」展
アサヒビール大山崎山荘美術館(京都)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| - | 10:44 | - | - |
夢見の家 10

 

昨年の暮れに無事に竣工し、

お引き渡しすることができました。

施主施工の壁面和紙貼り部分を

一部残していますが、一通り完成です。

 

櫛谷建築の皆さん、ごくろうさまでした。

手のかかる作業の多い仕事でしたが、

最後まで丁寧に造っていただき、

どうもありがとうございました。

 

 

工事前(before )と竣工後(after)を

見比べつつ、全体を振り返ってみたいと思います。

 

 

1階廊下 

中廊下でありながら、

L字型に座敷二間を囲むように配置された廊下が

印象的で、改修後もそれは変わっていません。

各部屋への開口部の大きさや形状が変わり、

傷んでいた床・天井の仕上げが変わりました。

 

before

 

after

 

左手階段下収納は襖から目板格子戸に、

右手は障子から筬格子戸に変わりました。

以前は少なかった壁も増やして、構造補強されています。

正面の壁面への側面からの光は以前から変わらず印象的です。

ここの壁面はあとから和紙貼りで仕上られます。

 

 

1階DK 

元はタイル貼りの流しや吊り戸棚が風情のある厨房でした。

後から増築されたらしい南側のダイニング部分は

屋根の形状・納まりに不具合があり、

構造補強も兼ねてこの部分を大きく改修しました。

 

before

 

タイル貼りの流しはかわいいのですが

使いづらかったようで、右側に新設のシステムキッチンがありました。

左手に勝手口がありました。

 

 

三方の垂れ壁には

吊り戸棚がありました。今回、建具を再利用しています。

 

 

南側ダイニング。

かつてはここにお風呂があったようで、

複数回の増改築の痕跡があった場所です。

周囲を家に囲まれた中では、

最も奥行きのある庭に面した南側なので、

1階の部屋では一番日当たりがよい場所でした。

 

after

 

ステンレス天板のキッチンを新設し、

吊り戸棚を2面に再生しました。

中央にはカウンターを新設。

カウンター天板には

座敷で使われていた栃の無垢板を再利用しました。

 

 

元のダイニングとの境は

梁をかけなおして既存柱を撤去。

キッチン寄りにカウンターを設置して、

空間を繋いで広げました。

勝手口だったところにはガラス戸入りの収納を設置。

柱がなくなったので、

カウンターの手前、天井が低くなった部分に

ダイニングテーブルを置けます。

 

 

元ダイニングの上は

ガラス屋根に架け直して、

2階の部屋と繋がる吹き抜けにしました。

 

ダイニング部分をキッチンと繋ぐことができたので

ここはソファを置いてくつろげるスペースになりました。

庭の緑を見ながらの食事ができ、

たっぷりの自然光に満ちて高さもある、

気持ち伸びやかになる空間です。

 

ガラス屋根下には

取り外し式のスダレ建具をつけてあるので、

夏場の日射をある程度防ぐことが出来ます。

 

 

階段

古い家に多い、勾配の急な階段でした。

1階の床を一部上げ、勾配もゆるくしました。

 

before

 

 

2階からの見下ろし。1階は玄関の2帖の間です。

 

after

 

1階の1帖分の床を上げました。床板は松の古材。

階段の上に新たな開口を設けて、自然光を導きいれています。

閉塞感がなくなって、光と気が廻ります。

 

 

1階座敷 → アトリエ 

元々二間続きの座敷でしたが、

以前の改修で北側の部屋は板の間になり、

半分のスペースにユニットバスとトイレ・洗面が設置されていました。

座敷はそれなりに趣のある造りでしたが、

開口を二面に広く取りすぎていたために

隅柱に荷重が集中し、沈下していました。

同様に廊下の続きの内縁も柱が少なすぎて上部が下っており、

又開口高さがありすぎて、周囲の家の開口と重なって

お互いの視線が気になる状況でした。

 

before

 

南側座敷から庭を見たところ。

正面に2間の開口がありました。右端が沈下していた柱。

 

 

同座敷から西側を見たところ。

こちらも当初は2間の開口があったようですが、

後から開口の中央に補強柱を立てて右半分を壁にしてありました。

 

 

続きの間。

左手が水周りの入った部分。

元ダイニングが日当たりがよかったので、

お風呂をこちらに移したようですが、

座敷との繋がりが無いスペースになっていました。

 

 

after

 

元の続きの間から南側を見たところ。

二室を繋いでアトリエに、というご希望があったので、

水周りを移動して、スペースを空けました。

正面内縁の開口は高さを下げたので、

隣家の開口が見えなくなり、

視線は自然に庭の緑に導かれるようになりました。

緑の背景には既存板塀を造り直して、焼き杉板の板塀を設置しました。

 

 

南側の2間の開口は少し狭くして、隅柱は太い柱に差し換えました。

左手の元の床の間だった箇所に壁を設け、そちら側をトイレにしました。

 

 

西側も開口幅は狭めましたが、引き込み障子なので全開放出来ます。

南側の障子は外して収納できる場所を設けたので

こちらも全開放が可能です。 

障子は両面に和紙を張った太鼓張り障子。床はわびすけ塗り。

ここの壁は施主施工の和紙貼りになります。

 

 

2階寝室

元は押入れ付の4帖半和室でした。

当初、収納にする話もあったのですが、

それにはもったいないほどの日当たりのよさだったので、

こじんまりとした居室にする方がよいと考えました。

 

before

 

after

 

押入れを撤去して、

奥にハーフユニットの浴室を設置、手前を寝室に。

問題のあった屋根をガラス屋根に架け替え、

吹き抜けを介して1階と繋がるようにしました。

西側の部屋ですがガラス屋根を介して

朝日が射し込んで、壁を明るくしています。

吹き抜け側にはベンチを設け、洗面も設けました。

 

 

ベンチの上には障子が設けてあって、

吹き抜け側を閉じることも出来ます。

ガラス屋根のすだれ建具はここからつけ外し可能。

1階の開口部とこの部屋の北側の窓を介し、

温度差による自然通風で

換気出来るようになっています。

 

 

2階和室

元々造りのよい座敷でしたので

ここは原形のまま残そうということになっていました。

ですが、下階柱が沈んだ影響で床がかなり歪んでいました。

 

before

 

床の間周り。

ほとんどこのままの形ですが、

今回、耐力壁にしたため書院がなくなりました。

また、壁仕上げは漆喰コテ押さえから白土塗りに変えました。

 

 

南および東開口部。

内縁の外部開口は南、東ともに2間半あり、

かなり垂れ下がってしまっていたようで、

鴨居下に補強束が立っていました。

 

また、

かつてはここから賀茂川や比叡山、

送り火の大文字などが見えたようですが、

今では周囲に建てこんだ家の開口と重なって、

双方の視線がぶつかって気になる状態を生んでいました。

 

after

 

床の間周り。

白土塗り仕上げに変って、

少し雰囲気が柔らかくなりました。

 

 

南および東開口部。

東側は開口幅を半分にして収納を設けました。

畳を交換し、雨漏りで傷んでいた天井板を新しくしました。

竿縁、周り縁はもとのままです。

 

 

内縁外側は柱を立て直して、

軒桁をきちんと受けられる架構にあらためました。

開口高さも低くし、

幅広の上げ下げ障子を設置して

隣家開口からの視線とぶつからないようにしました。

無意識のうちに気になっていたことがなくなり、

障子越しの光もやわらかく、雰囲気が随分落ち着いて、

居心地のよい場所になりました。

架構をあらためたことで、

沈んでいた床などは元通りに戻りました。

 


2階続きの間

こちらも開口の正面に隣家のベランダがあって、

双方開放しきれない状態でした。

入母屋屋根の隅などから雨漏りして

一部天井に傷んだ跡がありました。

 

before

 

after

 

和室から板の間に。

外部開口も絞り込んで

隣家開口と位置をずらしました。

 

 

天井を取り払い、屋根勾配なりのラワン合板張り。

屋根上のテラスへ続く階段を設置。

地回りに補強梁、火打ち梁などを設置しました。

 

 

座敷との間は壁を設置。

ある程度の通風が出来るように無双格子入りの建具を

はめこんであります。

 

 

にじり口のような戸をあけると空の下、

屋上テラスへ。

ここからは比叡山や送り火も見えます。

かつて、

この家が工夫を重ねて

開口を大きくとって得ていた眺めは

周囲の環境の変化で失われましたが、

ここで形を変え、あらためて眺めが得られました。

 

それは同時に、

この家がかつて見た夢を

また新たな形で引き継ぐことのような気がします。

今回新しく生まれた夢とともに。

それは、別の言葉にすると

家を生きさせる いのち、とも言えるのかもしれません・・。

 

 

・・そういえば、

お引き渡しの日は、

ちょうど一年前、お施主様がうちの事務所に

初めて訪ねてこられた、まさにその日でした。

不思議な偶然、ですが、

何か大きな流れにのって、

こと や 場 が出来上がり、成就するときには、

それがこのように意味や縁のある日に重なったりするような、

しるし のようなものが顕れることが多いように思います。

 

 

この家での

新しい生活が活き活きとして、

楽しみと喜びに満ちたものになりますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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